破壊神VS守護者 その②と困った娘
あり得ない・・・そう言いたかった。だって、常人ならすぐ黒焦げになる落雷浴びて目の網膜を負傷しただけって・・・さすがに頭おかしいとしか思えなかった。でも、切り札はまだある。というか、もうこれしかない。流石にキヨシのぶっ飛んだ防御力を突破できるのは技が限られるし。
「Ocean(水)!!」
とりあえず、一時的に動きを止める為に大量の水を叩き込んだ。
「猛毒壁!!」
あわよくば場外にたたき出そうと思ったけど、やっぱり甘かったか。まぁいい。
「Beam Saber(光子剣)!!Azure Dragon(蒼帝)!!」
ルインの両手が光輝く刃へと変化し、続いてルインの幻影がいくつも現れ、迫って来た。
「毒弾乱射!!」
俺はとりあえず全ての幻影に向かって麻痺毒を乱射した。結果、全て着弾せずに通過していった。おかしい。さっきの腕を刃にする技は俺を害せる数少ない技だったはず。だが、単なる幻影を出すならともかく、それら全てに実体がないってことは、ルインはどこに・・・
途端、久しぶりに感じる冷たい汗が流れた。原因は上空だ!!
「ルイン、お前・・・」
ぱっと見ただけわかる。あれは、冗談抜きで命を削る技だ。
「Big Bang(超新星爆発)!!」
私の周りに獄炎が集まり、エネルギーを貯める。完全に発動すれば、私のこの肉体は消えるだろうけど、そもそも肉体は飽く迄精神を留めるための依り代なため、特に気にはしない。
清が何か言っているが、私は何も答えない。というより、何か答えようにも爆音で遮られてしまう。
「おいルイン!!ここら一体諸共消し炭にするつもりか!!」
「・・・」
ルインに説教をするも、返事はないこのままだと、半径6キロ圏内に大きなクレーターが出来るだろう。正直、俺も無事では済まない。となると、まだ発動準備中の今無理やり中止させるしかない。
「毒鎧!毒翼!悪食盾!!」
俺は耐火の毒で作った鎧と翼でルインのいるだろう中心へ突っ込む。悪食盾を正面に構えてかなり消せる。それでも、飽く迄耐火なため、完全には炎の威力を殺しきれない。
「着火毒爆弾!!」
俺は体の一部を徐々に爆破させてゆき、作られた空間へ突っ込んでいった。それを何度かしていった結果、ルインのいる中心へとたどり着いた。
「毒槍!」
俺は最も精密性の高い攻撃手段を用いてまだ残るルインの肉体に麻痺毒と蘇生毒、そして治癒毒を混ぜた毒槍をルインに叩き込む。結果、ルインは気絶して地面に落ちていった。だが、ルインが気絶しても残ったこのエネルギーを消さない限り結局爆発は起こる。所詮は威力が下がる程度だ
「毒監獄!」
俺はとりあえずルインを毒監獄に閉じ込め、地上へ送る。最後のシメだ。
「猛毒壁!着火毒爆弾!!」
俺は自らの胸部を砕き、未だ存在し続ける膨大なエネルギー塊へ突進して爆発させた。結果、俺が自ら起こした爆風でエネルギーを全て上空へ吹き飛ばした。ちゃんと上空へエネルギーが向かうように観客席への防御も含めて壁を作っていたから問題ない。
「ドゴォォォォォォォォォォン!!!!!」
結果、壮大な爆音。そして、爆発の際の煙で辺り一面が包まれた。
煙が晴れた後、会場には気絶した満身創痍のルインとルインを抱きしめている清の姿があった。
え?何故自爆したのに無事だったかって?無理やり自分の脳とDNAを毒の塊に写して地面に落とした後に肉体を爆発させたからですが何か?
「しょ、勝者、異常な防御力をほこる驚異のエルフ。キヨシ・ヒダカ!!終始その圧倒的な防御力を突破できるものは、この世に存在するのかぁぁぁ?」
その後表彰式などいろいろあったが、ルインの事が心配だったので、足早に宿をとってルインが目覚めるのを待った。
「う、うぅぅぅ・・・」
「お、ルイン起きたか?」
「あ、れ?お父さん?」
とりあえず寝起きの娘の頭に俺は無言で拳骨を落とした。まるで漫画の様な星が現れた。
「痛った~い・・・何するのよお父さん・・・」
苦痛で頭を抑える我が娘。外見は可愛いが容赦はしない。
「何するって?それはこっちのセリフだ!お前あのまま町もろとも吹き飛ばすつもりだったろ!」
あの最後のルインの自爆技。俺が止めなくては贔屓目に見ても王都は確実に消し飛んでた。
「え?だってあの大会って、倒すためには手段は問わないって書いてあったよ。」
「それでも限度がある。あの場合の手段は問わないってのは、飽く迄無茶な身体強化や極大魔法レベル!どの世界に大会で戦術級の広範囲殲滅技を叩き込む馬鹿がいる。放任主義をしていた俺が言えた義理じゃないが、そこら辺考えてなかったのか?」
「だって私初めてだし。」
「あの伎が成功していたらどれくらいの死者が出たと思う。人の営みを見ようにもその営みすらも木端微塵に吹き飛ぶわ!!まさか他にもやばい価値観ないだろうな・・・」
俺はジト目でルインを見た。
「・・・例えば?」
「そうだな・・・そこら辺にいる雑魚に上級魔法レベルの魔法ぶちかましたり、戦闘訓練で山を消し飛ばす技使ったり、後は雑魚をあしらう際に手加減を一切しなかったり。」
「え?全部だめだったの!?」
「ヲイ・・・」
「だ、だって・・・分からないのを聞こうにも聞ける人がいないし・・・そもそもキヨシに聞いてまともな答えが返ってくるかは分からないし・・・」
ああ、そういえば。こいつ同僚たちの中でずっと一人研修生だったな。人に聞けない癖でも付いてんのか?そもそも、ルインの「自分でやる」を真に受けてほぼ静観していた俺にも責任はあるしな。
「決めたぞ。これから、分からないことは必ず俺に聞け。自分の考えだけで突っ走るな。絶対やばいことになるから・・・」
「・・・まともな答え出してよ・・・」
「まともじゃないときはふざけてる時かどうでもいい時だ。前者の場合はすぐに訂正するようにする。また自分の身を自爆させて事態を収拾するのごめんだしな。」
「うう・・・ごめんなさい・・・」
ルインはしゅんと項垂れてしまった。とりあえず、この話はこれで終わりだな。
「あ、そういえばお父さん。」
「ん?何だ?」
「大会の推薦権結局どうしたの?」
「辞退したに決まってんだろ。言い訳は『亡き妻』との約束だよ。」
結果金貨100枚を報酬に貰って、特にいざこざもなかった。一部の派手な服を着た貴族からはやっかみのような視線を受けたが、ルインのことを言い訳にすぐにその場を後にしたからその後の事は知らん。
というより、そもそも国家騎士へなるなら普通に試験を受けた方が良い。大会の後知ったことだが、推薦されても実際に国家騎士になれる確率は1割未満で、毎年ある試験の方が合格率は高いらしい。そりゃそうだ。ちゃんとふるいにかけてない存在を即決するわけもない。第一、王都の評判を聞く限り、「国家騎士」というのは国のために活動する騎士たちの総称でそれぞれの長所を利用し、短所を補い合って活動している。強いけど我が強い奴よりは力はなくても場を和ませてくれたり、皆を纏めてくれたり民のために戦ってくれる人を選ぶ。命令を無視したり守るべきものを守らない奴は害悪以外何物でもない。もっとも、これが俺の我儘で実際は賄賂とかが横行している可能性もあるが、そこまで足を突っ込む気は毛頭ない。
その話をしたら、ルインの瞳が驚愕に染まった。
「どうした?」
「お、お父さんがそんなまともな言い訳を考えられるなんて・・・」
「お前もう一つ頭にたんこぶが欲しいか?」
「ごめんなさい・・・」
まったく、困った娘だ。
Ocean(水)
水中での自由自在な移動を可能とする
また、陸上であろうと津波を発生させるただし、この津波は魔力で海水を作っているので塩害は起きないし使用者の意思で自在に操れるため壊したくない者は完全に素通りする
津波を発動する際、近くに水があると消費魔力が減る
水属性は付与されてなくても純粋な水の圧力で圧殺可能。
水が入っていればなんでも操れるが水がなければ操れない
塩酸は操れるが水銀は操れない
任意に水属性を対象に付与出来る
猛毒壁
対象の周りを囲む毒の壁を作る。
毒監獄の下位互換だが、防御力だけは高い。
Beam Saber(光子剣)
Fantasy(光),Heat(火),Ice(熱),Saber(斬撃),Xanadu(桃源郷)の力を内包した技
スター〇ォーズのアレ。実際は、腕に持った物体に魔力を流してライ〇セイバーもどきになってるだけ。流した魔力の波長により刃の色が変わる。なお、切れ味を上げたり、刃を光らせるには普通に魔力を流すだけでできるが、効率が悪く、実践向きでは全然ない。その点、この技は効率が雲泥の差。
Azure Dragon(蒼帝)
Ocean,Saber,Unicornの複合技
空気中に実体のない自信の幻影を大量に投影できる。
高山病への強い耐性を与える
Big Bang(超新星爆発)
Dark(闇),Eternal(永遠),Fantasy(光),Heat(火),Ice(熱),Metal(大地),Ocean(水),Xanadu(桃源郷),Yesterday(時間逆行),Zone(空間)の力を内包した技
体力ではなく命を代償に爆発的なエネルギーを作る。
発動が成功したら、辺り一面が焼け野原になる。
大決闘大会出場
天災親子優勝
必殺、卓袱台返し炸裂。
着火毒爆弾
対象にしがみつき、自身の胸を思いっきり叩くことで体内の毒に着火し大爆発を起こす自爆技。
なお、自爆してもスライムのように元に戻るため問題ない。
毒槍
近距離攻撃の中で最も精密性の高い攻撃手段




