表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

褒めて生きる 1

「ありがとう」


そう言われた。


私が彼女を、家に誘ったときも、そうだった。


感謝の気持ちを、きちんと表してくれる。


それが、気持ちよかった。




特に、家には何もなかった。


テレビゲームも、ボードゲームも何も。


だから、必然的にトランプが登場した。


コンパクトなサイズ。


アレンジできる、柔軟なところ。


トランプは、本当にすばらしい。



彼女を部屋に招き入れたのだが、何度も小声で何か言っていた。


気になったが、スルーした。


私の部屋で、彼女とふたりで、ババ抜きをした。


まだ、彼女はぶつぶつ言っているようだ。


耳を澄ましてみる。


「クッションさん、下で支えてくれて、ありがとうございます」


「照明さん、照らしてくれて、ありがとうございます」


「トランプのハートのキングさん、楽しませてくれて、ありがとうございます」


「トランプさん、スゴイ対応力ですよね」


彼女は、褒める人だった。


関わった全てのものを、軽く褒めてゆく人だった。


「ゆうなちゃん、今日もかわいいね」


「ありがとう」


きっと、10年後も私は、彼女に褒められて、生きている気がする。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ