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室町っく・わーるど  作者: 勒野宇流
室町八代将軍・足利義政って
10/27

第2章の(4)


「何言ってんのってなぁカスピ、時間を超えたんだぞ! どうしてこんな大それたことをさ、そんなに平然と話せんの?」


「そうねぇ。わたしは何度も行ってるからね。初めてだもんね、渓市は」


「それも、なぁんの説明もなく、な」


「ア、ハハハ」


「笑ってごまかすなよ」


 渓市は腕組みして睨みつけた。


「いや、あの、ホントのこと言ったら行かないって言うかなって思って……」


「ふーん。だから騙まし討ちか」


「ごめんね。でもちゃんと帰ってきたからいいじゃん」


「帰って来れた、来れないの問題じゃないだろ!」


「ごめーん」


 カスピが深々と頭を下げる。


「でもカスピのことだから、最初に行ったときさぁ、今のおれほどおかしくはならなかったんだろ?」


「うーん、そうかな。わたしもかなりビックリしちゃったんだけどね。ところでよっちゃん、じゃなかった、将軍さんのこと教えてよ。渓市、詳しく知ってんでしょ」


「えっ、知ってるって言ったって、本で読んだだけで、対面したのはさっきが初めてだし……」


「そんなの当たり前でしょ、私たちよりずっと昔の人なんだから。いいのいいの本に書いてある一般的なことで。歴史上どういう人だったの?」


「知らないの?」


「うん。なぁんにも知らない。将軍っていうからには、戦国時代の武士なんでしょ?」


「いや、違う」


「へぇ、戦国時代以外にも武士とか将軍とかいたんだ。でも、そうよねぇ。だってよっちゃん、室町時代って言ってたもんね」


「カスピさぁ、文系だろ。大学受験、大丈夫?」


「はいはい、今はそのこと話してんじゃないでしょ。そっちの方はなんとかしますから。それでどうぞ、お願いですから今はヨシマサ将軍のこと教えてください」


 カスピはぺこりと頭を下げた。



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