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第一話「貫け、俺のインパクト・ドライブ!」(7)

タケルの放った最後の一撃は、完全にナックルロックディザスターを撃滅した。

明るさを増した陽光に照らされ、背後に長く伸びたタケルの影の中で、眼球は内部に集束して消えた。

自らのコアを失ったナックルロックディザスターは、元の(とは言え位置は変わってしまったが)ナックルロックに戻り、山頂に鎮座した。


鎧化していたインパクト・ドライバーは元の伝導光具に戻り、タケルも攻撃の撃ち終わりの姿勢を解いて、拳をほどいた。

その手のひらには、親指ほどの大きさの物があった。

金属なのか鉱石なのかさえ定かではなく、表面は透明感があり、内部に紅色のモヤの様な物が絶えず動いている。

しかし、そこに邪悪の様相はない。

ナックルロックディザスターのコア、というよりも、これこそが、役目を終えた「ビット」なのだなと、タケルには自然に感じられた。


宿屋の旦那を迎えに行き、昼頃になってようやくドリアドに戻った。

宿屋では女将さんに出迎えられたが、旦那の無事を確認し、その顛末を他ならぬ旦那自身の口から聞かされた女将に熱烈に感謝された。


「悪ぃ女将さん、とりあえずもう一泊させてくれよ。俺、眠ぃしクッタクタだぜ」


とのタケルの言葉に、とびきりの部屋が用意されたのは言うまでもない。


翌朝、旅支度を済ませ、階下に降りると、宿屋夫妻が出迎えてくれた。


「ありがとう、いくらだい?」

タケルが言う。

「馬鹿を言うんじゃないよ、あんたから金なんて取れないよ!」

「そうさ、なんせ俺の命の恩人さんだからな」

「そういう訳には……」

口籠るタケルに、夫妻は頑として金は受け取らないと言う。

それどころか、旅の間にと豪勢な弁当まで持たせてくれた。

根負けした、タケルにはせいぜい

「次に来た時には払うよ」

と肩を竦めて苦笑いする事しか出来なかった。


「ああ、またおいで。そん時には、今度こそ腹いっぱい、ウチのシチューをお食べよ、そうじゃないと大きくなれないよー」


女将は言い、やはりニヒヒと悪戯っぽく笑ってタケルを送り出した。


***********************************


ドリアドを旅立った俺は、旅を続ける。

父ちゃんの研究書にある、警戒が必要な次のアトランディアの遺跡に向かう途中、誰にも読めない不思議な言語で書かれた石碑を祀る、神聖な社に立ち寄った。

そこで出会ったのは社の管理者という男と、その娘だという、とびっきりの可愛い女の子だった。

だけど彼女には運命に導かれた不思議なチカラがあったんだ。


次回、超硬突貫インパクト・ドライブ第二話

「雷の巫女」、それが俺の道だ!

という訳で、第一話完です。

Aパートが終わった所の後書きで

「昔、夕方6時台にやってたアニメ」と書きましたが、だいぶそこは意識しておりまして。

この第一話がちょうど1万文字程度という長さなのも、1話読むと30分くらいになる為です。

また、これを毎週1話ペースで続ければ、まさに毎週アニメを見る様に読んで頂けるのかなぁと。

(更に皮算用的な話をするなら、ちょうど1クールである12話まで書くと、単行本1冊相当の10万文字を少し越える程度になるなんて事も考えていますw)


さて、次回は夕方アニメ的にも、小説的にも皆様お待ちかねのヒロイン登場回となります。

少し陰のある、でも聡明で可愛い子にする予定ですので、引き続き、ご笑読いただけると幸いです。

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