──*──*──*── キャンプ地
──*──*──*── テントの中
導師マオ
「 セロ、あんな事を言っちゃって本当に良かったのか?
それに宝石だって── 」
セロフィート
「 はて?
何の問題が有ります? 」
導師マオ
「 セロにしては大サービスしたじゃないか──って事だよ。
何時ものセロじゃないって言うか── 」
セロフィート
「 はぁ?
真剣な顔で何を言うかと思えば──。
恩を売っただけですし。
魔獣を倒した報酬を団長さんに請求しなくても、路銀には困りません。
それに渡した宝石は、≪ 日本国 ≫の鉱山で採掘され、加工されたモノです。
出回っていない事も稀少価値が高い宝石なのも事実です。
≪ エンデバリル王国 ≫で付けられる価値は知りませんけど、二束三文にはならないと思います? 」
導師マオ
「 疑問系かよぉ~~。
馬車を直すのは良いけどさ、馬車馬が居なくても走る様にするって、どうやるんだ? 」
セロフィート
「 動力原を〈 テフ 〉にします。
馬車には〈 テ原質フの源みなもと 〉を動力原エネルギーとして使える様ように魔法陣マジカルサークルを描えがきます。
折角の馬車が壊れない様ようにコーティング魔法マジックも掛けます。
馭ぎょ者しゃの座すわる場所にハンドルを付け、足で踏める様ようにアクセルとブレーキも付けます 」
導師マオ
「 自動車っぽくするって事か? 」
セロフィート
「 “ 自動車もどき ” ですね。
石炭も無ければ電気の無い時代です。
馬車の中を民家の様ように出来る高度な錬金術が存在しているなら、誤魔化せるでしょう 」
導師マオ
「 誤魔化せるのかな~~?
でもさ、結局は動けば良いいんだもんな。
セロがするなら間ま違ちがいないよ! 」
セロフィート
「 嬉しい事を言ってくれますね 」
導師マオ
「 そうかな?
惚ほれてるからだよ!(////)」
セロフィート
「 久し振ぶりに『 いいこと 』しちゃいます? 」
導師マオ
「 えっ(////)
良いいのか?
オレは嬉しいけど……(////)
良いいのかな? 」
セロフィート
「 勿論です♪
来きてください──マオ 」
導師マオ
「 セロぉ~~(////)
愛してるよ♥️ 」
セロフィート
「 ワタシもです。
誰よりも愛いとしいワタシだけのマオ── 」
オレはセロの胸に飛び込んで抱き付いた。
セロはオレを優しく抱きしめてくれる。
気持ちが落ち着いて安やすらぐ香かおりがする。
セロフィート
「( おやすみ、導師マオ様──。
君きみ好ごのみの楽しい夢を見るんだよ。
さてと──、≪ 大陸 ≫の何ど処こに不浄の発生源が有るのかな?
〈 ゴデッセルロドール 〉として、≪ 大陸 ≫が人類の数かずを減らしたいなら、“ 大陸の意思 ” をち・ゃ・ん・と・汲くまないとね )」
セロフィートは熟睡スリープ魔法マジックで眠らせた導師マオの頭を優しく撫でながら古代エンシェント魔法マジックを発動させる。
出現した魔法陣マジカルサークルの中央に映像が映うつし出だされる。
セロフィート
「( ふぅん?
綺麗な花はな畑ばたけだねぇ。
成なる程ほどねぇ──。
ユラフの花に不浄を生うみ出ださせているのか。
上う手まい事を考えるねぇ。
昼ひる間まは純じゅん白ぱくで美しい無害なユラフの花も、夜や間かんには不浄を生うみ出だす有害なユラフの花に早変わりか── )」
映うつし出だされている映像には、一面に咲き誇る純白で美しいユラフの花が上うえに向いている。
3枚の花はな弁びらが重なっている中から、黒い不浄が空気中ちゅうへ吐はき出だされている。
不浄は風に乗って、四し方ほう八はっ方ぽうへ運ばれて行く。
セロフィート
「( 不浄を風に運ばせて大陸全土へ送っている訳だね。
不浄を生うみ出だす花はな畑ばたけを焼け野原にでもしない限り、魔獣ジエンダは現あらわれ続けて人類の数かずを減らし続ける──。
これはマオには教えられないなぁ。
仮にボクが焼け野原にしても “ 大陸の意思 ” で直すぐに復活させてしまえるから、無駄な事はしないでおこう。
≪ 大陸 ≫から賄賂を受け取ってしまったからね )」
セロフィートはマオから渡された黄色の綺麗な石を出だすと微笑む。
≪ 大陸 ≫からの賄賂とは、不浄の濃度が高い魔獣ジエンダを倒した時ときに残った綺麗な石の事だとセロフィートは見抜いていたのだ。
セロフィート
「( 不浄から生うまれるのが魔獣ジエンダだけじゃ面おも白しろ味みが無いかな。
あぁ──、そうでも無いみたいだねぇ。
ふぅん…………魔獣ジェンダ以外にも生うまれているんだ──。
悪魔デモン,魔族ディモム,魔神デーエンの類たぐいも不浄から生うまれる様ようにしたんだねぇ。
でも、少し物もの足たりないかな。
ボクのマオは “ 欲しがりさん ” だからね♪ )」
別の光景が映うつし出だされている映像を花はな畑ばたけに戻すと、古代エンシェント魔法マジックを発動させる。
セロフィート
「( 旅にはピリッと効いたスパイスが無いとね )」
セロフィートの古代エンシェント魔法マジックに依よって、花はな畑ばたけに咲いている白くて美しいユラフの花の色いろが、鮮血を吸った様ように真まっ赤かに染まる。
全すべてのユラフの花ではなく、1000本に1本の割合で色いろを変えた。
セロフィート
「( 高濃度の不浄を生うみ出だせる様ように手て心ごころを加えたから、近い内うちに魔獣ジエンダ,悪魔デモン,魔族ディモム,魔神デーエンを統すべる魔王サタンが生うまれ出でるだろう。
これで多少は楽しい旅を送れそうかな♪
生うまれ出でた魔王サタンの事は “ 大陸の意思 ” に任せるとしよう )」
セロフィートは映うつし出だされてい映像を別の光景に変える。
其そ処こには魔神デーエンが率ひきいる魔族ディモム,悪魔デモン,魔獣ジエンダの大群が映うつし出だされていた。
セロフィート
「( 大群が大軍に変わるのも時間の問題かな。
その時ときは全すべての国くに々ぐにに在る≪ 王都ベルフエルク ≫を落とす手て伝つだいをしよう。
“ 大陸の意思 ” がくれた賄賂の御返しにね )」
セロフィートは魔法陣マジカルサークルを消すと、読書を始めた。
夜は静かに──然されど、不気味さを増して過ぎ去って行くのだった。
◎ 訂正しました。
安やすらぐ香かおりりがする。─→ 安やすらぐ香かおりがする。