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青褪めた眼差しと雨
────しとりしとり、と雨が降っている。
外の雨は、時折悲鳴の様に激しく降り、時にぽつぽつと悲しげに弱くなる。
昔の自分もそうだった。
ぽっかりと空いた虚しい穴の中を、風の様な感情が吹き荒れたり凪いだりしては、ただ静かに静かに涙が落ちたものだ。
そして今も、この雨の様。
…昔から、他人事には巻き込まれやすかった。
そして最後はいつも、自分が責められて傷付いた。
何度かは耐えられたが、とてもきつい事が立て続けに起こってしまえば、それは実に無理な話で耐えられる訳も無い。
そして結果、自分は誰も信じられず誰にも本当の意味で心を許す事も出来無くなり、ただ本当に孤独だった。
寂しい雨の日も、こんな様子であったなあ。
雨を嫌う人間は割と多いだろう。けど、涼しいくなるから嫌いではない。
或る夏の、収穫の月。
降りしきる雨を窓辺に見つめて、過った死に思い立つ。
ではそろそろゆこう。もうじき彼等の様な者がやって来てしまうから。
踏みにじられてしまう位ならば───
ならばその前に、自ら終わらせてしまおう。使い慣れた、この傘を差して。