ロマン武器と屋台
イメージは極細のワイヤーだ。材質に拘るよりもどんな風にしたいかをはっきりイメージ。
強靭で、魔力を通したら自由に動き、切れ味のあるワイヤー。
10本重ねてもに見えないくらい細く、より細く。そして強く。魔力を練り込み右手の中指根本に巻きつけてく。ワイヤーのイメージが完成したらひたすら魔力の続く限り巻きつけて指輪の形を作っていく。
完成だ。ほとんどの魔力を使い切ったのは初めてだろう。ワイヤーを使うための指輪の実験や、ワイヤー自体の切れ味を試したい。
左にも違う機能のワイヤーを作りたいし魔力も時間も足りない!
けど、そろそろゴブリンの実験だし気持ちを切り替えよう。俺に付き合ってくれるんだから。
っとミラが1番先にきた。
「ありがと!ミラ。付き合ってくれて」
ミラを見た瞬間、気が動転して言葉足らずになった。
「えっ?付き合う!はい!いや、そうか。実験いくらでも付き合いますよ!」
ニーナさんとホーも来たので早速アイテムボックスに入ろうとする。
「マイワールド!!」
「お姉ちゃん。それなに?」
「えっ?人が入るのにアイテムボックスは変だから、個別の呼び方必要かなって」
ネーミングセンスは俺とどっこいどっこいか。
人手が増えたので役割を決めた。ニーナさんが熟成担当。ミラが味付け担当。俺とホーは焼いて食べるだけ。
あれ?俺の実験だよね?
正直ニーナさんのアイテムボックスチートを舐めてた。俺1人なら、かなりかかるであろう実験を1日目で終わらせてしまった。と言うか1週間の熟成から完成まで3回でたどり着いた。料理漫画の主人公かな?まだチート持ってそうだ。
「温度は1度で42日間、低温熟成させたら美味しくなるね。これならあのゴブリンが食べれるってのを抜きにしても、普通の食材として美味しいレベルに出来た自負があります!」
「で、兄さん。俺、焼いたのを食べるしかしてないけど俺の力って何が必要なるの?」
共同作業して皆の口調が砕けてきた
「ゴブリンって体重25kgから30kgはないくらいだろ?上手く捌けば可食部分が20%くらいっぽいから(解体袋で半分くらい駄目にして2.5kgも取れたんだから)1匹から5〜6kgの食べれる肉が取れるわけだ。どれだけ少なく見積もっても10%で2kg以上の肉だ。
しかもニーナさんのアイテムボックスがあれば一瞬で作れる」
「もしかして皆が美味しいお肉をいっぱい食べるために?」
「惜しいミラ!皆が食べても良いんだけど」
「もしかして売るの?」
正解だ、ホー。
「そうそう、ゴブリンは見た目の割に食べれる所が多いことがわかった。豚やオークでも30%から45%くらいなのに、あの細身で最低でも10%も取れるなら、1匹から魔石抜きで2000イェーン以上の利益を出すことも可能だ」
まぁ、オークの体重はトンを超すので取れる量は段違いになる。
「私がバーベキューコンロを作って、ジンが鉄板や網に火の付与魔法をすれば経費がかからずにお金を手に入れれると」
「売れるなら手を加えて高く売ってもいいし、マーヤさんの今の魔力なら木材あればいくらでも高品質な炭も作れる。孤児院の子供達が出来る仕事で、お金が入るに越したことはないからさ」
「なるほど、で、兄さんは僕は魔物を狩りつつゴブリンを孤児院に卸せばいいと」
「ニーナさんかマーヤさんが屋台の申請はしなきゃいけないけどね。店舗でやるほどの利益は無理だから」
「ジンさんはそこまで考えて魔物を倒してたんですか?」
ミラの目がキラキラしてる。そんな大層な人間じゃないよ俺は。
「いや、子供達の仕事とかはミラ達が手伝ってくれるってなってから思いついた。魔力鍛錬と魔物を狩るだけだと時間を余すから」
「それじゃあ明日から3人で狩りまくろう!」
「そうだね。そのためにはまずやらないといけないことがあるね」
「なに?お姉ちゃん?」
「お風呂。もう一回入んないと臭いが酷い」
確かに。
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