ステータスを確認してみました。
なんかどこかで脱線しちゃいそうで怖いんですけど!
王様の衝撃の発言の後、夢か現実かほっぺをつねったり近くの騎士をぶっ飛ばしたりして検証してみた結果、どうやら本当に現実であるということが分かった。すると今度、俺は少し興奮した。だって異世界だよ?俺は勇者だし、テンプレで行くなら俺TUEEEしたりしちゃうんでしょ!?久々に厨二心がくすぐられたが、なんとか抑制に成功した。
「では、勇者様。ステータスを確認してみてください。"ステータス表示"と声に出して頂けば分かります。」
今度は王様ではなく、隣にいた参謀らしき人からそう言われた。
ああ〜やっぱステータスってあるんだーと心の中でどこか他人事のように呟きながら、ステータス表示の魔法を使ってみると、目の前に半透明なスクリーンのようなものが出てきて、ステータスが表示された。
名前:假谷成
LV:1
職業:勇者
年齢:20
HP:1000
MP1000
攻撃力:2000
防御力:1000
魔力:1000
知力:1000
敏捷:1000
スキル:社畜の意地、感覚強化
......ん?なんか超平凡じゃね?てか何だよ『社畜の意地』って。確かに社畜ではあったけど、スキルに反映されるくらいヤバかったのか?しかも若返ってるし、前の世界じゃ28だったんだが。うーん、分からん。攻撃力だけ多いのは、多分昔空手をやっていたからだろう。筋トレもしてるし。
そんな事を考えていると、
「分かりましたか?」
と、若干引きつった笑みを浮かべて参謀らしき人が問いかけてくる。
それを怪訝に思い、周りを見てみると、その場にいた全員の表情が引きつっていた。
「あの、なんか平凡な気がしてならないんですが、どうなんですか?」
何となく居心地が悪くなったので、聞いてみた。
「いいえ、あなたのステータスは、歴代勇者様の中ではぶっちぎりで凄いです。普通は全ての値で0がもう1つ少ないんですが。」
おお!これはまさかチート能力ってやつ!?でもスキルの意味がわからんな、聞いてみよう。
「スキルの詳細って分かるんですか?」
「はい。スキルをタッチしてみてください。」
言われるままにやってみた。すると–––––
スキル:社畜の意地
効果:働けば働くほど、レベルアップした時のステータス増加量が増加する。
わぁ〜お。何このスキル、ぶっ壊れじゃない?どれ、『感覚強化』も見てみよう。
スキル:感覚強化
効果:全ての感覚が強化される。
名前のまんまじゃねーかっ!説明不足にも程があるだろ!...まあいい、実戦で使ってみるか。
「それでは勇者様。この国の現状をお話ししましょう。」
王様からそう厳かに告げられた。
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