〜最終章プロローグ〜空の旅
モユルとドリーが家に来てから1ヶ月くらいかな。旅立ちの日だ。
「ギル、これが装備とここに帰って来れる魔法を付与したやつね。装備にはアケドラタツクロの家紋である四神を描いてるから。かっこいいだろ?」
「ありがとうございます。いいんですか?こんなに良いものを」
「いいの。俺が良いって言ってんだから。あと、この空飛ぶ車もあげるよ。名前は朱雀号。俺は新しいのエイト君にねだるから」
あっはっは。少年2人が寂しそうに羨ましそうに見てるね。でも自分達でストレイト家を出るって言ったんだから仕方ないと諦めてるんだ。可愛いなぁ。
そろそろ出番だぜ親友。ギルも少し時間引き伸ばせ。
「おい、お前達。旅立つんだよな?俺から、いや。ストレイト家から餞別がある」
キョトンとしてる。そうあのお人好しが君達を見捨てるわけないだろ。3人で来たのも予想通りだ。
「これはメイから防具と収納バッグ、中に色々とルルナが作ったの入ってるから確認しとけな。あと料理のレシピやら道具1式がミラからだ。俺からは、下手くそだけど武器だ」
「だんなさ、いえあの。ジンさん。いいんですか?俺達恩知らずなことしたんです」
「なんだよ、もう他人行儀だな。別に覚悟を聞いただけで家から出した訳じゃない。ただサプライズプレゼントしたいからコイツの家にいてもらっただけだ。別に俺の家が気に入らないならそれで良いけど」
「旦那様って呼んでもいいんですか?」
「当たり前だ。嫌じゃなかったらそのなんだ。ソイツのより見栄えはしないけど、家紋付いたやつも用意してるん」
「「そっちがいいです旦那様!ありがとうございます!」」
「それとアンナさんとメイド達から手紙も預かってる。最初は寄せ書きってやつにしようとしたんだけど、書くスペースが足りなくて喧嘩したんだぜ?
あの仲の良い皆がさ。ちょっと、そんなに書いたら私が書けないでしょ!ってだから1人ずつ手紙にしたんだ。空の旅の途中でも読んでくれ。あといつでも帰って来い。皆待ってるからな」
「「本当にありがとうございます!」」
「気を付けて頑張るのよ」
「ガンバだよ!」
「なんだよ。アンナさんの手紙見てニヤニヤして、そんなに嬉しいこと書いてたのか?でもあの人好きになるなんて無謀だなぁ」
「うっさい。ドリーこそルルナの近くにいなくてもいいのかよ?」
「好きだからこそ向こうは友情しか感じてないのが分かるんだよ」
そうして会話しながら朱雀号の中で手紙を見ていると、そう、それはドリー宛のナサキからのだった。他の皆は苦労話だったり、自信を持てとか家族の一員だ的なことをいっぱい書いてくれている。
そこには。
ドリーへ。アンナ様はアケドラタツクロ様の元部隊の人です。と言うことは連絡は簡単に取れます。ギルガメッシュさんは定期的に報告するでしょう。その内容に、もし、もしですよ。貴方達がストレイト家に相応しくない行動を取った場合。分かってますね?勿論そこまで教育出来なかった私の不備でもあります。なので私と貴方お互い地獄の特訓をしましょう。
「いーーーやーーーー!」
それは晴れた空に響くような叫びだった。
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。




