結婚するってことは
祝われた後に残る俺とミラ。ゆっくり休んでと言われ部屋に戻る。契約内容を読まないとミラを悲しませるかもしれない。
部屋の前でお休みのキスをして部屋に入りドアを閉める。
けどミラがびっくりした顔をしてたような気がしてドアを開ける。
すると廊下で蹲るミラがいた。驚いてしゃがみ、急いで回復魔法をかける。少しは楽になったのか身体の緊張が取れる。
凄い足音が聞こえた。
「遅かったのね!ミラは大丈夫?」
ミラを俺のベットまで運び座らせる。ミラは悲しそうな顔をしている。結婚初日でミラを傷つけたのか……
こうなることがわかってたのかマーヤさんは冷静に話を始める。
「私もお婆さんから聞いたおとぎ話だと思ってたけど、やっぱりそうなのね
あのねミラ、ジンさんは別にミラのことは大事に思ってるわ。ただ、迷い人、特にニッポンって所から来た人はこっちと結婚の感覚が違うの」
「結婚って、好きな人同士が家族になる制度ですよね?確かに、契約書で約束を守るって、向こうでは1部の人しかやってませんでした。でもその違いだけでミラはなんで倒れて辛い顔を?」
「その契約と家族になるのが最大の違いよ。
ニッポンでは結婚を辞め、後で違う人と結婚できるのよね?そんなことする人こっちにはいないわ。
私達は結婚するのは、悪い言い方すると相手を所有するのと同じ。もちろん相手も自分を所有してるの」
離婚や再婚って言葉がないのか。所有はまぁ、それは日本でも根っこは一緒だと思う。経験ないけど。マーヤさんは続ける。
「だから、契約して相手にしてほしいこと、嫌なことを話して約束するの。このくらい大事にするからあなたも大事にしてねって。
あとは、基本ずっと離れないの。どうしてもって時以外は。
仕事ももちろん一緒にするのが普通で、近くにいればいるほど愛を感じるの。私が聞いた話だと違うのよね?」
「そうですね。大事にするやり方や、距離は人それぞれですけど、こっちほど明確にしてません。結婚する歳もこっちと違います。女性が16歳で男性18歳。しかも20歳以降に結婚するのが普通です。
仕事は基本別々で帰ってくる夫を迎える妻というのが多いかと」
「じゃあ、ジンは私のこと契約する必要ないとか思ってない?離れても平気じゃない?」
「結婚相手に契約するなんて考えたことないからミラに任せたんだよ。ミラが考える幸せな家庭を知りたかったから。
離れてもっていうか、あっちでは人前で仲良し過ぎるのは駄目だって価値観だからさ。今まで離れて寝てたのに急に同室になるタイミングがわかんなくて」
「あと、好きって言葉で伝えないで、態度でわかってっていうのが普通なんでしょ?」
「はい」
「じゃあ、簡単じゃない。ミラもジンさんも言葉にして伝えるだけ。ミラだって悪いのよ。1人で不安になって抱え込んで
契約違反の痛みだって、ミラは自分にしか付けてないんでしょ?」
頷くミラ。
それじゃあ。と、マーヤさんは部屋を出ていった。
「あのさ、ミラ。俺ミラが思ってるよりミラのこと好きだからもっと甘えてよ。そして契約を一緒に考えて、明日もう一回契約しよ?」
ミラと一晩中話をして結婚初日が過ぎていく。
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