第一話
いわゆプロローグ。
まあまあ飽きたとは言わずに。読んでいってくださいよ。
「契約しよう。君はそこから抜け出したいんだろう?僕が助けて上げる。
その代わり………」
「あー……なつい夢だったなぁ……」
高層マンションの最上階の部屋。
そこに今年で高校生になる繰上朱音が一人で住んでいた。
彼女はベットから起き上がって朝の支度を始める。
着替えて身だしなみを整えている間にホームロボットに朝食を作ってもらう。
献立はご飯に味噌汁とこの時代には珍しい和食の基本献立だ。
時間には余裕があるので食べながらテレビをつけてニュースを見る。
「昨晩、都内で29歳の男性がスキル無断使用の疑いで逮捕されました。男は……」
「へぇ無断使用だけで逮捕だなんて、過去に何かやらかしてるのかな?」
それならちゃんとバレないように気をつけないとダメだよねー。
そして高校へ登校する。
春休み前とは違う通学路を歩く。
道は間違っていないか、念入りに端末で確認しながら慎重に進む。
そして予定以上の時間をかけて高校に着いた。
高校の名前はスキル育成学校高等部。
ほとんどのメンバーが中学の頃から変わっていないのだが、朱音は中学三年生の頃に編入してきたので
正直、友人と呼べる存在はあまり、いや全く存在しない。
現にクラス表を見に来た彼女の周りには空白地帯が出来上がっており、誰も近寄ってこない。
『まあ、遠巻きに見るのは別の理由だろうけどねぇ。そんなことより私は……
お、みっけ!A組かぁ。今度こそ友人を作らないとね。もう二度とペア探しに苦労しないように!』
朱音はその場に留まる理由もないのでさっさと立ち去ろうとする。
が、それは叶わなかった。
「こら彰ー!待ちなさい!今日という今日は許さないわよ!」
「だからわざとじゃないんだってーーーー!!!!」
『朝っぱらからうるさいなぁ……しかも会話の内容が修羅場くさいし。
ん?こっち向かってきてない?』
「うわぁぁあ!退いて退いて退いてぇぇ!」
「え!?ちょまっ!」
ドッシーン!
走ってきた男がぶつかってきた。
『そういや朝の占いだと運勢悪かったけ?
うーん。重いし、何やら胸のあたりに違和感が……』
「いったたた……」
「あ、彰…アンタ、何やってるのよ!」
「な、何って……」
「ねえ、その会話って私の上にまたがって胸を揉みしだきながらじゃないとできないのかな?」
「え?あっ……ご、ごめん!」
彰と呼ばれていた男子生徒は朱音の上に馬乗りになって胸を揉んでいた。
結構しっかり。
『こーゆうハプニングって側から見るから面白くて爆笑してたけど
実際に被害に遭うと結構不快なんだね』
「もちろん許さないよ。ボコボコにするぜー?」
「本当にごめんなさい!わざとじゃないんだ!」
「わざとじゃなかったらなんでも許される訳じゃないよ。さ、とりあえず一発ね」
「ちょ、待って待って待ってーーー!!!」
『聞く耳持たないね。3、2、1……』
「繰上、待ちなさい!」
『ちっ……声からそうだろうと思ってたけど…』
「瑞葵。ちょっと退いてもらえない?」
「いやよ。絶対に退かないわ」
「なんでさ?私の胸を揉みしだいたソイツを殴るだけだよ?」
「そ、それついては私も謝るわ。本当にごめんなさい」
『わお。ツンデレでプライド高めの瑞葵が頭を下げて謝罪するなんて。
これは……惚れてるのか?』
「……瑞葵がそこまでするなんてね。いいよ。許してあげる。その代わり貸し一つね」
「抜け目ないわね……まあいいわ」
「全く……気を付けてよ。でソイツ誰?」
「こいつは私の幼馴染よ。最近スキルが使えることが分かったみたいで高校からの編入よ」
『へえ瑞葵に途中発現の幼馴染ねえ。
まあどうせ勉強があまりないから楽そうみたいな軽い気持ちで来たんだろうなぁ』
「編入って珍しいね。しかも途中発現って大丈夫なの?」
『途中発現のスキルって弱いのがほとんどだからね。
実力主義のスキル学校だとキツいと思うけどなぁ』
「アンタが言えた義理じゃないでしょう……それに彰のスキルは強力よ」
自信満々に言い切る瑞葵と呼ばれた女子生徒。
しかし朱音は納得しなかった。
『うーん…。幼馴染補正が入ってるだけじゃないかなー?
瑞葵って結構抜けてるとこあるし……』
「そっか。ま、私には関係ない話だね。じゃあねー」
入学式に遅れてはたまらないので、すぐに移動を開始する。
その道中で朱音はさっきの彰という生徒のことを考える。
『とりあえず瑞葵の幼馴染ってことは分かったからー………
スキルの名前と効果が知りたいなぁ。人間関係とかなら調べればすぐ分かるしね。
ならとりあえず仕込みから始めないと』
いかがでしたでしょうか?
明日の昼くらいにまた二話くらい投稿します。
恋愛を書くのは苦手なので頑張ります。
ペースは書き溜め(そんなに多くない)がなくなるまで一日二話くらいかな?
頑張っていきますので応援?よろしくお願いします。
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