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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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クラン ㊺

 手を触れずに物理攻撃ねぇ・・・。

 “念動力(サイコキネシス)”とかいうヤツか?

 ああ、いや。サイコキネシスだと超能力で、魔法じゃねえのか。


 第二次世界大戦時の軍服っぽい衣服を着てるのも気になる。

 銀髪が金髪を背負って飛んでるのも意味不明だしな。

 敵か味方かも分からねえ以上は気が抜けねえ。

 訊いてみた方が早えか。


「へぇ? 今の、どうやったんだ?」

「・・・お、女の子の秘密です」

 気軽さを装って訊いてみれば、僅かな逡巡を見せた銀髪女児は手の内を隠した。

 けどよ。言うに事欠いて、その誤魔化し方はねえだろ。

 まだ女にもなってねえ歳だろうに、マセてるというか何というか、ウケちまった。


「そりゃあ、訊かねえ方が良さそうだ」

 敵対する意志はねえ、と態度で示しているつもりだが、警戒されてんなあ。

 金髪の方は口は開かねえが、俺の何が面白えのか興味津々で見ているのが丸分かりだ。


 独特な間を空けて喋る銀髪の方が野良猫みてえに警戒心は強そうだが、一応は社交性を示そうとしているらしい。

 さて、どうしたもんか。

 人間にしてはヤバそうな反応も近付いて来てるんだよなあ。

 獲物を担いでサッサと逃げ出した方が良いか?


 しかし、この嬢ちゃんたちの服装が気になる。

 軍服、あるいは制服を着てるってことは、貴族だの領主だの権力寄りの立場には違いねえんじゃねえか?

 だとしたら、拙いかもな。

 穏便に撤退したいところだが―――。


「・・・あの。周りに隠れてる6人って、お知り合いですか?」

 不意に銀髪嬢ちゃんが指摘してきてドキッと心臓が跳ね上がる。

 動揺は隠せたと思うが、隠れているケイナたちの存在を察知されただけじゃなく人数まで言い当てられた。


 恐らくは、魔法か。

 じっと俺に目を向けたままで「人」と断言して言い当てたのだから、それしかねえな。

 魔獣と普通の動物と人間を区別できるとなれば危険物センサー以上の精度だぞ。


「凄いな。アンタ。正確な人数まで分かるのか」

 心中で舌打ちするが、また致命傷じゃねえ。

 まだ少し逃げ出しにくくなっただけだ。


 ただ、この嬢ちゃんが視界外にいる人間を察知する手段を持っているとなれば、敵に回すとクソほど厄介な能力だぞ。

 どこへ逃げても虱潰しにされりゃあ潜伏場所を察知されてやり過ごすことも出来ねえ。

 子供に手を掛けるのは気が進まねえんだが、敵だと確定すれば真っ先に殺しておかねえと逃げ切れねえな。


「・・・女の子の―――」

「分かった分かった。訊かねえって」

 魔法だと手段の目星と性能のアタリが付いた以上、魔法がサッパリ分からねえ俺が探っても意味はねえから、手の内を探るつもりはなかったんだがな。

 また下手な言い訳をされそうになって、もう良いとパタパタ手を振って遮る。


 ここでケイナたちを逃がしても敵認定されて追われる可能性が高いな。

 顔を合わせたからってエルフ族だとバレる可能性は低いだろう。

 むしろ、逃がしてから捕まった方が身包みを剥がれてエルフ族だとバレる。


 ちっとばかし危ねえ橋になるが、俺たちは敵じゃねえと分からせた上で撤退するのがベターな選択だろう。

 女児2人に背中を向けて、ケイナたちが潜伏している方向へ「こっち来い」と大きく合図する。

 木の幹や地面の起伏に隠れていた6人が姿を現して俺の後ろへ移動してくる。


 ちゃんとレイクスたちがターバンで耳を隠していることを確かめてから女児たちへ視線を戻せば、銀髪頭が目を丸くして俺の後ろを見ている。

 何を見てるのかと返り見れば、足を止めたレイクスが目を剥いて硬直していた。


 再び銀髪頭に目を戻せば笑いを堪えるように口元をモニョモニョさせていて、もう一度レイクスを振り返れば、レイクスは目を剥いて驚いた表情のまま脂汗をかいていた。

 初対面だろうに、何やってんだ? コイツら。

 パタパタと軽い足音を立ててケイナが俺の傍へ駆け寄ってくる。


「テツさん」

「「んん? テツ?」」

 ケイナが口にした俺の名前を女児たちが疑問形で復唱した。


「んん?」

「・・・あ。ヤバ」

 女児たちへ目を向け直せば、金銀の2人揃って自分の口を手のひらで塞いでいる。


 コイツら俺の名前を―――、いや。俺を知ってるのか?

 俺はコイツらを知らねえし、どこかで接点が有った可能性も無いはずだ。

 ケイナと歳が近そうだから、どこかで会っていれば記憶に残って居るはず。


 だとすれば、誰かから俺の情報を聞いていたってことか?

 誰かが俺たちに目を付けているとするなら危険だな。

 始末して口を封じるのも選択肢の1つなんだが、すでにコイツらの仲間らしきヒト族が駆けつけて来ている姿が視界の端に入っている。


 薄暗い森の中でも目立つ銀色の人影が多数。

 ガシャガシャと金属音が聞こえてくるところから判断しても、甲冑を装備した騎士たちだろう。

 今から口封じをしようと思えば、あの軍隊を全て殺し尽くす必要が有る。


 出来なくは無いと思うが、リスクが勝るな。

 敵じゃねえと示して乗り切るのが正攻法か。

 コイツらが誰から俺の情報を聞いたのか確認しておく必要も有るしな。



クラン㊺です。


殺すことも選択に!?

次回、思わぬ再会!?


※ 今日もちょっとだけ遅刻です!

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― 新着の感想 ―
テツさん、やっぱりあのアニメの事知ってそうだな。 フィオレが金髪だったら危なかった。
テツさん思ったよりも物騒な事を考えてた
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