詩 凍えた大地と温もりの在りか
(凍えた大地に温もりを 太陽の光よ 恵みをこの地に)
ある所に 氷に閉ざされた大地があった
そこに住む人々は 長い間 温もりを知らずに育った
(太陽 それは遥か古の神話の存在 作られた想像の産物である)
ある時 一人の少年が どこからか太陽の恵みを持ち帰る
わずかばかりの温もりであったそれは 人々を大いに驚かせた
(凍えた大地は溶け 人々は温もりの存在を知った)
今までに 多くの者達が恵みの在りかを探し 求めた
けれど いくら探そうともどこにも見つける事ができない
探し当てる事ができない
だから 人々は悲嘆にくれるしかなかった
しかし 少年は言う
諦めなかったその 一人の少年は
「温もりを見つけるためには 凍えた心を温めなければならない」
あがき続ける中で
知った事を 気づいた事を
大地を思いやり 言葉をかける
たったそれだけで良かったのだと
(人々は大地に語りかけた)
(一つ 二つと 声は温もりとなり大地の深く深くに沁み渡っていった)
少年は言う
温もりは探し求めるものではない
誰も彼もが持ち合わせているもの
心の奥深く
ただそこに在るものなのだと