君が死んで見る夢は
君が死んでみる夢は
何もない空虚
只々辺り一面に黒が覆い尽くす
その黒は温かい
丸で君のようであるとも錯覚を起こす
ずっとただ、そこにいて、
君の夢をみていたい。
色とりどりのまっすぐに明るい夢は
いつかは黒になる
温かさだけ残して
けれど
いずれはそこに色が戻る
君がいない夢のまま
夢には新たに色が付く
まだ黒のままがいい
それでも明るい夢は待ってはくれない
丸で進め、進め、というかの如く
進みたくない と立ち止まる
けれど後ろから黒も進め、という。
黒い夢はほんの少しの温もりと優しさで
前へと押す
押し出されて黒い夢から抜けると
明るくて、でも、あの温かさはなくて。
いやだ、進みたくないと振り向くと、
黒い夢は微笑んだ。
「大丈夫、消えないよ」
そう言って、黒い夢は…
目がさめるとあの黒い夢は君だったのだ、と思う。
だが暫くすると夢の内容は朧げになってしまった。
君のいない今を、これからを。
泣く事なく、笑われないように。
「進もう」
そう、思えた。
閲覧ありがとうございました。
このお話は、高校時代の友人が亡くなった時に書いたものです。
自分の気持ちの整理も含めて、
ふわっと書かせていただきました。
誰しもこんな気持ちの時があるかもしれません。
こんな話があったなーって思い出すようなお話にできていたら幸いです。