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聖子たちがリーフレスト連邦国へ来た理由

「私たちは、北にあるフラブリー国で魔族の動向を議論し、魔王討伐の作戦を立てていました。その時、このリーフレスト連邦国から援助の申し出があったのです。」

この場合の魔族とは魔物の特徴を持った種族ではなく、魔王の眷属を指す。

「ご存知の通り、フラブリー国へ援助を求めることは魔族関連、又はその国の物理的存続を脅かされる存在が発見された場合です。そして今回の場合は後者でした。そして、その妖刀を再封印または処分することが今の私たちの任務です。」

発見されたのは罪禍(さいか)という名の妖刀らしい。なんでも、その昔、当時のリーフレスト連邦国の範囲を収めていた国の王族を次々と殺害したとか。

村真(ムラマサ)?」

「まぁ、そう思うよね・・・」

二ホン人的感覚でかつて天下を統一した徳河家の人間を次々と殺害した妖刀を思い出してしまった。

聖子が俺と似たようなことを考えたのだろう。うんうんと頷いていた。

「いえ、罪の渦と書いて罪禍(さいか)と読むらしいです。」

「ちょっとまて、ここはエルフの国だぞ?そんな昔の刀が普通残っているのか?」

エルフ的感覚で「その昔」といえば軽く億単位は超えかねない。それほど昔の刀なんかボロボロになっているはずだ。全種族最長命の名は伊達ではない。

「?リーフレスト連邦国はつい5000年前に出来た国ですよ?ですのでそれ以前の話です。当時はまだ人が収めていたらしいですからね。」

聞けば、リーフレスト連邦国は元々人と亜人が共存していたらしい。しかし、当時の魔王との戦闘において身体能力の高い獣人は魔王との戦闘へ向かってしまい、エルフを除く他の亜人たちもちりじりになってしまったらしい。

「ちょい待ち、この国にはエルフ以外の亜人はあまり居ないぞ。何で他の亜人の(くだり)がばっさりカットされているんだ?」

「カット?え、ええっと・・・人族とエルフが残った理由ですが、人族に関しては単純に当時の世界は役立たずという印象があったためそもそも魔王との戦闘に呼ばれなかったらしいです。」

人族カワイソス・・・

「エルフに関しては一部は戦闘に参加したらしいですが、大半のエルフがリーフレスト山脈の険しさを知っていたためわざわざ進んで外へ向かおうとは思わなかった見たいです。わざわざ戦いへ向かうよりはハイエルフの力を用いた結界を張った方が良いとかで現在の大結界が存在するとか・・・亜人たちに関しては正直言って分かりません。資料が存在しないんです・・・」

ああ、確かにあの山脈は魔物を抜きにしてもそれなりに険しかったな。たしかにあの山脈を超えた後にこの国を覆う結界を突破するのは骨が折れそうだ。残った人族に関してはそもそももう結界の外へ出られないと思ったんだろうな。下手をすれば当時の権力者達に駆逐された可能性もあるが、今となってはもう調べられんか。資料が無いみたいだし仕方がないな。

「てことは、古くても5000年前の妖刀なんですね・・・それでも普通錆びついていませんか?よく今まで封印が持ちましたね。」

ルインが質問を入れるが、それをいうなら桜を封印していた草薙の剣はどうなるんだ?

「大抵封印には劣化防止の効果も付いていますからね。」

「なるほど、その妖刀の場所は?」

「こちらから南東方向、リーフレスト連邦国中央区から見て東側に存在する祠から見つかったそうです。」

「場所も分かっているのにどうして未だに放置しているんだ?」

「リーフレスト連邦国に着いた途端、ハーフエルフの里が襲撃されてると聞いたショウコ様が全速力でこちらへ向かって来ていたため対処出来ませんでした。」

「なるほど、それで俺への誤射に繋がるわけか。」

「まだ根に持ってるの!?ねぇおじさん!!」

周りで聖子が何か言っていたが、スルーだスルー。さてと、妖刀か・・・

「それじゃ聖子、後は頼んだ。」

ここは勇者(ショウコ)に丸投げだな。

「え?一緒に来てくれないの?おじさんがいれば百人力なんだけど・・・」

正直言って俺も行きたい。だが、

「悪いが、今回俺は足手まといだ。」

「え?そうなのですか?」

斥候の少女、ガイアがさも以外そうに質問する。他のメンバーもルイン以外は頭に疑問符が浮かんでいるようだ。

「ああ、妖刀相手に毒は聞かないし、桜の効果は非実体な存在にしかほぼ効果が無い。ルインの後方援護も刀程度の大きさのものはそもそも牽制程度にしかならないんだ。スプリウム帝国で使った自爆技を使えば何とかなるが、そうなりゃ援護云々の問題じゃなくなる。敵味方巻き込んでの自爆だからな・・・」

「Hyper plasma Burst(超電子破裂撃)やThe End of The World(世紀末)なら問題ないけど?」

ルインが「私だってこれくらいできる」みたいに自分をアピールする

「あれは俺に向かって撃つ前提だろ。普通の人が当たれば死体も残らんぞ聖子じゃあるまいし、お前まで誤射なんて止めてくれ。」

「あ、一応自分の異常性に気づいてたんだ。」

背景で更に聖子が傷ついて私のライフが云々言っているが、それを言えるほど体力があれば問題ないな。限界は超えるものだ。

「それに、あんなものを地下で使ってみろ。下手したら天井が崩れて全員生き埋めだぞ?」

妖刀を浄化するのはかなり高位の神官でないと無理だ。レベルでいうとⅤ位ないとそもそも妖刀に近づけすら出来んだろうな。その点、あちらには神聖魔法スキルをⅦまで上昇させているセリアがいる(さっき鑑定スキルで確認した)。彼女が居ればパーティにバフをかけて妖刀へ近づくことくらいは出来るだろう。

勿論、ルインのFantasy(光)で浄化自体は出来る。しかし、そうなれば騒ぎになった後に面倒ごとに巻き込まれる予感しかしないので、ここは断固拒否したい。ルインもその辺を感じ取ったのか、Hundred Scope(百発百中)に触れてこなかった。

非常に今更感があるが、別に清は進んで厄介ごとに関わりたいわけじゃない。単に彼がお人好しなだけだ。

「たしかに・・・ルインちゃんの技ってかなり威力あるしね。」

「足手まといがいるよりはいない方が良いだろ?おれも自分の周囲しか守れないからな。」

感覚的な話だが、清の半径10m以内しかタンクの力を発揮できない。大半のタンクが半径30m程度はカバー出来るためどれほどカバー範囲が狭いかが分かるだろう。実際、清から離れた対象の護衛はいつもルインに丸投げしていた。

「ちょっと待ちなさいよ!」

しかし、これに異を唱える人が居た。勇者パーティのタンクのハルキだ。今までずっと沈黙していた彼女だが、ここにきていきなり大声を上げた。

「そんなこと言って、あなた怖いだけじゃないの?」

「否定はしない。」

「否定しなさいよ!!」

やはりハルキは清のことが気に入らないみたいだ。タンクの美学はよく分からん。

「死地に向かう事を楽しいと思うのは変態だけだ。俺はまっとうな精神をしているからな。死地へ進んで飛び込むような愚者じゃない。」

「ムギギギギ・・・」

ハルキが苦虫を噛み潰したような顔をする。奇麗な顔が台無しだぞ・・・

「とにかく、悪いが話はこれで終わりだ。俺はお前たちの足手まといになるつもりはない。」

「ま、まちなさい!」

まだ何かあるのか、早く止めろという視線を聖子達に向けるが、彼女たちは生温かい視線をハルキに向けるだけで止めようとはしない。ルインも何故か呆れた顔をしていた。

「あ、あんたに決闘を申し込むわ!!」

Why?

「どうしてそうなる。俺がその決闘を受ける理由もメリットもないぞ。」

「うっさい!これはタンクの誇りと名誉を賭けた決闘よ!!」

意味が分からん・・・とりあえず、それで納得してくれるなら受けるか?

「分かった分かった・・・その決闘を受けるから俺が勝ったら俺たちはもう行くぞ。」

しつこくて若干イライラしてきた清は投げやりに決闘を受けることにした。

彼らはハーフエルフの里の外にある手ごろな草原へと向かい、そこで決闘を行うことにした。

村正の正の字が「真」になっていたり、徳川家の川の字が「河」になっているのは誤字ではなく、清の世界での呼び名です。


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