ひまだ
この作品は牧田紗矢乃さん主催、第四回・文章×絵企画の投稿作品です。
この作品は、小桜 桃さんのイラストを元に執筆しました。この場を借りて、御礼申し上げます。
小桜 桃さん:https://20655.mitemin.net/
カコンと地面の意志を蹴り上げた。
「あーあ、暇だなぁ」
私はそんなことをつぶやきながら歩く。
実際、家に誰もいなくて、何もすることがないから、外で何かあるかなと思って出てきた。
のはいいけど、何もないので困っている。
秋めいてきた少し寒くも感じるような、そんな日。
当てもなく歩いていても、そこで目的を作り出すことは簡単だ。
「あ、そういえば、アレ買わないと」
少し思い出した。
財布をポケットに入れてあることを、ポンポンと叩いて確認する。
でも、幾ら入っているかは見てみないと分からない。
結局、コンビニに行くまでに中身は確認した。
「ありがとーございましたぁ」
コンビニ店員の声が、自動ドアにさえぎられて消える。
買ったのは、なくなったシャーペンの替え芯と勉強で飲みながらしようと考えた紅茶のペットボトルだ。
カサカサと音を鳴らしている袋は、何か楽しげにも思う。
「帰るかぁ」
ふぅ、と息を吐きつつ、家に戻れば何かあるかと期待しつつ、私は家に帰ることにした。
きっと、ただ何もしない時間を過ごすことになるだろうけど。