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半人半骨 病弱少年は半骸骨となり  作者: 砂鴉
第1章:惨劇が告げる始まりの物語
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プロローグ

初執筆、初投降です。至らない部分が多々あると思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

 質問がある。


 人は――いや、生物は死んだらどうなるのだろうか?

 その意識は? 心は? 魂は?

 心とか魂とか、あるかどうかすらあやふやなものだが、俺はひたすらそこに疑問を感じている。


 何故そんなことに悩むのか。何故だろう……。何故か昔から、ただ漠然と……死の意味について考えてきた。

 その理由は……自分が近いうち死ぬかもしれない、という不安からだと思う。


 俺は、生まれつき重い病を背負っていたから。いつ死んでもおかしくはないから。


 だが、『死んだらどうなるか』その答えを知るには、己を実験台にする他方法がなかった。なぜなら、死んだ者の意識はその者にしかわからない。故に、俺は死ぬことで、その答えを見出すことが出来る。


 自分を殺して答えを求める。そんな頭のネジが飛んだようなこと、全くもってやる気がない。

 当然だ。死など望んでいない……



 しかし、現実は残酷だ。俺はその答えを知ることになる。



 俺には生まれつきの病がある。それは、もう間もなく俺の命を奪うだろう。


 それは決定事項。俺が死ぬのはもう決まってしまった事実。


 しかし、決定的に違う点があった。


 おぼろげな視界を上へと向ける。そうして視界に映ってくるのは、人間の二倍くらいの大きさのカマキリ。化け物じみた大きさに加え、その鎌は一撃で大木を両断するほどの切れ味。

 つい先ほど、俺の左肩から先もその餌食となった。


 そして、目の前のカマキリは再びその鎌を振り上げる。その姿は、死神に最後通告されているような気分にさせてくれる。


 死神の鎌とカマキリの鎌をかけて…………なんてな。





 ついにその鎌が振り下ろされる。狙いは俺の脳天。一ミリも狙いがぶれず、視界の中でその鎌が大きくなる。



 ?

 誰か、懐かしい声が聞こえた気がする。それが誰だったか……思考する間も無く、意識は闇に溶けた。


 最後まで、疑問の答えを見いだせないまま…………。


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