はじめまして異世界
子供の声がする。それと目を閉じてるのに眩しいし、少し暑い。多分異世界に着いたんだろう。
ゆっくり目を開けると、沢山の子供達に囲まれていた。
「お兄さん誰?なんで庭で寝てるの?」
この中で一番年上そうなショートカットの女性が代表して聞いてくる。
不安そうに俺を見ているがこちらのことも心配してる顔だ。
この子達は悪い子達じゃ無さそうだ。カサネ様に貰った知識によると異世界転生のことは大体の人が知ってるんだよな。
「俺の名前はジン、迷い人だ。たった今ここに来たばかりで驚かせて悪かったね。ここってどこかな?」
話し方が悪いのか子供達は怯えてる。途中から優しく話してみるが効果は無さそうだ。子供は嫌いじゃないだけ怖がられるとへこむ。
「ここはウバリという町の外れにある孤児院ですよ。まずは中にお入り下さい」
後ろから声がするので振り返ると優しそうな高齢の女性が歩いてきた。まずはあの人と話をしてみよう。子供達に見られながら彼女の後を歩いてく。
「まずは私の自己紹介から。この孤児院の院長をしているマーヤです。はじめましてジンさん」
会釈するマーヤさん。こちらも改めて名乗る。
「実はこの孤児院には貴方の他に1人迷い人がいるの。今は料理をしてるから一緒にお昼を食べた後これからのことをお話しませんか?」
厨房から子供達が料理を運んでくる。手伝うつもりだったけど、お客様だからと座って、と言われマーヤさんとさっき声を掛けてきた女性の3人で会話中だ。マーヤさんが女性のことを子供達では上から2番目のミラと言ってたので成人してないっぽい。
ふと、椅子や机などを見ると綺麗な物だ。ファンタジー世界の孤児院とは思えない。
だけど孤児院自体はそれなりに老朽化しているので少しちぐはぐな感じが否めない。
最後の料理が運ばれてくると赤い髪の、白人モデルの様な綺麗な女性が来た。
「はじめまして。まずは食事にしましょう。私もそうだったけどお腹空いてるでしょ?いっぱいあるから好きなだけ食べて」
確かに。実は結構な空腹で辛かったりする
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて。いただきます!」
「「「いただきまーす!!」」
食べながら考える。迷い人が1人いるといっても、この挨拶が普及してるってことは日本の文化が根付いてるのだろう。知識も大事だけど実際に経験しないとな。
そして何よりここの人達はいい人ばかりだ。
食事が終わったら、まずは定番の冒険者ギルドに行こうかな
「美味しかったです。ごちそうさまでした。すいません最後まで食べてて」
「いえいえ、満足出来たのなら良かったです。それじゃあ、このお兄さんと私達は話すからお片付けお願いね」
「「「はーい!」」」
「まずはありがとうございます。」
「どういたしまして。私は挨拶したわね。ではニーナからどうぞ」
赤髪の女性はニーナという名前らしい。
「では改めて私はニーナです。見た目は変えましたけど年は変えてません。いくつかは秘密です。こんな見た目ですけど日本から来ました。貴方もですよね?私は今孤児院を手伝ってますけど、将来は日本にあるような学校を孤児のために作るのが夢です。」
「はい。ジンです。15歳に若返ってますがあっちでは35の会社員でした。
生活出来るようになったら、折角なのでこの世界を観光しようと考えてます。
っと、観光はこの食事のお礼をしてからですけど。お世話になってさらに厚かましいんですが、私の持ってる知識と貴女達の知ってることの擦り合わせをお願いしてもいいですか?」
なんかお見合いみたいな会話になったけど、それは二人の気遣いだ。善意で食事を奢りその上で裏はないですよとアピールをしてくれてる。
そうするとマーヤさんは柔らかい笑顔で
「お礼なんていいですよ。私がしたくてしたんですから。では少しお話しましょうか」
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。