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第二話 ~記憶が蘇りました~

初投稿からゲーム略称を変更しました

☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆


(今のは・・いったい・・・)

気がつくと私はベッドにいた。

「ロザリアお嬢様、気がつきましたか?」心配そうに覗き込んでいるのは使用人のフローラだ。

いつも酷いことを言っているのに、よく愛想つかないものだ。


(今のは・・・前世の記憶?)

「うーん」と考え込むロザリア。

「お嬢様?」フローラが言うが、私は頭がいっぱいで聞いていなかった。


(そうだったわ!私車にはねられて死んだんだった!)

と思ったのも束の間、冷静に突っ込んでいる場合ではないと気づいた。

「えーーーーーーーーーっっっ!!!」

「ロザリア王女!」「大丈夫ですか?」「いったいどうしましたか!」使用人たちが口々に聞いてくる。

でもそんなことを気にしている場合ではない。

(えーっと、つまり……私、転生したの!? しかも王女様に!?)

使用人たちはなおも不安そうにしている。


「ロザリアお嬢様、あの、」フローラが震えながらも声をかけてきた。

「今回の件は私の落ち度です。何でも罰は受ける所存ですので。」

「え?」私は思わず聞き返してしまった。

いったいフローラは何を言っているのだろうと。

「いえ、ですから、お嬢様が転んでしまったのは私が余計なことを言ったからなので………」

「何を言ってるのフローラ、転んだのは私が悪いんだから、あなたが罰を受ける必要ないのよ」

するとフローラは驚いた顔をした。

驚きすぎて口を開いたまま固まっている。


「えーっとフローラ、大丈夫?」

「は、はい、大丈夫です。失礼いたしました。」フローラは驚きながらも後ろに下がった。


「あっ」とここで私は思い出した。

(そうだったわ。私、今までひどいことをしてたんだった・・・)

私は思わず頭を抱えた。


「大丈夫ですか、お嬢様」別の使用人が聞いてきた。彼女の名前はリーナ。フローラと一緒に私の世話をしている人だ。


その時、ふと頭にハテナマークが浮かんだ。

(ん?ロザリア?私の名前・・・・・・)

「あーーーーーーーーーーー!!!!!!」

思い出した。そうだ。ロザリアという名前に聞き覚えがあった。

ゲーム"セレエタ"に出てくるライバルの悪役令嬢ではないか。

そしてフローラとリーナ。この名前にも覚えがあった。


(フローラとリーナ!? この二人って…!)

(途中で令嬢を裏切って主人公側につく使用人たちじゃん!!)


「大丈夫か、ロザリア!」

突然扉を開けて入り込んできたものがいた。

「お、お父様?」

「転んで気を失ったと聞いたが、大丈夫だったかね?」

「え、えぇ。何ともないですし、大丈夫ですわ。」

「そうか。それならいいんだが。」


この人はアルセイン・リュミナス。この国の国王だ。ゲームではほとんど出てこなかったから、どんな人物だったかはよく覚えていない。


(てことは、やっぱりここは・・・)

けれど、ここまでこれば理解せずにはいられない。

(どうやら、私――明美は、ゲーム"セレエタ"の世界のライバルキャラに転生してしまったようね・・・)


しかしゲームの世界に転生かぁ、と考える。

理解はできても、納得はできない。


(どうせなら主人公に転生するべきでしょここは!)

そこじゃない!とか自分でツッコミをしながらあれやこれやと考えていると、アルセインから声がかけられた。


「ロザリア、何か困っていることはないかね?何かあったら、いつでも私を頼るんだよ。」

「お父様、ありがとうございます。今は大丈夫ですわ。」

「分かった。では私は戻るからな。」

そう言ってアルセインは部屋から出ていった。


(アルセインって、ロザリアに国を乗っ取られた後、幽閉されて、さらにバッドエンドなら殺害されたんだっけ)

まさか娘にそんなことをされる運命だとは思いもしないだろう。


(ん?っていうか待てよ?確かゲームでのロザリアって・・・)

そうだった。ロザリアはあくまでもライバルキャラ。当然主人公が結ばれるようにできている。

そして主人公が結ばれる=令嬢が負けることを意味する。

このゲームで令嬢が負けるとたしか・・・

(死ぬじゃん私!?)

どのルートでもハッピーエンドは令嬢を攻略キャラが国と主人公を守るために殺して、主人公とキャラが結ばれる展開だった。

そしてバッドエンドではというと・・・


「ロザリアお嬢様?何か考えごとでしょうか?」

フローラの声で現実に戻された。

「え、えぇ、ちょっと。」

これは落ち着いて整理する必要がありそうね。

そう考えた私は使用人に命令する。


「ごめんなさい。疲れてしまったから、一人にしてくださるかしら。」

「かしこまりました。何かありましたらお申し付けください。」そう言うとフローラとリーナは他の使用人とともに部屋から出ていった。

ゲーム名『セレスティア・クロニクル ~エターナル・レガシー~』については略して『セレエタ』と呼ばれているようです。

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