自己防衛
「提案の前にお披露目会をします。これをしないと提案出来ません!」
パチパチと拍手してくれるミラ。
早速ハイエー○をアイテムボックスから出す。
車体のほとんどに使われている素材の合金チタンで作られた鍵に魔力を通す。するとドアのロックが解除される。
タイヤなど今回使わない部分はミスリルで魔力を貯めたり付与魔法をかけてある。
乗り込み、俺は運転席、ミラは助手席だ。
後ろに3人乗り込んだのを確認してドアのロックを試してもらう。よし!成功。
本来ならワイパーとウィンカーであるレバーを握りエンジン起動。ハンドルを上に動かし浮かす。これが1番苦労した。重さを0をイメージしたら何かとぶつかった時に吹っ飛ばされるので、重いまま浮かそうとしたのだ。
ただ反重力とかそういうの無視してイメージと魔力のごり押しでいけた、こういう時は普通地球の科学知識チートの出番なんだけどな。
歓声が上がる。シルさんはいきなり気絶してるか。
試運転で山の頂上まで行こう!
合金チタンをどのくらい使ったかわからないが、俺で62kg、メイとエイト合わせて85kgと見て、シルさんは装備込みで80kgくらいかな、ミラはリンゴ3個分。
227kg+車体の重さをスムーズに動かせる。
何匹か魔物を車の武装で倒して収納。全部の機能は試してないけどいい感じ。3人ともカッコいいと評判だ。
ずっと静かだったヴィティが声を出す。
「ななな、なんてもの作って、これは常識がないですので?」
たまに言われる非常識扱い。いや常識には詳しいよ?
車作ってるのは知ってても付与魔法の中身までは知らなかったのか。いつもは頭の中読むのに。
口調乱れてるし何言ってるかわからない。
これは、やっちゃったパターンか。俺もついに。
「これは最高にカッコいいですので!常識の枠を取っ払った1品ですので!!ついにジンがマトモなセンスがついたですので?いつかヴィティ専用の白い奴作って欲しいですので!!」
ん?意外に高評価?あとまた悪口挟んだ?
「いや待て、これは一体なんなんだ?」
あっ、気絶から回復した。
「いや、私は気絶してないさ。少し泡を吹いて倒れてたに過ぎない」
あっ、目を瞑ってるだけだから寝てない理論ですね。
「これの重大さが貴方なら分かると思ってるのだが?」
そう、わかっている。昨日の今日とは思わなかったけど、分かってるからこそ、このタイミングで制作を依頼した。
「この金属の作り方や、産み出し方を教える代わりに、ジルーニャ王女様がこの技術や知識に対して私達のことは秘密にしてほしいです」
「つまり、この金属を私の成果にして、貴方達はただの冒険者だと?元々人目が無いところで使えばバレない、
つまり私のメリットしかない気がするのだが?」
少しエイトに気を取られただけで元々察しは悪くないのだろう。
「ジルーニャ王女様がシルさんになれるのが私達のメリットだとしたら?」
怪訝な顔をしてる。
「王族なら当然高い教育を受けてますよね?メイとエイトが孤児院に戻ったら15歳以上の冒険者として2人を連れてったり、冒険者活動しないときは色んな勉強教えたりしてもらえますか?
勿論これを見ない振りして冒険者を続けて成果を手に入れるのも自由です。
ただ、シルさんとしてエイトの近くにいるにはベストの形じゃないかと」
「私がその技術に目が眩み、君の妻ミラや、孤児院を調べて人質にとった場合は?」
「思ってもないことを言ったら好きな人も傷つけますよ?これは実体験です。これは答えになってないですね。
その時は、実力で皆を守ります。ミラと結婚する前からの約束ですから!」
《「ミラのことが好きです。付き合って下さい。魔物も他の危険からミラとミラの大事なもの全部守るから一緒に付いてきて下さい!」》
(覚えてくれてたんだ)
閲覧有難うございます。
ブックマークしてくれた方本当に感謝です。
ポイント付けてくれた方も感謝しています。
書く励みになっています。
拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。




