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花は花に、鳥は鳥に。  作者: まめ太
酒と会話と男と女
31/124

5-3

 世の中は、不倫を肯定する人が少なくない。

 わたしは否定派だ。

 肯定派は、裏切りに対して罪悪感が薄いんだろうと思ってる。

 もっと言えば、思いやりが少ないエゴイストなんだろうと思ってる。

 さらに言えば、自分の欲望もコントロール出来ない弱い人間だと思ってる。

 バレなければいいという考えは、恥ずべき思考だと思っている。


 問題は、わたしがそう思ってもカレシはそうは思っていなさそうな点だ。

 いや、思ってんのかな。

「悪いと思ってやるのは、あれはなんなんでしょうねぇ。課長。」

「嫌味か。」

 さすがに鋭い。浮気心を指摘されたと見抜いて、課長は嫌な顔をした。

「は? なんの事です?」

 わたしは即座にトボケてみせて、違うたとえ話を持ち出した。

「そうじゃなくって、例えば人間関係とかで、同じ失敗ばっかりする人っているじゃないですか。仕事でも、同じ間違いばかり犯す人。迷惑かけまくる人。」

 頭で想像を巡らせているのか、課長の視線は宙を泳ぐ。

 誰かを思い浮かべて、うん、と頷いた。

「課長の部下にも居ませんか? 個々のケースは違えど、根本原因は同じってヒト。根本が間違っているから、同じ失敗を懲りずに繰り返す人。なんだかなー、っていう、」

 

「そりゃあ、お前。」

 課長はちょっと勿体付けて、一呼吸置いた。

「バカなんだから、仕方ないだろう。」

 言い切ってしまったよ。あらら。

 わたしが不倫や二股に掛けて言ったことを承知で答えたんだろうか。

 違うんだろうか。

「けどなぁ、美作。失敗した本人だって、そういう自分を嫌だと思っているもんなんだぞ。」

 思いがけずで、ずしりと胸にきた。



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