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第六話

はい、祓戸です。今度こそ戦います。

「じゃあ決闘を始めよっか」


解説席でそう宣言する朱音。

朱音の眼下のステージには奥田と彰。

どちらも気力は十分のようだ。


「うし。じゃあカウントダウン開始」


ーーーーこれより決闘を開始します。ここで負った傷などは全て身代わりとなる意思人形へ置換されます。

    なお、決闘は映像記録として保存され、後ほど当事者へと配信されます。

    決闘後の反省や研究へお役立てください。それではカウントを開始します。

    5、4、3、2、1、スタート。


「最初から飛ばしていくぞ!覚悟しろ!」


「色々スッキリしないが来いや!」


『うーん……上中くんはなんか不幸な人だね。まあ半分くらい私のせいなんだけど』


二人は互いに近寄り接近戦を始めた。

しかし彰が目を抑えている。


「お?編入生が目を抑えて……ああ半年くらい前から取り入れ始めた目潰しか!」


「うわぁ……痛そぉ……鳩尾にいいの貰っちゃったね」


「まだだ!」


打撃音が3回。

それぞれ太ももの左右一発と顔面一発。


「うっわ。そこまでやるか」


「抜き手で首とは殺意高いねぇ」


「目潰しから流れが一方的だな。そういや奥田ってお前と戦った後から目潰しを取り入れたんだっけ?」


「そうそう。私だったらもっと悪辣に使うよー。って言いながらアドバイスしたのが目潰しだったんだよね」


「今更だが、奥田のスキルって何だっけ?」


「磁力付与だよ先生。効果は単純で物体にS極とN極、磁力を付与するだけ。中々応用が高そうだよね。

まあそれでアドバイスしたんだけど結局取り入れたのは目潰しだけなんだよね。彼は何というか騎士が似合うからさ」


「ああなるほど。何となく分かった。ついでにお前の底意地の悪さも」


「後半は忘れてくださいね。というか変態くん目潰しから回復するの早くない?と言うことは治療系、身体強化系かな」


彰はすでに視力を回復させており、今は奥田の攻撃をかわしていた。


「さすが勉学一位だ。もうスキルの考察を始めてるよ」


「私自身は弱いからねぇ。こうやって情報集めながらしないとやってけないんだよ。お?変態くんの体術は我流っぽいね。見たことないけど無駄は少ない」


「何でもここに入る前は一人で魔物を狩ってたんだとよ。噂ではBレートも狩ったこともあるとか」


「え?まじで?すごいなぁ……私は戦闘不向きだから魔物も少し前にAレートを倒したばかりなのに」


「十分だろうが……にしてもやっぱ初日に決闘はまずかったか?展開が一方的すぎる」


彰は視力を回復させ、奥田の攻撃を避けてはいるが反撃は一度もできていない。

戦闘のペースを奥田に取られていて、だんだん彰も攻撃を避けられなくなっている。


「まあ、いつかは起こることだからしょうがない部分もあるけど、さすがに初日はないよ先生」


「お前が申し込んできたんだろうが……!もうそろそろ良いだろ。奥田の判定勝ちだ」


「だねー」


「待ってください!!」


朱音たちがこれ以上は無駄だと判断し、試合を終わらせようとしていたが

そこにストップが入った。

声の主は他でもない彰だ。


「俺はまだ戦えます!」


「いや戦えますってお前。どう見ても一方的じゃねぇか。

あんまりやりすぎると身代わりの石が誤作動を起こすかもしれねぇからやめろって言ってんだ」


ヒートアップする彰。

しかし深山はあくまで危険性があるからやめろと指摘する。


「……なら、ダメージを負わなければ良いんですよね?」


「ん?まあそうだが、そんなことできるわけねぇだろ」


呆れたように返す深山先生。

しかし彰はニヤリと笑うのみ。


「できますよ。瑞葵ごめん!勝手に制限破るぜ!」


「……好きにしなさいよ」


『何か奥の手でもあるのかな?けどそれは奥田くんも一緒だから結果は変わらないと思うんだけど……

何だろう、嫌な予感がするな』


「制限?スキルを使うことを制限していたって事かな?

もしかして2スキル保持者(ダブルホルダー)?」


「その可能性もありそうだが、俺は複合スキルだと思うな」


「複合スキルって、一つのスキルが複数の効果を持つって言われてるアレ?」


「ああ、全国2位もそうだって噂だしな」


実況席の二人が喋っている間、彰は目を閉じて集中していた。

その隙を見逃すはずない奥田だが、直前の制限を破ると言う言葉が気になって安全をとった。

やがて彰が目を開けると、身に纏う雰囲気が変わっていた。


これまではどこかほんわかしたような、優しげな雰囲気だったが、今は正反対だ。

触れるもの全てに食ってかかるような、攻撃的な雰囲気を纏っている。

その姿を見たものは全員息を飲み込んだ。


彰が手を前にかざす。

その手から炎が飛び出し、その体に絡みつけるように炎を纏う。

やがて炎は羽衣を形どった。


そして、ふわりと軽やかに宙に浮き始めた。

その姿は、まるで古い御伽噺の天女様だ。

男だが。


惜しむべきはその表情だろうか。

まるで獣のように殺気を撒き散らし、口元を凶悪に歪めている。

まるで清らかな天使の体に凶悪な悪魔の魂を入れたような不快なコントラストがそこにあった。


いかがでしたでしょうか?

おや?彰くんの様子が………なんちゃって。


面白いと思った方は、『ブックマーク』や下記のポイント評価を押していただけたら幸いです。面白くなかったら容赦なく星1にでもしてください( ; ; )

またアドバイスも是非。

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