内乱罪
テンションが上がりすぎたドリーを宥めてから魔法の直撃場所まで走ってきた。
大地は抉れてガラス化している。国王ちょっとやりすぎじゃないですか?
気配。どうやら向こうもただやられてたわけじゃないのか。降参するなら命は助けるけどな。一撃で力量差はわかっただろうし。
「ドリー、モユル。来たよ」
ルルナの一声で戦闘モードに切り替わる。常に気を張り続けるのは無理でも今のは油断しすぎだな。まぁ、報告はしないで帰る前の注意で終わらせとくか。
瀕死の自分や味方を回復してもまだ残る魔力。敵ながら素晴らしい。それでも二人には全く敵わない。
3人には敵を殺さず無力化してみろと課題を与えた。俺のようにすぐヘコむ豆腐メンタルな訳じゃない、ただモユルとドリーの夢に人を殺すだけの訓練は必要ない。
殺人は否定はしないけど、それを第1目標にしては人助けなんて出来ないだろうから。
必要なのは取捨選択だ。俺のように人を殺す度に落ち込まないように、目的と理念を持って本当に人を殺さなきゃいけない時にだけやってほしい。俺のエゴで自分の価値観の押しつけなのは理解してる。
「どうやら元国王は一発の魔法で終わりのようかな?」
「ああ、アレを連射されたら少しだけピンチっぽくなってたかも」
明らかな三下臭のする台詞と一緒に出てきた元州知事と取り巻き達。スンピーワの奴はいないけどさっきので死んだか?
「さっさと殺して政権を奪うぞ」
やっと出てきたなクバギス。とりあえずお前らは俺の練習相手だ。攻撃したらすぐ終わりそうだから回避に徹してみるか。
どうにか残り二人で手加減に成功した。避けただけのつもりが音速を越した動きでソニックブームが発生して倒してしまうとは。
「済まないジンよ。残りは私に任せてもらえるか?最後くらいは自ら示さないといけないだろう?」
「はい。宜しくお願いします」
実際に国王が戦うのは初めて見るな。へぇ、レイピアか。似合ってるなぁ。
国王の攻撃は至ってシンプルだ。相手より先に動き、相手の隙を貫く。
殺すならもう10回は出来ているけど、それをしないのは目的があるんだろう。仮にも元州知事だ、何かしらの役には立つ、立つんだろうか?
(バカとハサミは使いようですので)
それにしてもルルナは万が一に備えていつでも動ける準備をしていて、モユルとドリーは戦いに夢中だ。今度ホーのお供でもさせてもらうかな。
いや、子供産まれたばかりだし迷惑か。
(頼んだ方がいいですので)
そっか?まぁ、ヴィティがそういうなら。あっちは上手くやってるかな?
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。




