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宝来の思惑 2

 響夜が睨みをきかせると、悠緋はおどけたように反論した。


「狙い、だなんて物騒な物言いはよしてくれないか、硝宮様。ワタシはただ、彼女に近状を聞きに来ただけですよ」

「聞いてどうする。枯魔討伐において、硝宮も宝来もそれぞれ各自の活動だ。競い合っている訳でもなければ、手柄を横取りするような真似をする必要も無いだろう」

「違いますよぉ響夜様! 兄様は、桜香様がお一人で苦労されていないか、心配なさっているだけですわ!」

「……どうだか」


 朱莉が媚びた上目遣いで兄を弁明するも、響夜は蔑んだ目で彼女を一蹴した。さすがの朱莉もそれには堪えたのか、気まずそうに視線を落とす。そんな妹の様子が目に余ったようで、悠緋は彼女を宥めながら、先程より慎重に言葉を並べた。


「失礼、妹が出過ぎた真似を。朱莉はもう少し落ち着きなさい。……硝宮様、一応妹が申し上げたことは間違いではないのです。当主である貴方が表向きには前線を退いている今、どれだけの負担が彼女にのしかかっているか、一番理解されているのは貴方でしょう?」

「……何が言いたい?」

「その()()はいつまで続けるおつもりですか、と問うてるのです。そろそろ隠し通すのも厳しい頃合いでは?」

「それを見極めるのは俺だ。余計な口出しは控えていただきたい」

「……そうですか。ではこれ以上の問答はやめておきましょう」


 響夜の頑なな意志を感じ取った悠緋は、「やれやれ」と言いながら引き下がる。響夜の隣では、紅香がはらはらとその様子を見守っていた。一触即発な空気の中、次いで口を開いたのは意外にも響夜の方だった。しかし、先程までの張り詰めた雰囲気は無い。


「……全く、いつまでこの茶番を続けるつもりだ、()()

「えっ?」

「すまんすまん、予想以上に乗ってくれたから、やめ時を見失ってた」

「兄様……? どういうことです?」

「どうもこうも、()()()は古くからの友人だよ? 今日はちょっとばかり話がしたくて来たんだ」

「ご友人、だったのですか……そうとも知らず、失礼な態度を……」

「ははっ気にしなくていいよ、械樞の、えぇと……紅香ちゃん、だっけ? 僕らは当主ということもあって、普段馴れ合えるような立場じゃないからね。表向きにはそういう振る舞いをしているだけだよ」

「え、えっ? じゃあ……じゃあ桜香さんをいずれ奪うって話も嘘っ……もごっ!」


 困惑している朱莉からついて出た言葉を、悠緋は慌てて塞ぐ。しかし当然響夜にもそれはしっかり聴こえていたため、般若の如く怒りの眼差しを向けられていた。

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