プロローグ
初執筆、初投降です。至らない部分が多々あると思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
質問がある。
人は――いや、生物は死んだらどうなるのだろうか?
その意識は? 心は? 魂は?
心とか魂とか、あるかどうかすらあやふやなものだが、俺はひたすらそこに疑問を感じている。
何故そんなことに悩むのか。何故だろう……。何故か昔から、ただ漠然と……死の意味について考えてきた。
その理由は……自分が近いうち死ぬかもしれない、という不安からだと思う。
俺は、生まれつき重い病を背負っていたから。いつ死んでもおかしくはないから。
だが、『死んだらどうなるか』その答えを知るには、己を実験台にする他方法がなかった。なぜなら、死んだ者の意識はその者にしかわからない。故に、俺は死ぬことで、その答えを見出すことが出来る。
自分を殺して答えを求める。そんな頭のネジが飛んだようなこと、全くもってやる気がない。
当然だ。死など望んでいない……
しかし、現実は残酷だ。俺はその答えを知ることになる。
俺には生まれつきの病がある。それは、もう間もなく俺の命を奪うだろう。
それは決定事項。俺が死ぬのはもう決まってしまった事実。
しかし、決定的に違う点があった。
おぼろげな視界を上へと向ける。そうして視界に映ってくるのは、人間の二倍くらいの大きさのカマキリ。化け物じみた大きさに加え、その鎌は一撃で大木を両断するほどの切れ味。
つい先ほど、俺の左肩から先もその餌食となった。
そして、目の前のカマキリは再びその鎌を振り上げる。その姿は、死神に最後通告されているような気分にさせてくれる。
死神の鎌とカマキリの鎌をかけて…………なんてな。
ついにその鎌が振り下ろされる。狙いは俺の脳天。一ミリも狙いがぶれず、視界の中でその鎌が大きくなる。
?
誰か、懐かしい声が聞こえた気がする。それが誰だったか……思考する間も無く、意識は闇に溶けた。
最後まで、疑問の答えを見いだせないまま…………。