2章プロローグ~結婚式
今日はミラの誕生日だ。朝一でペンダントを買い、孤児院の皆に報告する。付き合ってるのは皆既に知ってる。
ニーナさんには光源氏計画と言われたけど、そのうちその言葉をまんま言い返してやる。
「では、2人の身分証明書を出して下さい。ペンダントの契約魔法は」
「付けます!これでお願いします!」
食い気味にミラが答える。そしてなんか結構書かれた紙を提出してペンダント選びに入る。
それを見てにこやかな店員さん。きっと尻に敷かれてるのが多いんだろうな。異世界でも。
「あの、男性のかたは?」
「あぁ、ミラを信用してるから。と言ってもあまり厳しいと冒険者活動に支障きたすかもなぁ。まぁ、契約内容は2人の合意があれば後で変えれるので、今はその通りでお願いします」
女性に正気ですか?みたいな顔をされた。
パーティー組んで2ヶ月、付き合って1ヶ月、ミラはたまに暴走するけど周りを見てキチンと考えれる。
そんな変な契約を付けないと思ってる。
実は結婚するにあたって大事なことをミラに話してない。話そうとしたら結婚してから受け入れると言って聞かないのだ。
また変な風な話になるのを避けてるのかもしれない。
「では、2人はもう夫婦です。お幸せに!」
お互いの首にペンダントをつけ合い魔法をかけたら終わりだ。
店を出る。
「これが夫婦の約束ね」
2枚の紙の内、1枚を渡すミラ、同じ内容を2人で保管して、お互いの気持ちを忘れないというジンクスもある。
少し内容を見ながら店の横で立ち止まる。
「ジンは本当に私に付けたい契約なかったの?」
「ないって言ったら嘘になるかな。でも、ミラは俺だけが縛られる内容にしないかなって。ほら、ミラは俺以外の男性と2人きりにならないとか入ってる」
ちょっと不満そうなミラ。なんだ?また違う知識があるのか?
2人で街をぶらつきたかったけど、孤児院の皆に報告をと歩いて帰る。
既婚者はペンダントを見えるようにするのがマナーらしい。明らかな結婚ペンダントを着けている人にアプローチする人がいたら多少何かしても許される。
結構怖いシステムだ。そのアプローチの判定は国が定めたルールに則って、ペンダントに組み込まれていて色が変わるのが一般的。
勿論これにも入ってる。
「兄さんおかえり!」
ホーとエイトの2人が出迎えてくれる。他の皆は屋台の準備をしてるみたいだ。いや、なんか違うのをやってるのかな?
屋台は最初受け入れてなかったけど、ホーが俺と会う前に仕事で出会った冒険者が食べたところ、想像より美味しく、そして食べたことのない肉の食感が噂を呼び、謎肉屋と親しまれてる。ゴブリンの肉なのは言わない方針だとか。
エイトがいつもの尻たたきをする。会話をしないわけじゃない。でも会話の始まりは、いつからかこれになった。
というか長いし、いつもより強い。ホーも一緒になってやってる。
ホーが思いきり息を吸って、
「先生!ニーナ姉さんが言った通り結婚してるー!!」
わーっと皆が集まる。もみくちゃだ。でも楽しい。
「もう!ミラもジンも先に言ってくれないとお祝いの準備が、出来ないじゃない!とりあえず結婚はこっちのやり方でしたんだし結婚式は日本で普通のでいい?
神前式と仏前式どっちがいい?私は神前式が2人に合うと思うな!ウェディングケーキも用意したよ!
会社で皆が盛り上がってるのに私だけいつも呼ばれないとか思いだしたら止まらなくて!後で同僚のインタビューってやつやらしてね!どこが好きですか?とかプロポーズの言葉は?とか!」
準備出来ないってなんだっけ?あとニーナさんの闇が少し怖い。
「あのね、ジンさんもニーナも迷い人だから結婚の」
「先生!早く早く!」
マーヤさんは子供達の波に飲み込まれていった。
閲覧有難うございます。
ブックマークしてくれた方本当に感謝です。
ポイント付けてくれた方も感謝しています。
書く励みになっています。
拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。




