次の街まで
この国栄光合衆国を知るために1度も自宅に帰ってない。まぁ、10日に1回は帰るけど。
アケドラタツクロが、メイドは外が怖くて出れない子が多いから、メイド以外の人と触れ合う機会を増やしてあげてと言われたからだ。
旅をして7日経った夜のこと。特にやましいことはしていないが、いつも通りメイとヴィティ、俺とミラで2個の小屋で野宿をしようとしてたときだ。
(夫婦とはいえ毎日一緒のお風呂がやましくないですので?)
ミラが思い詰めた表情で、
「ねえ?その、せっかく皆で旅行してるんだから今日は皆で寝ない?」
ミラの提案だ。前の時もメイ達が遠慮して別々に寝てたんだよな。前回は半分は自宅に帰りながらだったけど。
「うん!いや、これ以上メイは兄ちゃんとミー姉の邪魔しちゃ」
(絶対乗っちゃいけない!せめて諦めるか納得するまでは兄ちゃんの側を離れたくない)
ジンに目配せをするミラ。遠慮してるメイへの言い訳をすぐに考える。何故かこの手のやり取りでは察しは良いのだ。
こういうのは1回やればなし崩しで行けるものだし。
よし!
「そろそろメイド達に顔を出さなきゃいけないからさ、1度帰ってから俺の魔法実験手伝ってくれない?」
??
ヴィティ以外の2人が首を傾げてる。話に脈絡がないのだ。でも、こういう時のジンの考えは信用してるミラは賛成した。
「マイワールド!」
「あっ!これ!」
「そう!ニーナさんの奴。上手くいってるか試すついでにパジャマパーティーしよう!」
「「パジャマパーティー?」」
「そ!俺の故郷では仲のいい人達で集まって、寝るときの格好しながら部屋で夜通しで遊ぶ楽しいイベント」
(ヴィティ!頼む)
(当然ですので!)
「メイがいると更に楽しいですので!どのみちヴィティは行くからヴィティのお供に来るですので!」
(なんつー誘い方だよ)
「はい!決定!ささ入って入って」
勢いで誤魔化すジン。こういうのは理屈じゃなく雰囲気を制した方が勝ちなのだ。
「ヴィティは2人の料理が食べたいですので!パーティー会場は知ってるヴィティとジンに任せるですので!」
(気付いてるですので?)
(当たり前だ。馬鹿にすんな!遠慮してるメイに気を使ったんだろ?)
(はあ、)
(と、そういう風に俺に見せてミラは何かを考えてる。何かは分かんないけど、分かんないことは分かってる)
(ホンの少し成長してるですので)
(ミラが俺に言わないってことは俺に関してか、ミラ自身の悩みで言い辛いかのどっちかだろ?ヴィティは知ってて言わないんだろ?)
(知りたいですので?)
(俺が自分で気づかなきゃいけないことかだけ)
(ヴィティとミラ様が言わない時点で答え出てますので)
心の中で会話しながら準備は進んでく。娯楽関係はエッゾではボードゲームとカードゲームが盛んなのでジンも購入済だ。
キッチンでの2人
「ねえメイ?」
「はい!」
「そんなに怖がらないで。私今嫌な女なの理解してるから」
「ミー姉。ごめんなさい。悪いのメイです」
「私今でも分かんない。でもこのままでいたら駄目な気がするの。ジンとは夫婦だけど、メイとは家族だから」
「だから、まずはメイ。ジンと少し距離を縮めてみて。もし嫌だったら私から言うから。
もしかしたら、意識してもらえる直前で私が嫌がるかもしれない、それでもよかったらジンに今だけは近づいていいよ」
「ミー姉ありがとう!本当だったらメイミー姉や孤児院の皆から嫌われても仕方ないことしてるのに!でも兄ちゃんのこと好きなの。メイも兄ちゃんのことジンとかジンさんって呼べるようになりたい」
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