──*──*──*── 集落
貧しい≪ 集落 ≫に危険を知らせる鐘の音が鳴り響く。
魔獣の大群が≪ 集落 ≫に向かって来ているのだ。
魔獣の大群を率いている存在が居た。
1体の魔族が数体の悪魔を引き連れ、魔獣の大群を率いている。
因みにだが、1体の魔族と数体の悪魔はセロフィートが用意した〈 器人形 〉ではなく、不浄から生まれた正真正銘,本物の魔族と悪魔である。
セロフィートが古代魔法を発動し、魔獣の大群を≪ 集落 ≫へ集めている時──、別の場所に在る≪ 集落 ≫が1体の魔族と数体の悪魔と魔獣の大群に襲撃され様としていた。
そんな事態が別の場所で起きている事を知らない導師マオは、立ち寄る予定の≪ 集落 ≫に向かって走っていた。
何処かに居た魔獣の大群が古代魔法の力で召喚されたのだ。
召喚された魔獣の数は、1000体を軽く超えていた。
導師マオは走りながら、白手袋から愛剣を出すと、元素魔法を纏わせる。
風魔法を上手く使い、身体を浮かせると抜群のバランス感覚で風魔法を操り、魔獣の大群の中へ突っ込んで行く。
地に足を付けず、宙に浮いた状態で器用且つ、スピーディーに魔獣を次々に倒して行く。
大陸神の御遣いに扮するキノコンは、安全な場所を確保した後、先端が光る杖を振りながら合図を出して、分身体に集民達の避難誘導をさせている。
セロフィートは魔族の数を減らす為、熟睡魔法を使い眠らせた後、〈 テフ 〉へ変換している。
何なんの前まえ触ぶれもなく突如として現れた魔族ディモムの大群を前まえにパニクっていた集しゅう民みん達は、颯さっ爽そうと現れた名なも知らない不思議な能力ちからを使う2名めいの人間と奇妙な見た目の生物に救われる形となった。
導師マオ
「 これで最後だなっ!
──ふぅ~~~~。
随分と数かずが多かったな……。
( セロめぇ~~。
『 程ほど々ほどにな 』って言ったのにぃ!
文句言ってやらないとだ! )」
セロフィート
「( 上出来かな。
あんなに多くの魔族ディモムを集めるつもりは無かったんだけどね──。
マオが大活躍する事が出来たし、結果オーライかな )」
導師マオ
「 セロの奴ぅ~~何ど処こに居いるんだ? 」
セロフィートの古代エンシェント魔法マジックが発動した時とき──、まさに≪ 集落 ≫を蹂じゅう躙りんしようと進行していた魔族ディモムと悪魔デモン達だったが、後ろを歩いていた魔族ディモムの大群が忽こつ然せんと姿を消してしまった事で、戸と惑まどった魔族ディモムと悪魔デモン達は魔族ディモムの大群が無い状態で≪ 集落 ≫を襲撃する事態となったのだった。
因ちなみに魔族ディモムと悪魔デモン達に攻め込まれ、襲われた≪ 集落 ≫は壊滅し、集しゅう民みん達は魔族ディモムと悪魔デモン達に捕とらわれてしまい、奴隷として連行されてしまった。
導師マオ
「 あっ、セロ──!! 」
セロフィートの姿を見付けた導師マオは走る。
セロフィート
「 導師マオ様、ご無事でしたか 」
導師マオ
「 良よく言うよ!
それより!
{ 幾いくら何なんでも数かずが多過ぎたんじゃないか?
『 程ほど々ほどにな 』って言ったじゃんかよぉ~~ }」
セロフィート
「 はて?
そんな約束しました? 」
導師マオ
「 セぇロぉ~~~~ 」
セロフィート
「 ふふふ…。
そう膨れないでください♪
河フ豚グみたいに可愛いです♥️ 」
導師マオ
「 河フ豚グに例えるなっ!! 」
セロフィート
「 何なにはともあれ、大活躍も出来ましたし、大成功です。
終わり良よければ全すべて良よし──です♪ 」
導師マオ
「 はぁ…………。
疲れたから早く休みたいよ…… 」
セロフィート
「 大陸神の御み遣つかい様が居おられる《 避難場所 》へ向かいましょう 」
導師マオ
「 そだな…… 」
──*──*──*── 避難場所
大陸神の御み遣つかいが設もうけた《 避難場所 》には≪ 集落 ≫で暮らしている集しゅう民みん達が集まっていた。
大陸神の御み遣つかいは、怪我をしていない元気な集しゅう民みん達に役目を与え、怪我人達の世話をさせたり、逃にげ遅れてしまった集しゅう民みんが居いないか確認をさせていた。
導師マオ
「 キノコン──じゃなくて、大陸神の御み遣つかい様!
集しゅう民みんは無事ですか? 」
大陸神の御遣い
「 導師マオ──、お疲れま様エリ。
今、分身体たいに今こん夜やの寝ね床どこに使うテント張りと、炊き出だしの準備をさせてるエリ。
倒壊した民家に逃にげ遅れた集しゅう民みんが居いないか確認もしてるエリ。
瓦がれ礫きの撤去作業も平行して行おこなっているエリ 」
導師マオ
「 流さす石が大陸神の御み遣つかい様ですね。
手慣れてますね 」
セロフィート
「 《 避難場所 》は大陸神の御み遣つかい様に任せ、導師マオ様は≪ 集落 ≫の長おさに会いましょう 」
導師マオ
「 そうだな。
怪我人は居いるけど、重傷者は居いなさそうで安心したよ。
長おさは何ど処こに居いるのかな? 」
セロとオレは≪ 集落 ≫の長おさを探した。
──*──*──*── 救護所
怪我人達が集められて居いる場所を通とおっているとセロが歩あゆみを止とめた。
導師マオ
「 セロ、どうしたんだ? 」
セロフィート
「{ 折角ですし、怪我人を治療し恩を売るとしましょう }
導師マオ様、大陸神の御み遣つかい様から授さずかった奇蹟の力ちからを使い、魔獣ジエンダの被害を受けた集しゅう民みん達の怪我を癒いやして差し上あげては如何いかがでしょう 」
導師マオ
「 そ…そうだな……。
傷が残っても可哀想だもんな? 」
セロフィート
「 皆みなの者もの──、魔獣ジエンダの大群を討伐された導師マオ様が、傷の治療を行おこないます。
奇蹟の力ちからに肖あやかりたい怪我人は、1列に並びなさい 」
セロが言葉を発はっすると怪我人達が顔を上あげて立ち上あがる。
次つぎ々つぎと怪我人がオレの前まえに並び始めた。
“ 大陸神の御み遣つかい様から授さずかった奇蹟の力ちから ” だなんて大おお嘘うそを吐ついてちゃってぇ~~。
本ほん当とは元素エレメント魔法マジックの回復ヒール魔法マジックなのにな!
素直に規則正ただしく1列に並んでくれている怪我人達に、回復ヒール魔法マジックを使い、傷を癒いやして行く。
素エ質ナが無くて魔法マジックを使えない集しゅう民みん達は、初めて見る回復ヒール魔法マジックを不思議そうな顔をしている。
驚いたり、感動したりしながら、感かん嘆たんの声を上あげながら、傷が治った事を喜んでいる。
治療を受けた集しゅう民みん達は、オレに向かって両手を合わせて拝おがんでいる。
セロフィート
「 導師マオ様、彼で最後です 」
導師マオ
「 おぅ! 」
セロフィート
「 お疲れ様です、導師マオ様 」
導師マオ
「 ──ふぅ~~。
結構居いたよな。
途中で熟練度が上あがった気がするよ 」
セロフィート
「 良よかったですね 」
???
「 あの──、宜しいでしょうか? 」
導師マオ
「 えと、未まだ怪我人が居いたんだ?
何ど処こを治なおしたら良いいかな 」
???
「 い…いえ……私は≪ 集落 ≫の代表者をしています。
オグレと申します。
≪ 集落 ≫の危機を救ってくださり、有あり難がとう御座いました。
あんなに多くの魔獣が向かって来きたのは生うまれて初めての事で──。
どうなる事かと思いました…… 」
セロフィート
「 死者が出でなくて幸さいわいでした。
重傷者も居いない様ようですし。
落ち着ける場所で座すわって話しましょう 」
セロの提案を何ど処こで聞いていたのか、近ちか付づいて来きたキノコン分身体がテントへ案内してくれる。
テントの下したには丸太で作られた3脚の椅子が置かれている。
テーブルまで用意されていて、テーブルの上うえには喉を潤うるおす為の飲み物をキノコン分身体が置いてくれた。
セロフィート
「 導師マオ様、お座りください 」
導師マオ
「 うん…… 」
オレが丸太の椅子に腰を下おろして座すわると、見届けたセロが丸太の椅子に腰を下おろして座すわる。
≪ 集落 ≫の代表者オグレさんは丸太の椅子には座すわらず、地面に両膝を付いた状態で座すわる。
≪ 日にっ本ぽん国こく ≫の言葉で言えば、正せい座ざだな。
折角キノコン分身体が用意してくれた椅子だから、座すわる様ようにと促うながしてみたけど、代表者オグレさんは「 畏おそれ多おおいです 」とか言って拒きょ否ひされてしまった。
セロから「 導師マオ様に対する敬意の念を行動で示してくれているのでしょう。無理意地はせず、オグレさんの想いを汲くみ、敬意を受け取りましょう 」なんて言われたら、諦めるしかない。
代表者オグレさんは正せい座ざの状態で、セロと導師マオに対して感謝の気持ちを伝えてくれる。
何ど処こかに隠れて、宙ちゅうを浮いた状態で移動しながら魔獣ジエンダを倒していたオレの姿を見ていたんだろう。
宙ちゅうに浮きながら魔獣ジエンダを倒したのは、やり過ぎだったかも知れない。
セロの事、言えないな~~。
不思議な能力ちからを使い、宙ちゅうに浮きながら、不思議な能力ちからを武器に纏わせて魔獣ジエンダを倒していた様子を見て、“ 導師の再来 ” だと感じたらしい。
傷を癒いやして治なおした奇蹟の力ちからを見て、“ 導師の再来 ” を確信したらしい。
極め付けは “ 大陸神の御み遣つかい ” と呼ばれた喋るキノコンの存在だ。
分身体たい達が必要で的確な行動をテキパキと行おこっている姿は集しゅう民みん達への励はげましとなっていた。
元気な者達はキノコン分身体の元もとに集まり、精力的に手伝いをする為に動き回っている。
代表者:オグレ
「 導師様、今の私達に出来る限りの御ご恩おん返がえしをさせて頂きたいです。
受けて頂けませんでしょうか── 」
セロフィート
「 有あり難がたい申し出です。
ですが、壊かい滅めつ手て前まえの状態である≪ 集落 ≫には余裕が無いでしょうに。
先まずは≪ 集落 ≫を復興させるのが先さきです。
民家を失った集しゅう民みんは野の宿じゅくをする事になります。
幼い子供に迄、野の宿じゅくをさせる訳にはいかないでしょう 」
導師マオ
「 そうだな。
民家を失った集しゅう民みん達にはキノコン分身体が用意してくれてる仮設テントに移うつってもらおう。
新しい民家が完成する迄の一時的な寝ね床どことして使ってもらえると良いいよな。
先まずは民家を失った家族を優先的に仮設テントへ案内してほしい。
出来れば1人者に対しては、他ほかの人と共同で仮設テントを使用してもらいたい 」
セロフィート
「 瓦がれ礫きの撤去作業も進んでいますし、倒壊した民家の更地化も同時進行で進んでいます。
順調なら明あ日すの午前には民家の建設を開始させる事が出来ます 」
導師マオ
「 大陸神の御み遣つかいのキノコン分身体に任せれば、≪ 集落 ≫の復興も直すぐだから安心したら良いいよ。
御礼は≪ 集落 ≫の復興を祝う “ 復興祭 ” と一緒で構わないよ 」
代表者:オグレ
「 有あり難がとう御座いますっ、導師様!! 」
導師マオ
「 オレにも出来る事が有れば、セロと一緒に手て伝つだうしな!
だろ、セロ! 」
セロフィート
「 導師マオ様に出来るのは、≪ 集落 ≫周辺の見回りと≪ 集落 ≫に近ちか付づく魔獣ジエンダの退治となります 」
導師マオ
「 そっか。
魔獣ジエンダは魔法マジックを使わないと倒せないもんな 」
代表者オグレさんは “ 魔法マジック ” という聞き慣れない言葉に対して、頭の上うえに?ハテナを飛ばしながら首を傾げている。