幕間〜ノママーニ卿のお見合い大作戦〜その3
なんというラブコメっ!!えっ、作品が違う??笑
反省も後悔もしてません!
楽しんだら頂けましたら幸いです笑
本日追放国王も更新しておりますので、そちらも是非っ!
俺は頭の中に入って来た思考の出どころを探った。
周囲を見渡し、あるグループで視線が止まる。
四人組の男女だ。その顔を見るに、そこそこ呑んでいるようだった。
どうやら、誰かの事を話しているようだ。陰口に夢中だからだろう、話している内容と思考が一致していた。
(奥のテーブルに座っている女、話しかけられてもすまし顔で表情ひとつ変えないで。少し顔が整っているからって調子に乗ってるんじゃないかしら。)
(ちっ、あの女の子いくら話しかけても顔色ひとつ変えやしなかった。いくら美人でも、あれじゃあすぐに誰も声をかけなくなるな。)
(まあ、あんな女のことはいいじゃない。せっかくのお見合いなんだから、夜風にでもあたりながら親睦を深めましょう?わたくし、酔ってしまったわ?)
(へへ、勿論喜んで。さっ、僕の運命と存分に語り合おうかな。)
(まあ、お上手ね。)
そういって各々見定めた相手と腕を組んでバルコニーの方へと姿を消した。
まったく、どうしようも無い奴らってのはいるものだな。見合いに来て他人の陰口を叩くなんて。
俺なら聞いた瞬間に萎えてしまうけどな。
そんな事を考えながら酒を飲もうとグラスを傾けるが、中身がないことに気が付いた。
いつの間にか飲み干してしまったようだ。どうしようも無いのは俺も同じか。
俺は溜息をついて新しいグラスを取りに近くのテーブルへと向かった。
テーブルには様々な酒やカクテルが並んでいた。
そのうちの一つに手を伸ばしたが、同じように伸ばされた手とぶつかってしまう。
「申し訳ない。」
驚き、顔を上げた俺の目に飛び込んできたのは、まるで妖精のような女性だった。白く透き通った肌、濁りのない碧い瞳。長い白銀の髪は結ってもなお背中の中程まであった。
俺の謝罪に、その令嬢は無言で首を振った。
話せないのか?そう思った俺はふと、先程の男女のグループの思考を思い出した。
言われてみれば顔の表情が全く動いていない。せっかく顔が整っているのに、これでは氷の妖精だ。
(あわわわわわ、わた、わたくし、殿方と手が触れてしまいました!ど、ど、どうしましょう、無言でで首を振るなんて、お気を悪くされていないかしらっ。)
ん??
突如飛び込んできた思考に俺は思わず周りを見渡した。近くにはそれらしき思考の持ち主はいない。
あれ?もしかして、この妖精??
俺は不躾にもまじまじと令嬢を見つめてしまった。
すると、再び心の声が響いた。
(ああっ!どうしましょう、やっぱり怒ってらっしゃるのね!わたくしのことを見ていらっしゃるもの。わたしったらなんてドジなのっ、母様の口車に乗って来るんじゃなかった!もう、わたしのばかっ!)
不思議な生き物だ。顔は一切動いていないのに心の中は躍動感に満ちてる。
(大体、声が出ないのにどうやってお見合いなんてしろって言うのよ!さっきから何人も話しかけてくださるけど、わたしが会話出来ないし表情も変わらないから退屈してすぐにどこかへいってしまう。ああ、惨めだわ。もう、早いとこ頭を下げて許してもらって帰りましょう。)
令嬢は呆然と見つめる俺に深々と頭を下げるとその場を去ろうと踵を返した。
「っ!!」
何故そんな事をしたのか正直わからない。彼女ともっと話したい。
気がついたら、俺の身体は勝手に動いて、令嬢の細い手首を掴んでいた。
(ひゃあ!えっ、なに?やっぱり凄く怒っていらっしゃる?やだ、怖い!!)
振り向いた彼女は変わらず無表情だったが、俺には心の声が聞こえる。
俺は慌てて手を離し弁解をした。
「す、すいません。つい。」
彼女は無表情で首を傾げた。
(あら?怒っているわけでは、ない??どうしたのかしら。)
「あの、その、なんていうか、ですね。」
やべえ、言葉が出てこない。くそっ!
「・・・・・・怒って、ませんから。」
ちがーう!!そんなことを言いたいんじゃない!話しましょうって言え!俺!!
俺は初めて湧き上がる感情を持て余していた。言葉が出てこない。身体の血がすごい勢いで巡っているのを感じた。
(ふふっ、変な人。わざわざそれを伝えてくださったのかしら。)
彼女は微笑まない。その表情は透き通ったままだ。
でも俺には彼女の感情が聞こえる。
彼女はそのまま俺が口を開くのを待ってくれていた。
俺は大きく息を吐き、呼吸を整えた。
大丈夫だ、俺はオーセ・ノママーニ。落ち着け!陛下の相手の方がよっぽど大変だろうっ!
グラスを手に取りもう一つを令嬢の方へと差し出す。
「良ければ、少しお話ししませんか??」
どうやら俺は、運命に出会ってしまったのかも、しれない。
つづくっ!!!
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次回は違う幕間を挟みました本編です。
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