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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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ヒトの街へ ⑬

「大きかった場合はどうすんだ?」

「詰め物で調整するもんでさあ」

「なるほどなあ」

 てことは、平均的な大人のサイズよりもワンサイズ大きめに作られている可能性も有るのか。

 この帽子に俺の頭が入るなら、ケイナの頭が入らねえ、なんてことは無いだろう。


「大きさを見てみて構わねえか?」

「どうぞ」

 仮称店主の了解を得て帽子を被ってみる。

 ふぅん? やっぱり、ちょっと大きめだな。

 だが、内側に犬っコロの毛皮を縫い付ければ、ケイナには丁度良いサイズになりそうだ。

 本来の頭防具としての性能的にも、毛皮ならクッション性も良いだろう。


「コイツの値段は?」

「銀貨5枚」

「へえ?」

 思ったよりも安いな。

 皮革が安いのか?

 原価のほとんどが技術料なら有りそうな値段だが、逆に人件費が異常に安い可能性も有るな。


 村人のオッサンどもから聞き出した情報では、この国の貨幣には大小の銅貨と大小の銀貨と大小の金貨が有るらしい。

 十進法で大小のサイズと硬貨の素材が繰り上がるんだと。

 一般的に銅貨や銀貨や金貨と言われれば、小サイズを指すそうだ。

 入市税の銀貨1枚を1000円だと仮定すれば、最小の銅貨で1枚10円、最大の大金貨で1枚100万円ってことになる。


 この帽子は5000円ってことだな。

 適正価格も分からねえけど、日本での金銭感覚で言えば、手縫いの本革製飛行帽で5000円なら、メチャクチャ高いって感じはしねえな。

 手持ちの現金は大銀貨で25枚ほどだ。小銀貨だと250枚になるな。

 余裕が有るとは言い難いが、素材を売って現金を作りに行くための経費としては予算内だな。


「詰め物を縫い付けるための道具も欲しいんだが、置いてるか?」

「ウチは武器屋ですぜ? 裁縫道具は小道具屋へ行ってくんな」

 なるほど。道理だな。


「そりゃあ、そうか。小道具屋はどこにある?」

「隣(となり)でさあ」

 仮称店主は、親指を立ててクイッと右側を指した。

 ポケットに突っ込んでいた硬貨を手探りで5枚取り出してカウンターに並べる。


「分かった。コイツを貰ってくわ」

「毎度」

 最後まで愛想の無い返事を背中で聞きながら、ケイナを促して店を後にした。

 武器屋を出てすぐに建物と建物の隙間に入ってケイナに帽子を手渡す。


「これなら耳を隠せそうか?」

「やってみます」

 立ち位置を入れ替えて、表通りから見えないように俺の背中でケイナを隠すと、フードを脱いだケイナが帽子を被る。

 やっぱりブカブカだな。

 帽子の垂れ耳の部分で上手くケイナの耳は隠れているが、サイズが大きすぎて目元ギリギリまで帽子で隠れてしまっている。


 幼児だった頃のヒナに現場用のヘルメットを被らせたときが、こんな感じだったな。

 こうやってオーバーサイズの衣服類を身に付けると、幼さが強調されて見える。

 詰め物の加工をした上で、垂れ耳の先っぽに重石か何かを仕込めば、多少動いても脱げにくくなるだろう。

 宿で夜なべすればイケそうだ。

 それには詰め物加工をするための裁縫道具が必要だな。


「かなり大きいですね」

「今の状況なら都合良いか」

「はい」

 帽子を被ったまま頷くケイナにフードを被せてやり、表通りに戻る。


「ここか?」

 右隣の建物の窓から屋内を覗くとゴチャゴチャと雑多なものが置いてあるのが見えた。

 武器屋が言っていた通り、ここが小道具屋で合っているのだろう。


「入るぞ」

「はい」

 壁に貼り付いている木製ドアのハンドルを引いて店内に踏み込む。



ヒトの街へ⑬です。


ブカブカ美少女!

次回、情報収集!?

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