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幕間〜サヨーデとノママーニ〜

本篇まではもうしばらくお待ちくださいませ。


本日追放国王も更新しております。

そちらも是非!


楽しんで頂ければ幸いです。


 近衛の役職について半年くらいの月日が流れた。


 その日、俺は宰相様に呼ばれて宰相様の執務室に来ていた。


「オーセ・ノママーニ、只今参上致しました!」


 黒檀の机に大量の書類が置かれていて、目の前で目まぐるしい速さで書類を捌いている人がいる。


 サヨーデ様だ。部屋に入ってきた俺を一瞥

すると再び書類をさばきだす。

 しばらくして、キリが良いところを見つけたのだろう、サヨーデ様はペンを置き、俺の方へと視線を向けた。


「オーセくん、だったかな。そこにかけなさい。」


 そういって来客用の椅子を指差した。


 俺は短く返事をして椅子に腰を下ろした。俺が座るとクッションが心地よく沈む。

 高そうな椅子だな。実際高いんだろうけども。


 そんなことを考えていると、サヨーデ様も俺の前に座った。


「さて、今日君を呼んだのは他でもない。君の人となりを知っておきたくてね。」


(仕事振りや評判は悪くはないが、どういう人物かは聞いただけでは分からないからな。)



 なるほど、面談てわけか。まあやましいことがあるわけではないし、聞かれた質問に答えよう。


「近衛になって半年程だったかな。」


「はっ!その通りです!」


「どうだね、もう慣れたかな。」


「はい、諸先輩に日々教えを頂いております。」


「なるほど。」


(性格はある程度はまともそうだな。)


「何か、悩み事や不満なことはあるかい?」


「いえ、現在のところは特にありません。」


 淡々と発せられる質問に答えていく。サヨーデ様は何かを考えるようにこちらを見て、動きを止めた。


 ん?どうしたんだ??


「なるほどね。君はどうして近衛騎士になろうと思ったのかな?」


 流れに逆らわずにいたらこうなりました。なんてこと言えるわけねえ!

 

 なんて考えてふと俺は何で近衛になったのかを考えた。


 キッカケは単純だ。俺の親父ネーガイ・ノママーニの知り合いに、近衛騎士の団長がいて、あったら気に入られて誘われた。


 親戚ぐるみで付き合いのあるような家だとよくあるだろ?


 試験??推薦枠だから、試験は最小限ってやつだね。スパイや人格に問題がないか判断されればないようなもんだ。

 当たり障りのない回答しとくか。


「剣を振るうしか出来ないもので、その力を陛下や、王家の方々のために奮えれば、と。」



「ふむ、どうやら明確な忠誠心とかでは無さそうだね。」


 くっ、鋭い!ないわけしゃないけど、転生者だもの、他の人に比べるとね。戦時下でもないし。


「まあその辺りはおいおいついていくものだ。構えなくていい。」


 そういうとサヨーデは表情を緩めた。


 ところで、とサヨーデ様は少し空気を変えて前屈みになった。


「結婚はしていたのだったか、オーセくんは。」


 ん、何の話だ??


「いえ、私は独身です。予定も、相手もおりません。」


「そうか。」


「サヨーデ様は確かこないだ家族旅行に行かれたと・・・・・・」


「そうなのだよ!うちはもう結婚してかなり経つんだがね、今回は家内と二人で旅行に行ってきたのだよ。勿論子供を誘いはしたのだがな、気を遣ってくれたのか今回はやめておくということで二人で北の領主のところにある温泉に行ってきたのだよ!!それで宿に泊まったらなんとその温泉は貸切混浴だというので家内を誘ってみたんだがなんと顔を赤らめて上目遣いで恥ずかしそうにしていてな、それがすごく可愛かったんだ。可愛かったんだといえば家内は料理を趣味でやるんだが向こうでもわざわざ厨房を借りて私の晩酌用の料理をつくってくれてな、様子を見に厨房を覗いたら鼻歌を歌いながら料理している彼女を見つけてそれはまた可愛いと思ってしまって。」


 あ、やべ、地雷だ!!

 

 勢いにたじろぐ俺の前でサヨーデ様は顔をフニャフニャにして奥様のことを話し出した。


 王城の勤めるものの間ではいくつか噂のタネになるものがあるが、その中に宰相様の嫁バカというものがある。

 俺は半信半疑だったが、これは本物だ!!


「・・・・・・私が感想を言うとな。家内ははにかんで、よかった、なんて言うものだから思わず抱きしめてしまったよ!ああ、その夜はそれはもう・・・・・・おっとこの話は聞いている君も家内に惚れてしまうだろうからやめておこうかな。それで家内の趣味はまだあってだな」


「サヨーデ様!!」


 俺が堪らず話に割り込むとサヨーデ様はムッとしたようにこちらを見た。


(焦ったような顔をしてどうしたのでしょう?まさか、私の話をこれ以上は聞きたくないと?)



 んだよ、この人。最初のイメージと全然違うっ!ただの嫁バカだ!!


「・・・・・・とても、素晴らしい奥様ですね!!」


「そうだろうそうだろう!!・・・・・・まさかうちの家内のことを狙っているのか??」


 だぁー!!!めんどくさっ!んだよ、機嫌良くなったら急に疑心暗鬼になったり!!


 どうしよう、どうしたら正解なのかがわかんねえ!!さっきまでの俺の緊張返してくれよ!


「まさか!!私も結婚したくなりましたよ。」


「おお!そうか!!いや、結婚はいいぞー!!いい令嬢がいたら君に紹介しよう!!私の家内は人当たりがいいから知り合いが多くてね。ああ、そうだそれで思い出した。家内とはパーティーで私が告白して結婚したのだが、その時も有象無象どもが彼女に群がっていてね、だがそれを気にさせずニコニコとずっと笑っているんだよ。それで私が嫉妬をしてしまって・・・・・・」



 あかん、誰かたすけてっ!


 その後も宰相様の奥様自慢は続き、どれくらい時間が経ったのだろう、窓から入る光で出来た棚の影が大きく移動したくらいで、サヨーデ様はしまった、と言うように会話を打ち切った。


 もはや俺はその時には相槌と愛想笑いを振りまくロボットになっていた。


「というわけで・・・・・・む!もうこんな時間か!オーセ君、今日はこの後家内とレストランに食事に行くことになっているんだ。もっと話を聞きたいだろうが、失礼するよ。」



 そういってサヨーデ様はすっと立ち上がり荷物もさっとまとめると俺に手をあげてその部屋を出て行ってしまった。


「つ、疲れた・・・・・・。」


 俺は思わず感情を声に出してテーブルに突っ伏した。


 だめだ、なんか色んなダメージがデカすぎて動けねえ。

 襲いかかる疲労感に打ち勝てず、俺は頬をテーブルに押し当てたまましばらくそのままでいた。

 くっ、もう二度とサヨーデ様に奥様の話題は振らないぞ!!


 動き始めるには、まだしばらく時間がかかりそうだ。











 そして、その時の俺の決意は虚しく、その後俺は何度かサヨーデ様の話に付き合わされることになる。



 余談だが、俺はこの日の後で下りた辞令で何故か謁見の間付きの隊に配置されたのだった。

 



いつも読んで頂きありがとうございます!

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