熱意の食い違い
まだ日が登ってない時間に起きてしまった。起床サイクル狂ってきたな。
あの2人は多分地下室だろう、行ってみるか。
「あっ、兄ちゃん!完成したから起こそうと思ってたんだ!どうこれ?」
「塗装とかはトーア呼ばないと完成とは言えないかな?」
目がキラキラしてる。けど終わったら寝るんだぞ。
目の前には立派で真っ黒なハイエー○があった。
「言われた通りの改造もしてるよ!」
「ミスリルじゃない方のも普通の金属よりずっと魔力の通りがいいね!」
「全体を黒にして1部茶色に変えて兄ちゃんの髪と目を意識したんだ!」
あっ。それは別に嬉しくない。俺ナルシストみたいだ。
魔力ワイヤー作ってて気づいたんだけど、魔力で産み出した物質は作り手の魔力密度に依存して魔力を溜め込めることが出来る。
「こっからは俺の仕事だ。お風呂入ってゆっくり寝なさい」
はーい。と、素直に上へ行く2人。
さて、久しぶりに付与しまくりますか!
ポロッサの南側の山付近にて。
「とりあえずお昼から夕方まで一緒に冒険してみて気づいたこといいですか?シルさん?」
不思議そうに頷いたので続ける。
「エイトとミラの孤児院を手伝うってのは具体的にどういう意味ですか?」
こんなに早く完成するとは思ってなかったけど、2人に車作りを頼んだ理由がこれだ。
「もちろん貴方達と一緒にいれば父も驚かせる何かを見つけれると思ってる。勿論手柄を横取りとかはするつもりはないし、ある程度当てはある。
そうしたら誰も所有してない土地を開拓し孤児院を建てる。そのオーナーに2人を指名して補助役は私が集めよう」
やっぱり。シルさんは、2人はただ孤児院を経営したいと思ってるんだ。違うんだ。2人が目指してるのはマーヤさんであり、ルケットさんなんだから。
「それは違います!」
エイトが大きな声を出した。
「メイ、いえ、私達が数年で孤児院を作ったり出来るなんて考えてません。院長先生や先生みたく色んな人と出会って子供達を優しく教えれる人になるのが目標なんです!」
「そのために結婚したばかりの兄ちゃんとミー姉ちゃんの邪魔してまで冒険とかの勉強してるんです!」
「では、孤児院の夢はずっと未来になるのだよ?」
「「はい!」」
「兄ちゃんにも言ってないですけど、冒険者のことを教えて貰ったら孤児院に戻って先生から改めて色んなこと学ぶつもりです。自立出来るようになって初めて孤児院の夢を自分達の力でやります!」
「私が兄ちゃんは孤児院にいつ来るか分かんないからいるうちにお願いしよってエイトを誘ったんです」
俺は少なくとも2人が15歳までは面倒を見ようと思っていた。
《知ってた?》
《ううん。どこかに広い土地、探して、そこで住む、思ってた》
そっか。思い切り落ち込んでるシルさんがいた。
「そっか。私は思い込んで先走ったのか」
ミラには(ヴィティにも)車に付与してから、皆が集まるまでシルさんはエイトと結婚を前提の手伝いしか考えてないと思うことを言ってある。
ミラは気づいてたけど王女に変なことは言わない予定だった。
「シルさん。いや、ジルーニャ王女様。提案があるのですが」
絶望した顔の王女がこちらを見る。
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。