孤児院の成り立ち
メイとエイトと話すためにマーヤさんの部屋だ。当然マーヤさんもいる。
「先生には2人が良いって言えばと言われてます!」
うーん。どっから聞こうかな。
「私は良いよ。ただ、なんで旅に出たいのか教えて。ジンもそこが知りたいと思ってるよ」
久しぶりに見るお姉さんモードのミラだ。大人3人とホー以外には結構この話し方をする。
聞くと壮大な夢だった。エイトは村を作って発展させ、孤児院の村を作りたいらしい。
「俺が院長先生みたくなる」
「メイが先生みたくなる」
院長先生とはマーヤさんの亡き夫だ。今の名義はマーヤさんが孤児院の院長だけど、皆にとって院長はその人なのだろう。名前はルケットさん。
「先生と院長先生は、私とか近くの孤児を集めてここの領主から孤児院を譲り受けたんです。ここは前の領主の別荘だったんですけど、今の領主と院長先生が不正を暴いて領主が変わったの、
そして領主からの報酬として、使わないなら孤児院を開くからと。
ウバリは閉鎖的なので余所者で孤児の私達と距離を置くにも南門に近くウバリの外れにあるここが都合よかったみたい」
なるほど。屋台の売れ行きからは想像つかないけど、この世界では孤児院はイメージは良くないのか。
マーヤさんから聞くと、孤児院の職員は凄く人気のない職業で子供に冷たく接する人がほとんどらしい。
子供が好きなルケットさんはそれを変えたくて冒険者を引退し、孤児院を作ったと。
知らなかった。複雑な事情がありそうで踏み込めなくて聞けなかったんだよな。
ルケットさんの話が出るたびマーヤさんの表情が暗くなるし。
あれから怖くて使ってないけど使うか。
孤児の認識、常識
あれ?もう1回。孤児、認識、常識
「もうその力は使わないのかと思っていたですので」
中性的な子供の声が耳のすぐ横から聞こえる。
「「「可愛い!!」」」
俺以外の皆が反応する。
「個人的に魔力や武器ばっかり鍛えて知識を活用しない脳筋野郎だから問題が起きて後手後手になってると思ってますので」
肩から移動し目の前に白いマンチカンのような生き物が喋っている。
しかも口がちょっと悪い。けど可愛いから許す。
「えっと、あなた、でいいのかしら?あなたはどなた?」
誰よりも早くこの猫にマーヤさんが突っ込む。
「この人の力のサポートとしてカサネ様から遣わされた眷属ですので
まずはこの2人の子供を旅に連れてくのを決めるのが先だと思ってますので」
「えっと、マーヤさんやルケットさんみたいに子供達を助けるための大人になりたいから外に出たいと、
ミラは2人を連れてくのは賛成?」
《本音で話して、いいも悪いも》
《2人の時間、作る、反対しない》
それは絶対作るから心配しないでほしい。
「色んな所を歩いてくし、野営もするよ。危険も一杯だ。それでも行く?」
「メイはエイトと沢山話したよ。いっぱい頑張ったから魔物も倒せると思う。それに2人で小屋を作ったからジンとミー姉の邪魔しないよ」
メイの言葉に顔を背ける。9歳の女の子に変な気を使われる。こっちの子供は早熟な子が多い気が。そうしないと生きていけない世界なのかも。
「言うこと聞くし兄ちゃんのお尻をもう叩かないから」
いや、叩くのは構わないけど。
「まずはジンさんとミラの2人で考える時間をあげましょう?2人の答えに文句は言わないこと!」
「「うん!」」
じゃあ、部屋に戻ろっかな?
「あっ、今行くと幸せだけど、凄い気まずい場面になること請け合いですので」
俺の思考読めるのかよ!そしてホーおめでとう!!
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。




