ライバル
「では国王。後は任せても?」
「大義であった」
「よし、3人とも良くやった。ミラとメイを連れて一度孤児院に顔出すぞ」
「「「はい!」」」
獣人兄妹を連れて孤児院に来たら、神将を倒す旅で連れてきた孤児を、背中に乗せて遊んでるタロスを見てあの演説は嘘じゃなかったと感動する兄妹。
「ほっほ、また可愛い子供達を連れてきたの、新しい家族かな?」
「タロス、子供達と遊びすぎてアンタすっかり爺臭くなってるわよ」
「こうやって可愛い子供達と遊べるなら幾らでもじじいになってやるわい」
「はい!ホーエンハイムさんとエイトさんに憧れて来たアムです!」
「イミです!よろしくおねがいします、はえー、すごっいきれえなひと」
「はっは。そうだろ?我が妻ダリアは世界一綺麗なのだ。宜しく頼むよ」
「あら、貴方だって世界一素敵な人よ」
「ホー兄、ジン兄来たってー」
「今行くー、ごめんエイト。皆との挨拶頼むね」
魔物も獣人も人も皆家族で友達。半信半疑の話で聞くより実際に見た光景の方が信じられない。でも来てよかったと思う。兄妹2人だけでなく他の面々もだ。
こっちに来てから与えられた部屋が変わらずにあることに感謝しつつも見慣れない子供達が孤児院を走り回ってることに気付く。
「アイツから聞いたよ。何やら面白いこと考えてるんだって?」
「別に面白いって訳じゃ。今新しい家族も増えてさ、少し落ち着いたら俺も新大陸って奴を冒険したいんだ。前に兄さんが言ってた宗教戦争?ってのをやってる大陸があるでしょ?カイトがおっきくなった時に、お父さんはこんなことをしたんだぞって言うのを見せたいんだ」
「いいな。俺もそのうち行こうと思ってたんだけどさ、ホーは一緒に行こうって話じゃないんだろ?」
「そうなんだ。兄さんと冒険するのは何かもっと凄いことをしてからかなって、このままじゃ兄さんの後を追うだけなんだ。横に並びたい」
いや、十分にホーは凄い奴だよ。ずっと前からな。でもそんなことを言ったらだめだ。水を差すことになるな。
「その日を楽しみにしてる。俺はホーのことを弟とも友達だと思ってる。けど今からはライバルでもある。お互い負けないように頑張ろうな」
そうして拳を合わせると、聞き慣れない声が後からする。
「よっ、狐の少年。って、もう立派なパパだもんな。実力もあっさり俺を追い抜いていきやがってよ」
軽口の中に優しさが込められている。言ってる本人は山賊顔だけど。頭をワシワシとやられてる、それを出来るくらいの間柄か。嫉妬してないぞ。でも俺もしたい。
「ランスロットさん!頼まれてたの出来ましたよ!」
「済まないな。ってジン・ストレイト様じゃないですか!」
どうやら俺が来る前に面倒見てくれたウバリで数少ない人らしい。屋台の評判も彼が広めてくれたのか。
「ホーは私の弟分でもあるんだ。世話になったみたいだし気軽に接してほしい」
「いえいえ、そんなzzz」
人柄も良さそうだしお礼をしないとな。直径5mm位でいっかな。いきなり強くなり過ぎたらコントロール出来ないだろうし。
(明らかにやり過ぎですので。でも楽しそうだから黙っとくですので)
「すいません!寝ていたようです」
「だから気にしないでくれって。ホーとこれからも宜しく」
「はい!」
「なんか楽しそうだね。やっとこっちに戻ってきたよ」
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