商売繁盛と不器用の原因
完成から4ヶ月ほど経ったが、
ウバリの孤児院ランドは盛況のようだ。アケドラタツクロがバーリバリ!ウーバリ!という謎のキャッチフレーズを付けたせいだろうか。
前回の反省を活かし、月に6回だけ開園して、人数も入場制限してるとか。
皆には感謝されてるけど精々俺は辞書に付与とゴーレムの手配しかしていない。口を出すだけなら誰でも出来るのだ。実際にメインで作った3人の方が功績がでかい。
「そういえばジンさん!遊園地を作ったときに気が付いたんだけど、手作業でやったことある物と無い物だとアイテムボックスでの作業に差が出たよ!」
流石のメイ達も数日では広大な遊園地を作れず試行錯誤を重ねたらしい。
つまり、俺も最初は手作業で慣れてから何か作ればもう少しまともなのが出来るのか?
アイテムボックスで練習しても上手くならない要因がここにあったか!
「期待し過ぎは駄目なときショックが大きいですので」
「本当にジンさんには感謝しないとね」
「あぁ、あの貴族達の騒動を治めたかと思えば新しい事業をここで始めるなんて」
「しかも、設計図を用意するだけじゃなく、映像を見せてくれて、装置の仕掛けまで説明してくれたのに俺が出来るのはこれくらいって」
「私は少し気持ちはわかるけどジンのは行きすぎかな。
そうそう、アメ、栄光合衆国との貿易の為に、貨幣を新しく作って、ヌイアにもっと流通させたら貨幣の価値が下がってインフレが起きるんじゃ」
「だからこそまずは遊園地のお店で新貨幣の様子を見てるのだろう。あそこは何故かアケドラタツクロ様とセツナ様の作った魔力ネットワークが繋がらないからな」
「あそこはなんていうか、隔絶されてるから」
「向こうの国王も遊園地で楽しんでくれたみたいで良かったわ」
「それにゴーレムもあの森の友魔達を型取った物を作り、将来友魔達に対する拒否感を少しでも減らそうという心配りも凄いな」
「メイのダリアさん型ゴーレムを作るときの気迫でそのこと忘れてたわ」
「あのバジリスクのアバスさんゴーレムなんて、魔力を流したら動く子供用自動馬車にするなんて発想は頼もしいを通り越して末恐ろしい物があるな」
(あっ、それは私達日本の迷い人は、出来る技術があればやると思う)
敢えて口には出さない大人なニーナだ。
「で、久しぶりのランドはどうだった?」
「いや、最高だよ!それにしても出店でのお金の計算や、やり取りはジンの用意してくれた物で助かったよ。バーコードやレジの再現は俺だけだとキツイしね」
「まあ、ゴーレムによる人件費削減と素材の安価提供あってこその賜物だけどな」
値段は細かく刻まず100イェーン単位だ。貨幣の金額対応表も作ってある。計算は商店ギルドから雇えば心配ない。というか、向こうから人材の売り込みに来た。目が怖かったです。
「あの硬貨数えるのも助かったよ」
「高校時代コンビニにいたし、コインカウンターと釣銭選別計算機は、レジ経験ある人間なら常識ですので!」
「「「ですので?」」」
「いや、違うんだ。最近常識チートを頻繁に使ってたから、その、聞きすぎたというか、」
「ジン!俺はそんなこと言われなくても」
「わかってるですので!」
今俺はマイワールドの中だ。ミラもメイもヴィティすらいない。ただただ孤独なんだ。
俺にもそういう時間が必要だ。そろそろ大丈夫かな?
「ジンさん!急に消えるからメイ心配したですので!」
「んもう、メイ?ジンが気にしてること言っちゃ駄目よ?ですので」
「ジンはヴィティにメロメロですので」
「いやー、こんなに笑ったの久しぶりですので!」
「もう、貴方ったらジンさん顔真っ赤になってるですので」
私は貝になりたい。
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