プロローグ
どうも、初めましての方は初めまして、そうでない方は、いつもお世話になって居ります。
鎌滝ノ介と申します。
普段はハイファンタジー小説『《勇者》ト《眷属》ノ物語』を連載しております。
今回ずっと書こう書こうと思っていた、VRMMORPGに挑戦したく思い、今回の連載を始めました。楽しんでいただけると幸いです。
後書きに『《勇者》ト《眷属》ノ物語』のURLも載せていますので、もし良ければどうぞ。
では、いざ本編へ!
――西暦2000年代前半。VR元年と称されるこの時代から、10年20年と時間を経れば、技術革新は眼を見張るほど素早く行われていったと言っても、当時から知る人間からすれば驚く事ではないだろう。
ただ視覚と聴覚のみで、少し風変わりなコントローラーを持つ。そのレベルだったゲームが、いつしか完全没入型に様変わりするのは、想像していたよりずっと早かった。
創作物の中でしか見る事の許されなかった、意識と感覚を完全に電子の海に投げ出せるゲームとなれば、それが流行していくのも当然っだろう。
会社通いしている中年も、小学生に上がったばかりの少年も。
年齢性別立場をまるで区別する事なく、VRゲームはもはや世界で一番ポピュラーな娯楽だといっても過言ではない地位を獲得していた。
当然だろう。特殊なヘルメットを被れば、現実とは違う世界、現実とは違う自分の生活を思いっきり楽しむ事が出来るのだから。
そこに、隆盛の頂点に君臨するMMORPGが存在した。
【ファンタジア・ゲート】
『未知の世界を開拓せよ』という謳い文句と共に現れたこのゲームは、従来様々なシステムに縛られるVRゲームの常識を一変させた。
キャラクターレベルなどのポピュラーなシステムを廃止し、スキル制、しかも技などを自分で作り出すというまるで本物の『ファンタジー世界』にいるような世界は、ゲーマー全てを魅了した。
勿論、システムアシストがあまり無いが故に、並みのプレイヤーではついていくのも難しいものだったが、既にVRゲームというものに親しみを持っていた若者を中心に爆発的な人気を博する。
プレイヤー人口は10万人に昇り、VRMMORPGの中でも最大手となっていた。
それだけ人気のゲームであれば、当然一人のプレイヤーとして、あるいはギルドという組織として頂点を目指す者も多く、中にはゲームという壁を飛び越え有名になるプレイヤーも存在した。
そんな【ファンタジア・ゲート】の中でも、異彩を放つギルドが存在する。
《嘲笑う鬼火》
装備の何処かに意地の悪い笑みを浮かべた炎の紋章を背負うそのギルドは、二つの顔があった。
GvG《ギルド間戦争》やギルド専用クエスト、イベントクエストなどに様々な戦いに助っ人として参戦、あるいは率先して戦いに出る、傭兵ギルドとしての側面。
その姿は、まさに一騎当千。
トリッキーな戦闘であればあるほど難易度が上がる【ファンタジア・ゲート】であっても強力な戦力を持ち、たった13人のギルドでは倒せないようなモンスターを屠り、イベントをクリアしていった。
そしてもう一つは、お騒がせギルドとしての側面。
『強制猫耳事件』、『長大モンスタートレイン事件』、『残念なホワイトクリスマス事件』、『バグのっぺらぼう事件』などなど、やらかした事件は枚挙に暇がない。
終いにはイベントボスをメイドにした、《嘲笑う鬼火》案件専用のGMが存在する、本来干渉出来ない地形に影響を与えた、ギルマスは酔っ払うとセクハラにならないのをいい事に女性キャラの胸を揉みしだく、といった、事実かも分からない噂が広がっていた。
良くも悪くも、彼等は【ファンタジア・ゲート】を代表するプレイヤーであると同時に、ギルドだった。
――しかしその噂も一年前から、パタリと止む事になる。
休む事なく活動を続けていた彼等に、多くのプレイヤーが死亡説やとうとうGMから垢BANを食らった、秘密の長大クエストに挑んでいるなどと噂をするが、情報が無さすぎる所為で、それも徐々に終息していった。
『きっと解散したんだろう』『もう戻っては来ないのだろう』
安堵半分、寂しさ半分で古参のプレイヤー達は語る。
――しかし、数少ないトッププレイヤー、トップギルドの長達は語る。
『彼等がいなくなる筈がない』と。
プレイヤーと呼ぶにはあまりにも倒錯し、それに命を懸けているが如き姿勢を知っている人々は今も、彼等が戻ってくるとどこかで信じていた。
今日は3回投稿を行いたいと思います。
1回目、2回目は連続で、3回目は本日21時に投稿、それ以降は1ヵ月、1日2回投稿を心がけたいと思います。
どうかこれからも末永く、よろしくお願いします。
《勇者》ト《眷属》ノ物語もよろしくお願いします!
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