✒ 旅の醍醐味、楽しいイベント♥
──*──*──*── フィールド
≪ 集落 ≫を出て、セロと一緒に周囲を見回りしながら歩く。
今の所、魔獣は現れていない。
導師マオ
「 魔獣ってさ、何処から来るんだろうな 」
セロフィート
「 それはワタシにも分かりません。
どの様に不浄が出現し、魔獣に姿を変えるのか──。
全ては “ 大陸の意思 ” 次第です 」
導師マオ
「 “ 大陸の意思 ” はさ、人間を絶滅させたくて数を減らしてるのか? 」
セロフィート
「 “ 大陸の意思 ” に人間を絶滅させる気はないです。
唯単に増え過ぎた人工を減らそうとしているだけです。
一定数減らせさえすれば、老若男女,善人悪人も関係無いです 」
マオ
「 ふぅん?
魂を回収するノルマの達成さえ出来れば、人間で有ればどんな種類でも構わない死神と同じって事かな? 」
セロフィート
「 ふふふ…そうですね。
それは人形にとっても同じ事です 」
マオ
「 ざっくりしてて大雑把なんだな… 」
セロフィート
「 〈 久遠実成 〉に依って与えられた寿命を≪ 地球 ≫が全う出来る様に、人類の数を減らす役目を任されている人形には、“ 大陸の意思 ” を否定し、邪魔する権利は無いです。
寧ろ立場的には “ 大陸の意思 ” を肯定し、手伝う立場です 」
導師マオ
「 ……………じゃあさ、“ 魔獣を倒して人間を助ける ” って行為は、“ 大陸の意思 ” の邪魔をしてる事になるんじゃないのか? 」
セロフィート
「 そうでもないです。
結果的に人間の数を減らせれば良いのです。
減らす為の手段は問われてません 」
導師マオ
「 じゃあ、このまま魔獣を倒し続けても大丈夫なのか? 」
セロフィート
「 勿論です。
“ 大陸の意思 ” の方法,マオの方法,人形の方法に違いが有ろうとも、結果的に人間の数が減らせていれば何の問題も無いです。
ワタシ達はワタシ達の方法で人間の数を減らし、“ 大陸の意思 ” の手伝いをすれば良いです。
安心しました? 」
導師マオ
「 人間には聞かせられない内容だな…… 」
セロフィート
「 ふふふ…。
そうですね。
マオは悪人を優先して人間の数を減らそうとしている訳ですから、魔獣を倒して旅を続けても “ 大陸の意思 ” の邪魔をする事にはなりません。
遠慮する必要は無いです。
思う存分に魔獣を倒してください 」
導師マオ
「 分かった。
それを聞いて少し気持ちが軽くなったよ 」
セロフィート
「 それは良かったです♪
では早速、人間の数を減らし、≪ 大陸 ≫を守る為に頑張っている“ 大陸の意思 ” に貢献するとしましょう 」
導師マオ
「 何をする気なんだ? 」
セロフィート
「 決まってます。
旅の醍醐味、路銀の調達です♪ 」
導師マオ
「 盗賊狩りかぁ~~。
“ なんちゃって導師 ” になってもする事は変わらないな 」
セロフィート
「 旅に欠かせない楽しいイベントですし 」
導師マオ
「 イベントって……。
でも…そうだよな。
魔獣だけが脅威じゃないもんな。
よし、いっちょ盗賊狩りして、ガッポリしよう! 」
セロフィート
「 それでこそ、ワタシだけのマオです♪ 」
セロにしてみたら “ 魔獣退治 ” は≪ 集落 ≫ を出る為の手段でしかなく、本当の目当ては “ 盗賊狩り ” って事だ。
という訳で、セロが古代魔法を発動させて盗賊の居場所を探してくれる。
彼此移動しながら盗賊達を探し回らず、お手軽に見付けられるから非常に便利だ。
セロフィート
「 見付けました♪
早速、向かいましょう 」
導師マオ
「 おぅ! 」
セロが転移魔法を使うと足元に魔法陣が現れて光り出した。
──*──*──*── 夕刻
導師マオ
「 いやぁ~~~~、今回は大漁だったな!
盗賊だけじゃなくて、奴隷商人も一緒に狩っちゃっうなんてな 」
セロフィート
「 楽しかったですね、マオ♪ 」
マオ
「 オレは名乗った後、見てた “ だけ ” だけどな! 」
盗賊達の住み処に付いたら、盗賊達に大々的に導師マオとして宣伝をした後、何時ものパターンでセロが睡眠魔法で盗賊達を眠らせてしまう。
召喚したキノコンに盗賊達が身に付けている物を剥ぎ取らせ、真っ裸にした後に転移魔法で〈 合成獣 〉達の餌場へ転移させる。
後は勝手に繁殖をさせて、餌を数を増やさせて、時期が来たら〈 合成獣 〉達の餌になってもらうだけだ。
盗賊達から剥ぎ取った戦利品と盗賊達が集めた金銀財宝を回収したら、盗賊の住み処をキノコンに任せて管理させる。
戦利品の仕分けをしたり、導師マオの布教活動をする為の活動拠点として再利用するんだ。
保護した人間達は故郷へ帰したり、≪ 集落 ≫の集民として暮らせる様に代表者へ交渉する予定だ。
奴隷商人から救助した奴隷達も同様だ。
導師マオ
「 何はともあれ、路銀の調達は十分過ぎる程に出来たから、旅には困らないな。
盗賊達も奴隷商人達も目が覚めたら真っ裸になった状態で森の中だから、戸惑うだろうな 」
セロフィート
「 餌の心配等してどうします。
散々悪事を働き、奪いたいだけ奪い好き勝手に生きて来た彼等に対する御褒美です。
大粒の涙を流して喜んでくれてます 」
導師マオ
「 そうだな!
沢山他人から奪って生きてたんだもんな。
生きたまま〈 合成獣 〉達に遊ばれた後、美味しく喰べてもらえるんだ。
相応しい死に方だよ 」
セロフィート
「 ふふふ…。
彼等は幸運であって、決して不幸はないです 」
導師マオ
「 良い事をした後は清々しいな! 」
セロフィート
「 今日は切り上げて≪ 集落 ≫へ戻りましょう 」
導師マオ
「 そだな! 」
そんな訳で、懐がホクホクしてる状態で≪ 集落 ≫へ戻る事にした。