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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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冒険者 ⑱

「で。これらの素材は全て買い取りで良いのか?」

「ああ。手元に残しても腐らせるだけだしな」

 俺は見敵(サーチアンド)必殺(デストロイ)するだけだから査定はそっちで適当にやれ。

 ギルドには俺たちと末永くお付き合いさせるつもりだから、買い取り単価が安いとか高いとか細かいことを言うつもりも無いしな。


「血抜きしてあるだけだが、犬っコロの本体もまだ有るぞ」

「そんなもん、この部屋で出すな!」

 ここで出すか? と目線で聞いたらキレられた。


「ギルド傘下の解体作業場が有る。今後、見られると拙いものを隠す意味でも納品は解体作業場で直接行え」

「見られると拙いもの?」

 どれのことだ?

 ドネルクが言いたいのはケイナの耳って意味では無さそうだな。


「ギルドは冒険者の情報を漏らしはしないが、その背嚢(バッグ)もバレないようにしておけ」

「やっぱり、珍しい物なのか?」

 リュックの方かよ。


 魔法道具に価値が有ることは理解していたが、その価値観を異世界人の俺がどこまで理解しているのかといえば怪しいもんだ。

 価値も分からずに振り回せば無用なトラブルを呼び寄せることになる。

 ここは有り難く価値観を知る男の助言に従うべきだろう。


「欲深い貴族や素行の悪い連中に知られたら、延々と付け狙われる程度にはな」

「なるほどなあ。気を付けるわ」

 コイツは大丈夫だと感じたから、ドネルクの人間性を信じてリュックの機能を明かしたわけだが、どこに誰の目が有るかは分からねえ。


 俺の危険物センサーが反応するのは、「その時点で危険が有るか」で、未来に状況が変われば「危険物」に変わる恐れも有る。

 そこは相手の人間性を見極めて信頼関係を構築するしか無いんだが、人格というか内面の問題だからなあ。

 そういった意味ではドネルクのようなタイプは安心できる。


 状況によっては一肌脱いでやる必要は有るだろうが、この男は卑しい私欲とは無縁の男だ。

 欲で動くタイプなら、最上位貴族の家督を兄弟に譲ることもねえし、最上位の栄誉であろう騎士団長という地位を擲ってまで畑違いの役職を引き受けたりはしねえ。

 恐らく、ドネルクが見ているものは国家の安定で、俺たちがこの国にとって有益で在れば敵には回らねえ。


「ほら。行くぞ」

「おう」

 ドネルクがソファーから腰を上げて先導する。

 上がって来た階段とは別の階段が廊下の奥に有って、建物の裏手側へ出た。

 建物の壁に囲まれた荷下ろし場のような空間を素通りして、鉄製の大きな扉を引き開ける。


「こりゃあ裏通りか」

「ギルド周辺の一角はギルド関連の建物で占められている。荷馬車で大きな獲物を運んだ際は、こっちへ直接乗り入れろ」

 物流倉庫のトラックヤードみてえなもんだな。

 荷馬車ごとギルド内に搬入すれば部外者には誰が何を運び込んだかが見えなくなる。


「人目に付かねえってことだな」

「それが不正の温床にもなったんだが、もっと実際的な理由が有る」

 ドネルクが俺たちを連れて行ったのは、ギルド裏の倉庫みたいな建物だった。

 荷下ろし馬の真正面で扉が向かい合わせになっているから、ギルドに搬入された物品を移動させる前提の建物か。


 こっちもまた工場の入口のようにデカくてゴツい鉄扉だが、筋肉の鎧に足が生えて歩いているようなドネルクは片手で軽々と引き開ける。

 ドネツクに付いて建物内に踏み込めば、冷蔵倉庫と自動車修理工場を足して2で割ったような内部構造だった。

 どういう理屈かクーラーもないのに建物内の空気はひんやりと冷たくて、だだっ広い作業場の壁際にはデカい木箱が並べられている。


 そして、目立つのは高い天井に走る数十本ものゴツい梁と、その梁から吊された厳つい金属製フックだ。

 太い鎖で吊されたフックは人間ほどのサイズが有って、相当にデカいものを吊すために据えられた設備だと想像できる。

 一部の壁には馬鹿デカい包丁のような刃物や、大木でも切り倒すのかと思うようなノコギリまで掛けられている。


「場長! 居るか!」

「おう! ちょっと待て!」

 入口から大音声で呼ばわったドネルクに、作業場の奥から、これまたクッソデケエ濁声が怒鳴り返して来る。

 声の感じからすると、濁声の主は老齢に両足を踏み込んだオッサンだろう。



冒険者⑱です。


ギルド関連施設!

次回、職人!?

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