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「......ボクだよ。ボクは......あなたたちのような大人に、なりたくない」
15歳のボクは思いを口にした。
覆水は盆に返らない。
言葉は不可逆で、ひとつ自分の想いを口にしてしまっては、全ての水を被ることになってしまう。
不意に溢してしまった言葉も水も、乾くまでには相当の時間がかかって......。
ボクの思いはきっとみんなには、迷惑に違いなかった。
あぁボクは、またひとつ後悔を積み重ねてしまう。
「おい! なんだよそれっ! ......もういいよ」
35歳のボクの言葉は、曇り切ったボクの眼には届かない。
可能性の端から発現するのが思いなら、ボクはもうこれ以上の思いを持てやしなかった。
視界はぼやけ、足腰に力は入らず。
このゲームでボクの人生は終わる。
ギロチンに首を掛けたような無力感だけが残っていた。
「......世界は美しいものだ、と僕は願っている」
25歳の僕は願いを口にした。それは綺麗事で戯言だった。
現実から目を背けたような、虚構にも恥しがられるような、綺麗事だった。
「15歳だよ、そんな少女が救われない世界なんてあっていいはずがない......と僕は思う」
「そんなの綺麗事で戯言だろっ! 今、ここは、俺らの命がかかってるんだよ!」
綺麗事は現実に太刀打ちできない。
戯言は現実に見向きもされない。
「俺が、そいつを殺して、みんなで早くここから出るっ!」
35歳のボクの足音を、
殺意がこもったその足音を、
25歳のボクは体で止めていた。
「そう、綺麗事だよ。現実から目を背けたような。虚構にも恥しがられるような。綺麗事......やっぱりそれでもさ、綺麗事を戯言というこの世界の方が戯言なのだ、と僕は思うんだよ」
溢れた水に色を足してくれて
現実に太刀打ちできない綺麗事を
現実に見向きもされない戯言を
掬い上げる信念を持つ人がいるならば
その人をどう呼べばいいのだろう?
15歳のボクはまだ、その回答を持ちあわせてはいなかった。
僕の哲学は猫ロ眠@囚人Pさんで形作られているといっても過言ではありません。
「綺麗事を戯言というこの世界の方が戯言なのだ」
このセリフも猫ロ眠@囚人Pさんの作品の中で出てくる言葉です。
僕は数多くの物語に心を抉らると同時に救われてきました。
僕の残す不器用な言葉が、なにか皆様のこれまたなにかになれば幸いです。
////// 概略 //////
未来の自分自身と運命を奪い合うという舞台で書いています。
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「そして私の手の中にあるこれが、あらゆる因果を断ち切るナイフでね。たとえば、これで未来の自分を殺せば、その未来に辿り着くことはなくなる。また、過去の自分を全員殺せば、今までをやり直すことができる」
```
という感じで。デスゲームが始まりました。
プロットがあるので、ストーリーと結末は決まっているのですが。
なんだか、登場人物たちが暴れまくるような。。。
小説を書くのを夜のルーティーンにしようと思います。
これから毎日少しずつでも書いていきます!
登場人物
- ボク(15歳)<- 主人公
- 僕(25歳)
- 俺(35歳)
- 私(おそらく42歳)
猫ロ眠@囚人Pの作品群をリスペクトしています。




