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本文 4/10

「......ボクだよ。ボクは......あなたたちのような大人に、なりたくない」


15歳のボクは思いを口にした。


覆水は盆に返らない。

言葉は不可逆で、ひとつ自分の想いを口にしてしまっては、全ての水を(かぶ)ることになってしまう。

不意に(こぼ)してしまった言葉も水も、乾くまでには相当の時間がかかって......。

ボクの思いはきっとみんなには、迷惑に違いなかった。

あぁボクは、またひとつ後悔を積み重ねてしまう。


「おい! なんだよそれっ! ......もういいよ」


35歳のボクの言葉は、曇り切ったボクの(まなこ)には届かない。

可能性の(はし)から発現するのが思いなら、ボクはもうこれ以上の思いを持てやしなかった。

視界はぼやけ、足腰に力は入らず。

このゲームでボクの人生は終わる。

ギロチンに首を掛けたような無力感だけが残っていた。


「......世界は美しいものだ、と僕は願っている」


25歳の僕は願いを口にした。それは綺麗事で戯言(たわごと)だった。

現実から目を(そむ)けたような、虚構(フィクション)にも恥しがられるような、綺麗事だった。


「15歳だよ、そんな少女が救われない世界なんてあっていいはずがない......と僕は思う」


「そんなの綺麗事で戯言(たわごと)だろっ! 今、ここは、俺らの命がかかってるんだよ!」


綺麗事は現実に太刀打ちできない。

戯言は現実に見向きもされない。


「俺が、そいつを殺して、みんなで早くここから出るっ!」


35歳のボクの足音を、

殺意がこもったその足音を、

25歳のボクは体で止めていた。


「そう、綺麗事だよ。現実から目を背けたような。虚構にも恥しがられるような。綺麗事......やっぱりそれでもさ、綺麗事を戯言(たわごと)というこの世界の方が戯言(たわごと)なのだ、と僕は思うんだよ」


(こぼ)れた水に色を足してくれて

現実に太刀打ちできない綺麗事を

現実に見向きもされない戯言(たわごと)

掬い上げる信念を持つ人がいるならば

その人をどう呼べばいいのだろう?


15歳のボクはまだ、その回答を持ちあわせてはいなかった。

僕の哲学は猫ロ眠@囚人Pさんで形作られているといっても過言ではありません。

「綺麗事を戯言(たわごと)というこの世界の方が戯言(たわごと)なのだ」

このセリフも猫ロ眠@囚人Pさんの作品の中で出てくる言葉です。


僕は数多くの物語に心を抉らると同時に救われてきました。

僕の残す不器用な言葉が、なにか皆様のこれまたなにかになれば幸いです。


////// 概略 //////


未来の自分自身と運命を奪い合うという舞台で書いています。

```

「そして私の手の中にあるこれが、あらゆる因果を断ち切るナイフでね。たとえば、これで未来の自分を殺せば、その未来に辿り着くことはなくなる。また、過去の自分を全員殺せば、今までをやり直すことができる」

```

という感じで。デスゲームが始まりました。

プロットがあるので、ストーリーと結末は決まっているのですが。

なんだか、登場人物たちが暴れまくるような。。。

小説を書くのを夜のルーティーンにしようと思います。

これから毎日少しずつでも書いていきます!


登場人物

- ボク(15歳)<- 主人公

- 僕(25歳)

- 俺(35歳)

- 私(おそらく42歳)


猫ロ眠@囚人Pの作品群をリスペクトしています。

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