皆の選択
「兄ちゃんセリーヌ様に会ってから家に着くまでにそんなこと考えてたの?」
「考えたというか、もしもこんなことあったらな程度の想像してたんだよ。ずっと前から」
「考えてるときと考えてないときの差が激しいですので」
寝る前の貴族のゴタゴタ対応の妄想は楽しいんだよ。論破から俺ツエーまで。
「ジルーニャ様は考えさせてほしいって言ってたけど、どうすると思う?」
「多分自分で成果を見つけてからエイトに会いに来るか、金属の話を受けてウバリに行くかのどっちかだと思う」
そして2人が孤児院に戻って勉強する話を聞いた。
このペースなら1ヶ月もしないで戻る予定だったとか。
あと、作りがいのあるやつはたまに魔石のやつで見せて欲しいと頼まれた。
魔石辞書が完成したら2人だけじゃなく孤児院の皆にも勉強しやすくなるんだけどなぁ。なんか見落としてる気が。
「兄ちゃんとミー姉には本当にごめんなさい」
「いや、俺も皆の家族だろ?皆は違うって思っても、奥さんの家族は自分の家族って価値観の国で過ごしてたんだ。やっぱり俺にとっても弟と妹だよ」
皆素直で可愛いし。
「私の大切な物も守るって付き合う時言ってくれたもんね」
覚えてたのか。嬉しいけど今は恥ずかしい。
「そう言えば魔石辞書の完成の目処はいつですので?」
「まだわかんない。魔石が付与に耐えれなくて何度かで壊れるんだ」
「普通の付与魔法だったら車の金属とか糸の方が一杯魔力込めれるのにね。
魔石もそのくらいジンの魔力に耐えれるの探すしかないのかな?」
ん?今大事なヒント出たな。 別に付与魔法は魔石関係ないんだよな。散々色んな物にやってるし。
ただ、そこらへんにある切った大木や鉄よりゴブリンの魔石の方が魔力を貯めれる量が多い。そのせいで魔石に拘り過ぎてたのかも。
「ミラ!ありがと!解決するかもしれない!」
それぞれの部屋に戻り早速取り掛かる。
車作りに余った合金チタンで文庫本の形を作り付与魔法をかける。中身は空洞の直方体だ。
「出来たんだけど試してみて?」
「何を付与したんですので?」
「すぐわかるよ」
ていうか、頭の中読むタイミングが分からない。そもそも今ヴィティを通さなくても常識チート使えたぞ?
「どちらもその時の気分によりますですので」
「うわ!凄い何これ?」
こっちの文化は結構高い。貨幣制度はしっかりしてるし、製紙に活版印刷。小さいけど図書館だってある所も多いし識字率もなかなかだ。
車の再現にfrp(強化プラスチック)まで出来てる。
ただ、金属は銅(青や白)や鉄に鉛、がメインで意外と進んでない。
むしろファンタジー物質を魔石と精製して、欲しい材質っぽく出来るせいか、食や娯楽と比べて発展してない。
そしてミラに見せたのがステンレスとアルミの多重構造圧力鍋だ!使い方からレシピに、色んな現代の便利台所グッズ。どうせなら他人に見られ辛く、発展してる食の方なら世界の影響は少ないだろう。
難しい構造のはエイトとメイに作ってもらう予定。
ミラは将来どんなことやりたいか聞いたところ。
「私は2人の夢を聞いたら、最近はジンと人助けの旅っていいかな?って思ったの」
ああ、それは楽しいな。金持ちからはふんだくって貧乏な所や義理のある人はお金を取らないか、格安でやる。
うん、実家に全巻あるし。
「うん。それいいね」
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。