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樞繰人形町  作者: 雪月飴
一章 過去の記憶。広がる未来
9/15

入学式。

眠い。投稿遅くなりました。

 あーだこーだと、そこから二人は何かを話していた。無論、僕はほとんど会話を聞いていなかったけど。

 

 しばらくして、『全員席に着くように』と体育館へアナウンスが流れる。

 慌てて席を確認すると(してもらった)、偶然にも隣の席だったらしく、三人共同じクラスだということもわかった。

 なんだか、離れ離れにならなくてよかったと思う。友人、と呼んでもいいのかわからないが、こうして話ができる人物とクラスが違うのは、どうにも心許ないから。


――しかし。


「あ、あのカナメさん」

 席につくと同時に左手を握られていた。それはもうがっしりと。

入学式は始まっているというのに。

「何~? いっちゃん」

 それでも、のほほーんと、笑顔を浮かべているカナメさんは、教師が怖くないのだろうか。

 この状況で見つかれば、確実に注意されるというのに。緊張感がないというか、何というか。

 この人は、度胸と精神面が以上に強いのだろう。……僕が弱すぎるのかもしれないけどね。


 と、そんなことを考えていると。

「えと、鈴さん?」

 右腕にも同じような感触。反対側を見れば、真っ直ぐ壇上の方に視線はむけているものの、右手を握っている鈴さん。

「どうした一式」

 視線をこちらに向けず、僕を気遣う鈴さん。

……いや、なんかもういいです。


 どうやら、この人たちには教師の注意など、どうでもいいらしい。いや、鈴さんのほうは辛うじてセーフだと思うが、カナメさんはアウトだ。ずっとニコニコしている。式なんか興味ない、とでも言うように。


――入学式も進み、終盤。新入生代表挨拶が始まった。

……もちろん、その間ずっと手を繋いだままである。


 壇上に上がる一人の生徒。黒く、まっすぐ伸びた髪の毛をなびかせながら、彼女は堂々とした面持ちで、マイクの前に立つ。

「在校生の皆さん。この度、代表挨拶をさせていただく雨宮心あめみやこころです――」

 雨宮と呼ばれた少女の挨拶は、それは丁寧なものだった。校長や在校生。新入生にもそう印象付けられただろう。

 かくいう僕も、その対象外にはならなかった。

 凛々しい、素直にそう思える。キリッとした目つきと、整った顔立ち。緊張なんかものともせず、動じない。声は透き通るような、心地のいいもので、入学式も終盤。終わりが近づき、だらけていた生徒も、彼女の挨拶にはきちんと耳を澄ませていた。

……まぁ、両隣に例外の人がいるみたいだけど。

「いっちゃんの手、あったかいね。ねぇ知ってる? 手があったかいと、眠いって証拠なんだよ?」

「確かに一式の手は暖かい。というかカナメ。お前その手は何だ? 入学式の最中に、影でこそこそ何をしてるかと思えば。一式も大変だったろうに。少しは一式の意見も尊重してやれ」

「あー! そうやってまた鈴ちゃん一人だけ逃げようとしてるの!?」

「何を言う。私はちゃんと前を向いて話を聞いていた。カナメはずっと、一式の方を見ていたんじゃないのか?」

「……あの、まだ入学式終わってないですよ?」

 もう少し声のボリュームを落としてほしい。というか、近くにいる何人かの生徒は、こちらをちらちら伺っていた。

 しかし、鼻で笑う鈴さん。

「関係ないさ。所詮、こんな行事、あってもなくても変わりはしない」

「そうだね~。いっちゃんは気にしすぎなんだよ~」

 鈴さんの意見に便乗するカナメさん。

……あれ? これって僕が間違ってるのかな?


明日も学校がありますので、推敲は今度やります(もういつやるのかも決まっていない

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