猫の手も借りたい
ミラが俺を見ると頷き返す。エイトの意見を尊重しよう。
そのくらいなら日本語で話さなくても分かる。
「えっと、姫様は」
今はシルですと遮る。
「シルさんは孤児院を作りたいの?それともどうしたいの?」
「孤児院を作るエイト殿の力になりたい。いつか孤児院を作るなら商人に頼ることもあるだろう?彼等は孤児院を作るのが目的ではなく、お金を稼ぐのが目的だ。
それと同じで、私はエイト殿の役に立つのが目的だ」
もちろん孤児院の夢が素晴らしいと思ってるのは嘘じゃない。とも付け加えた。
さて、仮に付いてくるとしたらヴィティの説明はどうしようかな。
(召喚獣としてで構いませんですので)
(ありがと)
「わかりました。シルさんは悪い人じゃないと思うのでお願いします」
「ありがとう!よろしく頼む!」
「宛のない旅もしますしこの子達はまだ10歳になってないです」
「メイはなったよ」
「僕来月」
「と、孤児院の建物作るくらいなら私達だけでも簡単に出来ます。ただ、孤児院としてやってくための環境は数年では無理です。私達夫婦も別の目的が有りますから」
「そうだな、私は今年15歳になったのだ。20歳までの5年で何か分かりやすい結果を残せばその後も手伝える!その成果は貴方達の手を煩わせることはしない」
えっ?同い年?いや俺16だから年下か。
この世界に来てまだ1年経ってないけど出会う人皆大人びてる。
ミラも最初は高校生くらいだと思ってたし。身長は伸びてないけど、大人っぽくどんどん綺麗になってくし出会った時細かったけど今は健康的な身体なってるし
(ミラ様のこと考え過ぎですので。)
おっと、明日から早速旅に出る話に落ち着いた。また、女性の前衛が増えるのか……
1階のリビングで作戦会議。
「小屋とかは作ってるけど、魔法で移動はなしだよね兄ちゃん?」
そこなんだよな。まぁ、野営でも別にいいか。いや、待てよ。まだ実験は成功してないけど、アレ試してみるか。
魔石を取り出して、と。
「昨日やってたやつ?」
ミラの問に頷く。ハイエー○の常識をヴィティに流して貰う。
それを残ったゴブリンの魔石2個に流して魔力で焼き付ける。全体像と中のギミックだけだ。あとは大体の構造はこの際無視。付与魔法に解決してもらう。
「完成?」
「これ自体は完成かな。目標にはまだ足りてないけど。ちょっと2人ともこれに魔力を流してみて。後、ヴィティは俺にもう一回ハイエー○の知識取り出せる?」
「当たり前ですので」
よし、俺の方に知識は来てる
「うわ!何これ!」
「国営の自動馬車に似てるのが!」
2人にも問題なさそう
「えっとどうしたの?」
「知識を映像や文字として魔石に入れて取り出せるか実験。電子辞書ならぬ魔石辞書を作りたかった。」
「えっ?それって結構凄いことだよね?」
「結構なんてもんじゃないですので。これのやり方で戦争が起きても不思議じゃないですので」
口の中の焼き鳥が飛んでる。後で掃除しろよ?
「とりあえず今は何度か使ったら壊れるし、広めるつもりはないから」
「逆ですので!ちゃんと管理して広めた方が良いですので。これの恩恵でエネルギーが増えたらカサネ様に優先的に回されるですので!!ジンの能力に、あれ?言えなくなったですので」
あぁ、わかったよ。俺が暴走してヴィティに来てもらったりするのにカサネ様が自分のエネルギー使ったんだろ?ヴィティには言えないようにしてたみたいだけど、ここまでヒントあれば分かるよ。
とりあえずここの皆と孤児院に渡して活用してもらうことにしよう。
「えっと、兄ちゃんはこれを僕達に作って欲しいの?」
この世界の車はガソリンを魔力にしただけのを再現してる。誰かは知らないけど、知識チートなしだとしたらかなり凄いやつだ。
「あっ、ジン待っ」
「そうそう、で、材料はこれを使って欲し、どうしたのミラ?」
「ううん。ちょっと遅かったの続けて」
窓に近づき庭に大量の合金チタンとミスリルと強化ガラスを出す。まぁ、ミスリルはチタンの半分以下だけど。
「これを使って。急ぎじゃないし、ソファの部分の材料は作ってない。だから買わないといけないから」
「行くぞメイ!」
「当たり前エイト!」
街へとダッシュしていくエイトとメイ。もう見えない。
「2人の目が半端なく怖かったんだけど?」
「ジンはあの2人が物を作ってる最中を知らないからね、仕方ないよ。物作りになると周りが見えなくなるの。作業中でも食べやすい物だけ作って私達は口出さない方がいいかな」
そう言えば完成してるか間近しか見たことないな。
それに徹夜が響いて眠くなってきた。
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。




