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2話 契約

     二話  契約

 状況が読み読めない。とりあえず質問してみる。

「君は誰?」

「はい、プレストレストキュウティーのセンター井上詩織です。あなたへの恋の方程式を解いちゃうぞ♡」

 (誰もアイドルの挨拶をしろとは言ってない。と言うかどんなアイドル名だよ。)と突っ込みたい衝動を抑えて質問を続ける。

「何で僕に取り憑くの?」

「なんか昨日死んじゃったらしく気づいたらあなたに取り憑いてました。」

「過去形かよ!」

 さすがにこれには突っ込んでしまった。

「私だってなぜかわかんないですよ」

(スルーしたけどさっき死んだっていってなかったか?)と思いスマホを開いてみるとネットニュースのトップに「若手トップアイドル交通事故で意識不明」と載っている。

「意識不明って書いてあるけど死んでないの?」

「えっ!私死んでないですか?」

 (気づいてなかったのかい)

「もしかしたら、生き返えんじゃね」

 なんも考えずに答えてみる。

「ほんとうですか?」

『生き返りますよ』

 急に聞いたことのない声が聞こえてきた。ふと見ると髪をセンター分けにした燕尾服の男が立っていた。

「申し遅れました。わたくしセバスティアン・ミカエルと申します。

(なんか似たような人を姉から借りた漫画で見たことがある。)

「本当に生き帰りますか?」

「何個か条件があります。まず最初にあなたの体が完全に回復しなければなりません。あなたの体は事故で大けがを負っていますので。それが治らないとあなたの魂を入れることができません。二つ目に、あなたの体が治るまでの間、誰かに取り憑いていなければいけません。浮遊霊だと自然消滅してしまいますからね。しかし、このままだと天人さんに悪影響を及ぼす可能性があるので、詩織さんと天人さんの魂を一部融合する必要があります。」

「なるほど!よくわかんないけど、このまま天人さんに取り憑いていればいいんですね。ということでこれからよろしくお願いします天人さん。」

『そうと決まれば、さっそく契約の儀式を始めましょうか』

僕に拒否権はないのか?と思ったが、女子に縁のない僕にとってこんなに可愛い女の子がそばにいると考えると悪くない。

「別にいいよ」

そう答えると燕尾服の男はどこからか分厚い本を取り出し呪文を唱え始めた。本の表紙には円の中に三角形が2つ重なったマークが乗っていた。

(あのマークどこかで見たことあるような...そうだ!昔やっていたカードゲームに似たようなカードがあった。でもあのカードは六芒星だったよな...あの本についているのトゲが5個あるよな...あのマークなんていうっけ?)

と考えているうちも儀式は続き、ちょうど終わったころに思い出した。

「そうだ!デビルスターだ」

『さてこれで契約は完了です。』

「ありがとうございますミカエルさん」

「一つ聞きたいことがあるんだけど、あんた悪魔だろ?最終的には魂取るとか言わないよな?正直このままの条件だとあんたにはメリットないしな」

『ご安心を、魂は頂戴しません。おや?そろそろメンテが明けますね。それでは私は失礼しますよ。』

「あっ!おい」

止めようとしたときには燕尾服の悪魔は消えていた。


「あの人は何だったんでしょうか?」

「さあな」

突然のことで二人とも理解するのに時間がかかった。正直、俺にとってはアイドルが取り憑いていること自体理解不能なのだが。

「てかあいつゲームのメンテが明ける暇つぶしとしてきたんじゃないよな?」

「いくら悪魔だからってそんなことはないと思います。」

なんて話してると再び燕尾服の男があらわれ、

『その通りですよ。』

「びっくりしたー。メンテ明けたんじゃなかったのかよ」

急に表れたため突っ込んでしまった。

『確かにメンテは明けました。』

「じゃあゲームすればいいじゃん」

『ログインしようとしたら...メンテが始まりました。』

「FGOかよ。とりあえず帰ってくれ」

『はい..』


「よくわかんないですけどよろしくお願いします。天人さん」

ということで、僕と幽霊アイドルとの同居?生活が始まった。しかしこのころはあんなことが起こるとは考えてもみなかった。


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