眷属ですので
使われていない空き部屋に通された。家具も何もないのでエイト作の椅子だけ2脚もらった。
「まずはえーと、あれかな?君の名前から聞こうかな。呼ぶのに不便だから」
「眷属ですので名前はないですので。神の領域に昇進したら初めて[自ら]名付けを許されてますので」
自らを強めに言ったぞこいつ。
ちなみに猫はミラの膝の上だ。幸せそうな感じで撫でている。
「じゃあ、勝手に名前を付けるのも良くないんだな」
すると急に口をへの字にして渋い顔をし始めた。
マンチカンの可愛くない顔って初めて見た。
ちょっと面白い。からかうか
「カサネ様の眷属なら勝手なこと俺が出来ないなー」
ゔぁんうゔぁーと変な声を出してる。猫の出していい声じゃない。
「でも、こうやって会話出来るんだし、俺とミラの間で呼ぶあだ名をつけるくらいはつけたいね?」
「こんなに可愛いから似合うの考えよ!」
ミラの太ももに顔を擦り付ける猫。ちくしょう、まだからかうか。
「えーと、候補はクリームブリュレ、スフレ、ヴィーナス、ポテチ」
尻尾がへたり込んでる。面白い。こっちに来てからこういうこと出来るのいなかったから楽しい。
「ジン?この子、可哀相なくらい落ち込んでるよ、」
ミラに釘を刺される。あんまりやるのも良くないな。
海外での雪の呼ばれ方を探してた記憶よ蘇れ!こいつ雪みたいにふわふわしてるし。
ヴィティだったかな。純白を意味する言葉だった気が。
雪 呼び方 海外 常識
「今はサポート適用外ですので」
そうだった。猫通さないと使えないのか。でも、尻尾めっちゃ振ってる。いきなり止まって痙攣しかけてる。
なんだよツンデレか。
「ヴィティ。確かフィンランドの言葉で純白の雪って意味」
「まぁ、名前を勝手に呼ぶ分には許してあげますので」
ヴィティに詳しく孤児について聞いて皆の態度の意味がわかった。
「ヴィティは有能ですのでジンのモヤモヤにも答えてあげますので」
「「モヤモヤ?」」
声がハモる
「カサネ様への報告の仕方と、この世界での恋愛とミラ様のこと好きな気持ちが強すぎる件についてですので」
報告はもうわかってるよ。ヴィティに言えば伝わるんだろ。サプライズでわざと言わなかったんだな。
あと。それか、それは不思議に思ってた。好きだけど日本の俺では絶対にしない言動を今は自然にやっている。
ミラのこと好きな気持ちは疑わないけど、自分の行動が不思議にはなる。
ヴィティはですのでを何度も言いながら説明してくれた。
こっちの世界で相性は魔力による相性も重要だと。性格や見た目、魔力が惹かれ合う相手と付き合い結婚する。離婚はないけど結婚前なら付き合ったり別れたりは普通にある。
婚前交渉はしちゃいけないのが普通で、2人の魔力を混じ合わせればいつも一緒にいたくなるし、混じれば他の人とは惹かれない。そしてその気持ちを固定するための約束事が契約魔法。
そして俺の件はというと。
魔力鍛錬してるから魔力の相性も勿論増幅される。その分嫌な所もだ。それはミラも同じで魔力鍛錬してる分相性が合った時の気持ははっきりする。
ミラの嫌な所?今のところないかな。
ただ、気持ちがわかりやすくなるだけで、感情は増幅されない。気になるだけで気持は自分の問題。普通は見た目ストライクでも性格破綻者は好きにならないですのでとのこと。
俺がミラのことを気にし始めたのは、他の人に言われて意識の外にやってた物を急に強い魔力で意識したから、挙動不審になったんだと。
だから、好きになった気持ちや人目も憚らずいちゃいちゃするのは本人の気質次第だそうだ。
悪かったな年甲斐もなく恋愛ではしゃいで。
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。




