幕間〜ノママーニ卿のお見合い大作戦〜
何となく思いついてしまったので書いちゃいました。
裏主人公ですので、合間合間で進めて行ければと。
勝手に喋って突っ込んでくれるので文字数が増えてら・・・・・・ゲフン、楽しんで頂けたなら幸いです。
「あなた、お見合いしなさい。」
ある日の昼下がりのことだ。実家に呼び出された俺は帰宅の挨拶もそこそこに母親に呼び出され、そう告げられた。
ソファーに座り紅茶の香りを楽しんでいた俺は思わず母親の顔を見た。
手元の紅茶にはさぞかし間抜けな俺の顔がうつっているとこだろう。
「母上、まさか俺を呼び出した理由はそれですか?」
「そうよ、三男とはいえあなたは男爵家の連なり。そろそろ身を固めて横の繋がりを持ちなさい。」
(近衛についたのはいいけれど、昔から浮いた話の一つもないんだもの、心配だわ。)
母上は澄ました顔で紅茶を啜った。くそっ、真面目に心配してるのがわかるから断り辛い!
「いや、でも俺の結婚よりも先に兄上達の相手を見つける方が大事なのでは・・・・・・??」
「その心配は無用よ。あの二人はすでに相手を見つけているわ。」
(逆に焦らなくても良いとは思うのだけれど、この子もいい年だし。ダラダラと先延ばしにしてしまったらいい物件は無くなってしまうわ。)
ウソ、だろ・・・・・・あの兄上達が結婚、だと??確かに二人とも顔はいいがあの活字中毒と旅行馬鹿が結婚!?どんな冗談だよ。
俺は内心の焦りを押し殺し口早に母上へと尋ねた。
「へえ。一体いつの間にそんなお相手を見つけたのですか。」
「あら、貴方が家になかなか戻ってこない間にに決まっているじゃない。」
嫌味ったらしく母上が微笑む。
このババアっ、くそ!小言が嫌で近衛の寮に理由をつけて泊まり込んでいたのが裏目に出たか!
「へ、へえ。アーリ兄上はともかく、ソウル兄上は旅行ばかりでよく相手が見つかりましたね。」
とりあえず話を逸らさないと、このままでは分が悪い。
次男の話題を出した途端、母上は喜色満面といったていで手を鳴らした。
「そうなのよ!あの子ったら旅先で北の領主様のところの侯爵様の御息女のところに婿養子として行くことになったのよ!何でも侯爵様には後継が出来なかったらしくてね、領主様もいい縁談がないか悩んでおられたみたいで。まあうちはしがない男爵家だけれど、それでもいいっていってくださって。」
話を逸らしたつもりが普通に気になるわっ!
何という逆玉の輿っ!ソウル兄上め、何でそんないい仕事するんだよ!心のままに生きすぎだろ!!侯爵令嬢だぞ、遠慮しろよっ!
「あー、なるほど。それはおめでたいですね。では、そろそろ遅くなって来たのでお暇しますね。」
兎にも角にもここから逃げよう。
俺はそう思い、話もそこそこに席を立とうとした。立とうとしたんだが、身体は俺の意に反してピクリとも動かない。まさかっ!
「母上??」
なんとか視線だけを母上の方に向けると、その目は怪しげに赤く光っていた。
「ふふふ、話を逸らせて帰ろうとしたって無駄よ?」
(絶対に逃さないわ。)
こ、この女っ!実の息子に魔眼を使ってやがる!!!
何を隠そう俺の母親は有名な魔眼の一族の生まれだ。若い頃はその力を使って冒険者として名を馳せた、らしい。
父上曰く、出会ったその日、帰宅したら母上が待ち構えていて魔眼で動きを止められそのままベッドに放り込まれたそうだ。
あの時は肝が冷えたと笑いながら語っていた。
違う!そんな親の赤裸々話はどうでもいい!くっ、身動きが取れない。
「さあ。話の続きをしましょう?」
「魔眼を解いてくれれば話を聞きます。」
冷や汗が俺の頬を伝っていく。
「そういって逃げるつもりでしょう?」
くそっ、バレている。
「わかりました。ちゃんと聞きますよ。」
「そう。よかったわ。」
母上はそういうと魔眼を解く。俺はため息をつきながら身体の力を抜いた。
「はあ。それで?相手は誰なんです?」
身体の凝りをほぐしながら俺は尋ねる。まだ結婚する気はさらさらないが、相手の情報くらいは知っておいていいだろう。
「誰も。貴方の好みがわからなかったから、王城主催のパーティーに出席してもらうことにしたわ。」
そういって母上は机の隅に置かれていた紙を俺の方に差し出した。なんだ、パーティーの参加なら問題ない。参加したとして、壁際にいれば良いだけだ。
俺は内心ほくそ笑んでいたが何食わぬ顔で紙を手に取った。
『チキチキ!王城プレゼンツ!!お見合いパーティー〜ユー出逢っちゃいなヨ、運命と〜』
ださっ!!てゆか、表現ふるっ!さむっ!!!
えっ、これ参加するやついんの?やべえよ、地雷感すげえよ!!!てか王城てことは宰相様も陛下も承認したってこと?あの人ら何やってんの!!
俺は思わず紙を強く握り締めた。知らずプルプルと腕が震えている。
「何でも、伯爵以下の未婚の男女を対象に行うみたいね。今年で二十回目らしいわよ。」
長寿企画っ!!だったら尚のこと名前直せよ!二十年前と変わらないセンス強要すんなっ!!
「・・・・・・なるほど。」
「宰相様もここで奥方様と出会ったらしいわよ。」
宰相様っ!これは恥ずかしいっ!!!
(とはいえ、毎年何人参加したかは伏せてあるし、正直期待薄かしらね。)
人数を伏せているのか。そりゃそうだ。これに参加したと他の人に知られるのは恥ずかしいからな。上手くいっても、お前も出逢っちゃったんだな、運命に、とかいって絶対にイジられる。これはキツい。
とはいえ、気になるのは成功率だが・・・・・・。
「ちなみに・・・・・・このパーティーの成功率はどのくらいなのですか??」
「九割よ。」
たかっ!出逢っちゃってるじゃん、運命に!!えっ、うそ、地雷とかいってすいません。
「高いですね、想像以上に。」
「そうね。名前はともかくとして、昔から行われているからかしらね。とにかく、参加の意思表示はしておきました。次の週の水の日よ。空けておきなさい。」
相変わらず根回しが上手い。すでに参加の意思を出している以上、取り消すことは貴族として恥になる。
俺は悔しさを呑み込み、冷めてしまった紅茶を飲み干した。
「・・・・・・わかりました。空けておきます。」
こうして、俺の見合いパーティー参加が決まった。
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