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ちさ×ちさ    作者: といろ
2/3

鈴村怜奈

「………ッ!?」


なぜ朝会ったという事だけでこれほどまでに顔をひきつらせているのか千郷はまったく理解ができなかった。

「おーっす千郷また10組もあるのにまた同じクラスだな」

突然後ろから話しかけられた。声で誰なのかがすぐにわかった。

「おっす悠」

1年の時も一緒のクラスで自分と同じ陸上部に入っている小野原悠太だ。

身長は160cmほどの小柄な体だが千郷と違い勉強ができる。陸上では千郷には及ばないが毎日のように居残り練習やストレッチを欠かさない努力のできるやつだ。


「いつもながら眠そうにしてるなぁ、何見てたの?」


悠太から目を離しチラっと女の子の方へ目を向けるが表情は戻っており、普通に女子どうしで会話を楽しんでいた。


「あー、あそこの廊下にいる茶髪で髪が長い女の子いるだろ?あの人って誰だっけって」

「え?茶髪の髪が長い子って雨宮でしょ?千郷…そんなことも知らないくらい頭の中筋肉でいっぱいなの?」

ひどい言われようだ。

悠から聞いた話だとこうらしい。

たしかにうちの高校は人もクラスも多くて知らない人がたくさんいるのは普通らしい。

だが雨宮千咲、とかいう女の子だけは1年の間で、というよりこの学校で知らない人はいない、というくらいの有名人らしい。

理由といえばまず最初に可愛いから。たしかに他人にあまり興味をもたない俺も朝少しの間だが見惚れてしまうという出来事があったので大袈裟…というわけではないんだろう。

二つめに頭が良い。一年のときから学年トップをぶっちぎりで保守しているらしい。さらには人望も厚く他の生徒から質問されたりする事も多いらしい。

三つめに生徒会に入っている。らしい。

ここ平松高校では生徒会の役割を上級生だけではなく1年生でもやることができる。

ただ各学年400人以上の人の中から1年生どころか2年生が役員を務める事も稀らしい。

そんな中、1年生で役員に当選したのが雨宮千咲である。たしか1年の時総選挙なるものが体育館であった気がするが一人目で熟睡してしまい。投票も適当に書いたため名前などまったく見ていなかった。

ざっと解説するとこんな事があり学校で知らぬ者なしと言われるほどであった。

すごい人だったんだなぁ、と考えてから悠太の方向き直るとそこには尋常ではないほどニヤニヤとした顔があった。


「な、なんだよ」

「いやぁ、あの千郷がねぇ…やっと他人に興味を持ってくれたかぁ。あ、でも雨宮さんはちょっと厳しくない?」

「は?いや別に雨宮の事どうこう思ってるわけじゃないよ。それに俺…」

と、言いかけて口籠ると察したように悠太が言う


「あー、そっかそっか千郷は鈴村一筋だったね」

「……」

確信をつかれ少し顔を赤らめ下を向く。

「でも、自分から話しかけれないんだよねー、中学から好きなくせに」

無意識なのか胸にくる一言をもらってしまいずぅーんと落ち込む

そんな千郷の様子を見て悠太はあははっと笑う。

「ごめんってー、まぁでも一筋なのはいいと思うよ。鈴村ともその内仲良くなれるって!」


「ん?なになにー?私の話?」


突如悠太の後ろから声が聞こえる。びっくりして後ろを振り返ると


「わあ!?鈴村!?」


少し大袈裟に悠太は驚く。


「あれ、鈴村って聞こえたから私の事かと思ったけど…人違いだったか。まあ人いっぱいいるもんね」


えへへっと笑う鈴村に悠太は続けてこう言った


「あー、いやそう鈴村だよ。鈴村怜奈。」

自分の名前を出され「あ、やっぱり~?」と笑顔を作る。可愛い。


「それで何の話してたの?」

と、首を傾げて聞いてくる。

まさか鈴村の事が好きなんだって話をしてたなんて言えるはずもなく、言いよどんでしまう。


鈴村怜奈。中学1年の時、隣りの席になったことがある。特別何かあったというわけではないが綺麗な顔立ちや明るい性格に惹かれていった。

少し顔を上げ横に並んだ鈴村と悠太を見る。

身長は悠太とほぼ同じくらいであろうスラッとした何というか女性!って感じのスタイルである。

中学の時は少し長めの黒髪で後ろで一つ結びをしていたが高校に入ってからは肩くらいまで切ったみたいだった。

前髪もずっと切り揃えていて――――


「あれ、鈴村前髪少し切った?」


なぜか思ったことをそのまま喋ってしまっていた。

すると「えぇ!」と鈴村が声を出す。


「誰も気づいてくれなかったのによく気が付いたねー!千郷君って以外と繊細なのかな?」

以外って言われた。

ニヤけそうになるのを必死に抑え込む。悠太の方を向けば「どんだけ鈴村の事見てんの…」と若干引かれていた。

すると前から横に鈴村が移動してきて続ける。


「でもさー誰も気づいてくれなかったけど切りすぎたかなぁーとかちょっと思ってたんだよね」

「い、いやそんなことないんじゃないか?似合ってると思うぞ…」


前髪を指先でいじっている鈴村に対し反射的に答えてしまった。しかも最後らへん恥ずかしくて小声になってしまった。

内心恥ずかしくてたまらない千郷とは逆にまったく気にしていないように鈴村は話しを続ける。


「そっかぁ…そうかなぁ」

「う、うん」

「うーん、そうだよね。なんか似合ってる気がしてきた」


ありがと、という言葉とともに笑顔を向けてくる鈴村。めっちゃ可愛い。

会話に夢中になっていた時、一限目の授業の始まる予鈴が鳴る。


「あ、もう授業始まる時間なんだ」


と言って鈴村は立ち上がり最後にこう言った。


「これから1年間よろしくね。千郷君、小野原君」


と言って手をふり自分の右斜め前の席に座る。

千郷は先ほど言われた言葉を思い出す。一年間よろしくね。

始業式、卵は焦がし学校には遅刻しと最悪な日だと思っていたが鈴村の一言で最高の日へと変わっていった。


自分の二つ前の席に戻ろうとする悠太は「以外と早く仲良くなれそうだね」とニヤニヤとしながら言って自分の席えと戻っていった。

好きな子って目を合わすだけでドキドキするよねー。

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