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あれからミハエラは「リベンジさせろ」とうるさかった。私の行く所にどこまでもついてくる。「私は忙しい。他の者に頼め」と言っても「稽古でも良いから」とまで言う。

もう、うんざりだ。叩きのめしてやりたい。


「最近、あなたの噂で持ちきりですよ」

「あのリベンジ侯爵か?」

「その侯爵があなたに結婚を申し出ていると」

「は?」

テオールとの朝食。今日は食堂で食べていた。

私は皿の上にポロっとイモを落とした。

「決闘ではなく?」

「はい、結婚です」

「その噂を流したのはどいつだ?今すぐ大剣の朝食・エサにする」

「待って、待って下さい」

テオールが止める。

どうやらミハエラとのやり取りを見た誰かの勘違いが間違った方向にいってしまったようだ。


さらに近くを通った隊員が「おい。あの噂、聞いたか?酒豪で素手で獣を倒すようなガサツな女に似てるヤツなんて誰が嫁にするんだよ」

「ハハハ、確かにな」


ブチン。キレた。


「やっぱり潰す。隊長、許可を」

「俺が第1番隊隊長に話をして止めさせるようにしますから、待って下さい」

「止めるな。負けはしない」

「何をするにもとりあえず隊長に話してきますからそれまでは待っていて下さい」

「…分かった」ようやく承諾してくれた。


「面白いではないか」

「は?今何と?」

ここは第1番隊隊長室。二人以外誰もいない。

「だから決闘だ。良いだろう。もう少しで新人大会があるだろう?あの二人なら上位に残るはずだ。そこで競わせれば良いではないか」

「今、この状態のフリネラが本気で戦ったらどうなるか分かりませんよ?」

「甘く見られたものだ。こちらのミハエラとてかなりの腕前だぞ。私が言うのだから間違いない」


両者譲らず結局、新人大会で決着をつける事になった。

フリネラにその話をすると意気揚々と稽古を始める。ミハエラもつきまとう事はやめ、稽古に力を入れるようになった。


「今年の新人大会面白そうだぞ」

「何が?」

「あの第1番隊の新人エースと第2番隊の獅子が参加するらしい」

「そうなのか。それは見物だな!」

「なぁ、ヒュース?」

「きょうみない」

「まぁ、ヒュースは実験にしか興味ないもんな」

黒いアイシャドウに左頬に蜘蛛の巣の様な模様と黒い口紅のメイク。

そう、あの特徴的なメイクの男性。

ヒュース・フォン・バルロット。魔法四大貴族の一つ、バルロット家の次男で特に呪術に秀でているという。どちらが勝とうか関係ない。あるのは力の方だ。

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