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花は花に、鳥は鳥に。  作者: まめ太
飛び立つ鳥
97/124

6-6

 平井君の、お酒の進むペースは速かった。

 わたしが一杯呑む間に二杯空けていた。

「アイツ、腹の底では俺のことが気に食わんかったんやと思います。友達やて思ってたのは、俺だけで。」

 半分ヤケのような口調で、本音が滑り出した。

 同時にわたしは、嫌な予感を感じて動揺していた。


「そんなの、解かんないわよ。本人に聞いたわけじゃないでしょ、」

「それはそうやけど……。聞かんでも解かる部分って、あるやないですか。友達のカノジョって解かって盗るって、そういう事やと思いません?」

 口をついて出た言葉は、今まで話した中のどんな言葉よりも強かった。

 ずっと、彼を縛り続けている事実。

 彼の本音。

 ふてくされたような、愚痴のような言葉は、またわたしの心の傷を抉った。

 そうじゃない、わたしは心の中だけで叫んでいた。


 助けてほしい、

 誰か、この状況をなんとかして。

 何を言っても言い訳にしかならなくて、何をどう言えばいいかも解からない。

 そうじゃないの、解かってほしい。

 誰に?


 わたしは下唇を噛みしめて、泣きそうな声で愚痴を言い続ける目の前の男を見ていた。

 堰を切ったように、後から後から沸き上がる言葉の波が、容赦なくわたしの頭上から被さった。

 親友だと思っていた者が、今、得体の知れない何かにすり替わって、彼を苦しめている。


「俺のせいかと自分を責めたりすんのももう疲れました。アイツに腹立てたり、理由を考えたり……、何度、問い質そうかと思ったや知れまへん。そのたんびに、聞いてどうなるもんやないって、諦めて、」

 わたしが犯した罪が、どれほど重いものかを彼はわたしに告げていた。

 わたしも同じ罪人だと知らずに。

 わたしはこんなに酷いことをしたのだと、打ちのめされた彼の姿が突きつけていた。




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