✒ 旅芸人一座 1
──*──*──*── 2週間後
──*──*──*── 集落
大陸神の御遣い
「 キノコン、後は頼んだエリ 」
キノコン:本体
「 ≪ 集落 ≫の事は任せるエリ 」
セロフィート
「 大陸神の御遣い様,導師マオ様──、出発しましょう 」
導師マオ
「 うん。
オグレさん、見送り有り難う。
困った事が起きた時は、遠慮せずキノコンに頼ってね 」
代表者:オグレ
「 導師マオ様、何から何まで有り難う御座いました!!
この御恩は一生忘れません! 」
導師マオ
「 次、立ち寄った時には立派な≪ 街 ≫になってるかも知れないね! 」
代表者:オグレ
「 其処まで発展してくれたら嬉しい限りです(////)」
セロフィート
「 大陸神の御遣い様から加護を得ているキノコンが手伝ってくれます。
間違いなく、発展する事でしょう 」
代表者:オグレ
「 はい!
我々もキノコン様と共に豊かになる様に頑張ります! 」
2週間、滞在させてたもらった≪ 集落 ≫に別れを告げて旅立つ。
1体のキノコンを≪ 集落 ≫に残して管理を任せる。
先ずは≪ 集落 ≫を1つ占拠って所かな?
──*──*──*── フィールド
徒歩で移動中、遭遇した魔獣を倒しながら旅を続ける。
どうやら不浄の濃淡に依って魔獣の強さは異なるみたいだ。
魔獣は基本、単独行動はしないで群れで行動をするらしい。
1回の戦闘で複数の魔獣と戦う事になるんだけど──、全く言って良い程、セロとキノコンは見ているだけで、手伝ってくれない。
セロは終わる迄、椅子に腰掛けて読書に耽る始末だし、キノコンはと言えばキノコンと一緒に高性能なビデオカメラを構えて、魔獣と戦っているオレの姿を撮影している。
キノコンが高性能なビデオカメラを使うのは良くて、オレがベッドを使って寝るのが駄目な理由が分からない。
幾ら何でも依怙贔屓過ぎやしないかなっ!
キャンプを繰り返しながら、次の≪ 集落 ≫を目指して旅をしていると、数台の馬車が魔獣の群れに囲まれているのが視界に入る。
旅商人の馬車かな??
導師マオ
「 セロ──、助けに向かう!
良いよな? 」
セロフィート
「 勿論です。
導師マオ様の活躍を広く弘めてもらうとしましょう 」
馬車に向かって走りながら、白手袋から愛剣を出す。
愛剣に元素魔法を纏わせて、魔獣に斬り掛かる。
導師マオ
「 ──強いっ?!
今迄の魔獣と違う?? 」
セロフィート
「 不浄の濃度が高いのでしょう。
眠らせますから、導師マオ様はトドメを刺してください 」
導師マオ
「 セロ!
今回は手伝ってくれるんだな♪ 」
セロが睡眠魔法を使ってくれる。
どうやら普通の睡眠魔法じゃなくて、熟睡魔法の方みたいだ。
眠ってしまってピクリともしない魔獣にトドメを刺して倒す。
不浄が散って魔獣の姿が消えると綺麗な石が残った。
導師マオ
「 何だこれ?
魔獣が何かを落とすなんて初めてだな 」
濃い黄色をしている綺麗な石を拾ってマジマジと見る。
導師マオ
「 セロ、これって何かな? 」
セロフィート
「 不浄の濃度が高い魔獣を倒すと落とすのかも知れません。
“ 大陸の意思 ” の計らいでしょう。
旅をしながらかなりの数の人間を減らしましたし 」
導師マオ
「 御礼……って事かな? 」
セロフィート
「 頂いておきましょう。
何かの役に立つかも知れません 」
導師マオ
「 そうだな! 」
オレは拾った綺麗な石をセロに手渡した。
大陸神の御遣い
「 導師マオ──、怪我人が居るエリ。
奇蹟の能力で怪我人の傷を治すエリ 」
導師マオ
「 大陸神の御遣い様は視力が良いな! 」
馬車へ向かって歩くセロを置いて、オレは駆け足で馬車へ向かった。
──*──*──*── 馬車の前
導師マオ
「 怪我人は手を挙げて!
治療するから 」
怪我人
「 あぁっ……!!
有り難う御座います!! 」
手を挙げてくれた人達にキノコンが傷の状態に依って布を巻いてくれる。
重傷に近い傷を負っている怪我人から順番に回復魔法を使う。
怪我人の治療を終えれた頃にセロが来た。
導師マオ
「 セロぉ~~。
遅いぞ! 」
セロフィート
「 ピッタリでしょうに。
馬車の状態を確認しました。
走るのが無理な馬車が有ります 」
導師マオ
「 えぇっ!?
馬車が動かないなら、この人達はどうするんだよ? 」
セロフィート
「 先ずは代表者と話をしましょう 」
導師マオ
「 お…おぅ…… 」
セロフィート
「 もし、お嬢さん。
この中に代表者の方は居ません? 」
お嬢さん
「 あ…はいっ!
代表者…………団長ですね!
団長の馬車へ御案内します! 」
案内してくれる “ お嬢さん ” は、10代前半くらいの幼さの残る女の子だ。
お嬢さん
「 私は “ パトリシナ ” と言います。
団長補佐をしている兄の義妹です 」
導師マオ
「 オレはマオ・ユーグナル。
魔獣を倒す導師をしてるんだ。
セロとキノコンからは “ 導師マオ ” って呼ばれてるよ 」
パトリシナ
「 導師……様?
魔獣を倒せるなんて凄いです!!
今迄、魔獣を倒せる人なんて居なかったのに! 」
導師マオ
「 高身長で真っ白いのがオレの育ての親で吟遊大詩人のセロフィート。
キノコンはオレを導師にした大陸神様の化身──大陸神の御遣い様なんだ 」
パトリシナ
「 吟遊大詩人様と大陸神様の化身……。
す…凄い人達なんですね…… 」
導師マオ
「 あはは……。
まぁね? 」
パトリシナ
「 此方が団長の馬車になります。
団長に知らせて来ますね 」
パトリシナが馬車の中へ入って暫くすると、20代前半くらいの若い男が出て来た。
若い男
「 パトリシナから話は聞きました。
どうぞ中へ御入りください 」
導師マオ
「 有り難う 」
若い男に促されて馬車の中へ入った。