クラス分け
今日で入学試験も終わりクラス分けが始まった。当然、この会議は理事長の私、セリア バーンも参加する。
「今年は教師相手に勝利したのが30人。豊作ですね。」
「まったくですね。弱体化魔法をかけていたとは言え例年は10人くらいなのにな。」
「この子なんかステータス、すごいですよ。あの歳でこのステータスとは将来が楽しみだ。」
「こっちの子も中々。」
教師たちは会議を始めると早速評価に移った。まずは教師に勝った生徒の評価をするようだ。
「おい、これ見てみろ。こいつも教師に勝った奴らしいがステータスがおかしい。」
私はその教師が見せたステータスを見て笑ってしまった。
名前 ゼロ
レベル 38
ジョブ
HP 43
MP 58
STR 32
DEF 34
AGI 50
INT 48
スキル
称号
明らかにおかしいステータスだ。恐らくは隠蔽のスキルを使ったのだろう。当然他の教師もそれを疑った。特に対戦した先生からすればあり得ないと思わせるステータスだ。
「ドルア先生、彼はどの程度の実力でしたか?」
「・・・分かりません。」
「は?イヤイヤ、ドルア先生、彼の試験したんでしょう?」
「何も分からず気づいたら負けていました。」
「「「「っ!!!」」」
「恐らく、全力でやっても勝てないでしょう。」
私以外の全員が息を飲んだ。ドルアは教師の中では強くは無いが弱くもない、平均的な実力とはいえ教師になれるのは実力がある程度認められたものだ。その中の平均値が低いわけがない。そのくらいの実力を持つ先生が何をされたのか分からなかったのだ。言葉を失うのは当然である。
「しかし、彼のクラスはどうしますか?」
「やはりAクラスでしょうね。隠蔽していると見て間違えない。」
「しかし、他のAクラスは貴族だけだろ?そんな中に平民のこいつを入れるとハブられるだろ。」
平民と貴族の主な見分け方は苗字の有無である。ゼロは正式にバーン家に籍を置いているわけではないから平民という扱いになっている。
「しかし、実力的には今年、1番かもしれないのだろう?」
1番に決まっている、と私は思ったが口にはせずに提案することにした。
「Dクラスでどうだ?ステータスを隠すということは実力を隠したいということ。無闇に突いて彼を暴走させたくない。下手したら教師に勝てるかもしれない生徒だ。ここは穏便にすべきだろう。」
「いや、しかし・・・。」
この後にも会話は続いた。
家に帰り、ゼロにステータスを見せてもらった。
この子、強すぎだ。
短く大変申し訳ありません。シルバーウィーク中に可能ならもう一度投稿しようかと考えておりますのでその時はよろしくお願いします。