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国王様との謁見

大会後、俺達は王都に来ていた国王陛下と謁見することになった。

もちろん謁見前の晩はルインとみっちり常識について一晩みっちりお勉強した。ルインの瞼が半分閉じていたが、精力毒で無理やり開かせた。さすがに王様に合うのに半目は不味いだろ。

因みに謁見する理由は国王騎士への推薦権についてだ。

え?辞退したんじゃないかって?それは飽く迄職員に事態の旨を伝えただけで実際国に対して事態をしたわけではない。

「表を上げよ。強者のエルフよ及びその娘よ。」

現在、俺たちは王室に案内されこの国の国王様と謁見しており、周りにはこの国の貴族がわんさか集まっている。値踏みするような視線をいくらか感じたが、特に気にすることもないのでスルーした。

服装に関してはアイン・アスナン達とみっちり協議してまともなものをこしらえた。

現代の礼服でも普通に着るタキシードをチョイスした。ちょっぴり白いマスカレードマスク付けてキザな台詞言おうかと思ったが、またルインから変な目で見られるだろうから自重した。

「貴公の破天荒さはアストリアン郷から聞いている。なんでもあの豪腕を体術で圧倒したとか。」

「は、ありがたきお言葉お褒めにあずかり光栄でございます。」

あまり得意ではない立場が上の者に対する態度は他の貴族からしたら少しぎこちなかったようだ。ちらっと見た所、アイン・アスナンは肩を震わせていた。因みに、聖子は大会が終わった後すぐ何か緊急の呼び出しがあるとかで北へ向かったため、現在王都にはいない。

「ところで、貴公はエルフなようだが、魔法は使えんのか?」

「使えぬことはございませぬが、純粋な魔術師のエルフと比べると月とスッポンでございます。」

実際、魔法を使うなら俺よりもルインの方が上手い。贔屓目に見ても人族基準で上位に入る位で地球全体を基準にすれば圧倒的に下から数えた方が早いだろう。

「私は基本的に毒術を得意としておりまして、獲物などを仕留める際に麻痺毒などを多用しておりましたところ、魔法はあまり上達しませんでした。」

「なに?お主はエルフなのに肉類を食うのか?」

?エルフがタンパク質を摂取するのが珍しいだろうか?

「ええ。というより、地元のエルフはベジタリアンなんて一人もいませんでしたね。」

その言葉を言った途端会場がざわめいた。

「なんと。エルフはてっきり乳製品や大豆などでしかタンパク質は食わんと思っとったが・・・」

「別に食べられぬわけではございません。ただ単に地元が異色だっただけだと思われます。子供のころに神様の像を汚してはなりませんと母親から教えられるように子供のエルフに肉類を食うなと言われれば子供は信じ、それがのちの世代にも通じます。エルフは寿命が長いですからなおその傾向が強かったのでしょうね。」

「し、しかし。エルフに肉類を出せば生臭いと言われるぞ。」

王様の側近さんが質問をしてきた。

「ええ。実際、十分調理したとしても肉類は多少の生臭さは残ります。しかし、我々にとってはそれは生きている証でもありますので、特に苦はございませぬ。娘はハーフエルフ故に私ほど生臭さは感じぬようですが。」

そこらへんは後付け設定だ。

「そうか、この会の趣旨を脱線させて悪かった。ところで、お主、この国に仕える気はないか?」

意外と直球で来たな。

「申し訳ございませぬがお断りいたします。」

「ほう?我の勧誘を断るか?」

王様がニヤリと悪戯っぽく口角を上げ、側近の人が苦笑していた。他人を揶揄うのが好きな王様なのだろう。だから俺は淡々と真面目に答えた。

「はい。私は亡き妻と約束をいたしました。私が見た美しい世界の景色を娘に見せてやるようにと。そのために私は世界を旅しております。この国に仕えてしまった場合、亡き妻との約束を果たせませぬ故、私はこの国に仕えることは致しません。」

明確な拒絶。普通国王の勧誘を蹴ったら国に喧嘩売ってるようなものだ。実際、俺たちへの敵意や害意が突然増えた。

「そうか。しかし、大決闘大会の優勝者に金だけ与えてそのままというのも国として他国になめられかねぬ。」

まぁそうだろうな。下手したら上げ足を取りまくって薄情な国だといちゃもん付ける奴がいかねん。

「そこでだ、お主を、士爵へ任命する。準貴族故に国から給料などは出ぬが、この国の中では税金は幅広く免除され、貴族が被る義務もない。各地域を移動するお主には悪くない話だと思うが?」

ここで拒否して更に面倒なことになってほしくまない。

「「謹んでお受けいたします。国王陛下。」」

何気に娘という理由でずっと静観していたルインが初めて言葉を発した。

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